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〈ナナミカ〉とオルカ
nanamica
2024年3月29日
photo: Takuto Yamasaki
styling: Takayuki Tanaka
illustration: DEADKEBAB
edit: Minori Kitamura
special thanks: Kamogawa SEA WORLD
オルカのことを考える僕は、〈ナナミカ〉が着たい。
最近、海棲哺乳類に夢中だ。特にオルカ(つまりはシャチ)に。シャチは和名で、英名はKiller Whale、また、学名のOrcinus orcaに由来する呼称がオルカだ。氷上のアザラシを波を立てることで海に落として捕食したり、標的を尾びれで宙に打ち上げて弄ぶように体力を奪ったり、獲物を狩る姿はとても恐ろしく、ただ戦略家な姿はかっこよくもある。その知性に惚れた。
英名のとおり海の覇者であり、自分たちよりはるかに体が大きな鯨さえも仕留めるため、海中に天敵はいない。だが、最近は海洋汚染の進行が原因となり、食物連鎖を介して獲物たちの体に有害な物質が濃縮された結果、生態系の頂点に位置する彼らにはとんでもない爆弾が蓄積されてしまっていると危惧されている。
オルカのことを思い、海のことを考える日々の僕は〈ナナミカ〉に共感している。テーマに“ONE OCEAN, ALL LANDS”を掲げ、海は一つで世界はつながっている、というマインドを持っているからだ。湘南の海を見ながら、太平洋の向こうにハワイがあって、そしてその先にはカリファルニアがあるんだと思いを馳せている彼らと、世界中に生息するオルカたちの生活を案じる僕も同じ気持ちだ。
そして今、千葉に向かっている。本や映像で知ったような気になっているオルカを実際に見るためだ。
シャツは、オーガニックコットンと短い繊維を紡いだシルク糸を組み合わせた生地で、ハワイのワークウェアに使用されていたパラカチェック柄。春目前のまばゆい光によく似合うな。リサイクルナイロンを使ったタフタ生地のハーフパンツもお気に入り。黒い糸を混ぜて織り、後染めした赤色は夕焼けみたいだ。ジャケット¥49,500、コットンシルクのチェックシャツ¥35,200、Tシャツ¥12,100、ショーツ¥28,600、ナップザック¥20,900(すべてナナミカ/ナナミカ 代官山☎03・5728・6550) その他は私物
海風が吹く町を歩く。
1980年代、アメリカ東海岸のアイビーリーガーの間で人気を博したダービージャケットをイメージしたブルゾンは、切り替えのラインが特徴のキャップショルダー。ヨークの背面にベンチレーションをあしらうという機能的な作りが〈ナナミカ〉らしい。ジャケット¥46,200、キュプラとヘンプを使用したアロハシャツ¥35,200、Tシャツ¥12,100、シャツと共地のパンツ¥28,600、ナップザック¥20,900(すべてナナミカ/ナナミカ 代官山) その他は私物
今季の〈ナナミカ〉は色柄が素敵だ。日に焼けたようなブルーは、太陽の下きらめく海のようだし、潮風をはらんで気持ちがいいドレスシャツには、上堀内浩平氏による極楽鳥花が描かれる。1960年代に作られたドレスに着想したという襟や袖の切り替えのデザインが特徴的だ。ホテルが立ち並び、リゾート地のような安房鴨川の町にもピッタリだね。
水平線と波と、オルカと、〈ナナミカ〉のボーダー。
空と海と波はボーダーみたいだなと思う。〈ナナミカ〉が作るボーダーは、異なるピッチ幅がまさにそれ。ちなみに、大半のオルカの体色もツートンカラーだ。白と黒の明暗に二分することで薄暗い海の中で自分の姿の境界が曖昧になるという効果があるのだろうといわれている。
パフォーマンスの30分前、席を確保するためにじっと座る。そこへ海風が吹いてもいいようにシャツをレイヤードした。とはいえ太陽サンサンな日中は通気性も確保したいので〈ナナミカ〉の機能的な服作りが効いてくる。ポロシャツには和紙混紡の糸が使われ、カラッと快適だ。
肩にかけたのはパプコーン編みのニット。和紙とポリエステルを撚り合わせた太い糸を使い、通気性がいい。前面はサドルスリーブ、背面はヨークスリーブで、厚みはしっかりありながらも肩や腕は動かしやすい。夕方の海沿いは冷えますから。
日本の水族館で唯一、オルカのパフォーマンスが見られるのが鴨川シーワールド。そこで暮らす彼らは、飼育トレーナーのサインを識別し行動するという訓練を行うことで、飼育下にあっても認知機能を活用できている。彼らが生きる上で必要な「遊ぶ、学習する、考える」能力への、いい刺激になっているのである。
飼育の意義の一つには研究がある。オルカの気持ちを知るためにも、今飼育研究下にいる彼らが幸せでいることを願う。
下に着たのは、オリジナルのパナマ素材のシャツ。オーガニックコットンとリサイクルポリエステルを使用した素材は、メッシュのように隙間が開いていて蒸れない。
ボーダーのポロシャツ¥29,700、チェックのオープンカラーシャツ¥25,300、サックスブルーのシャツ¥25,300、Tシャツ¥12,100、肩にかけたニット¥59,400、チノショーツ¥25,300、ハット¥13,200、ナップザック¥20,900(すべてナナミカ/ナナミカ 代官山☎03・5728・6550) その他は私物
インフォメーション
nanamica
ナナミカ 代官山 ☎03・5728・6550
Official Website
https://www.nanamica.com/
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