カルチャー
1月はこんな映画を観ようかな。
新しい1年の幕開けにモッテコイな5作。
2022年1月1日
text: Keisuke Kagiwada
『クライ・マッチョ』クリント・イーストウッド(監)

果たして90過ぎのおじいさんを主演に据えたアクション映画は作れるのか? 91歳のクリント・イーストウッドが監督&主演を務めた本作が果敢に挑むのは、前人未到のそんな問いだ。イーストウッド演じる老人が、ひょんなことから元雇い主の生き別れとなった息子を、メキシコから連れて帰るという爽快なロードムービーであるが、冒頭の問いへの答えもまた爽快極まりない。「老人の隣に一匹のニワトリを置いておけばいい」というのがそれ。なんのことやらと思うかもしれないが、本当にそういう映画なのだ。先日、『明石家さんまの爆笑!ご長寿グランプリ』で100歳にならんとする老人が「人生は60歳過ぎてからが本番」的なことを語っていたが、現在のイーストウッドの姿を見ると、その言葉の重みがより身にしみる。1月14日より公開。
『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』ウェス・アンダーソン(監)

我らがウェス・アンダーソン監督の最新作は、フランスの架空の街にある米国雑誌「フレンチ・ディスパッチ」誌の編集部が舞台。名物編集長アーサー・ハウイッツァー・Jr.が亡くなり、残されたクセの強いメンバーが同誌の最終号を作るという話だが、じゃあ、その制作の舞台裏を見せる『ペンタゴン・ペーパーズ 最高機密文書』的なやつかと言えばそうじゃない。最終号に掲載される3つの記事をウェスみ溢れるタッチで映像化し、それを雑誌のページをめくるかのごとき構成で編んだ短編オムニバス的な趣なのだ。その意味で『ニューヨーカー誌の世界』を彷彿とされるが、とにかく雑誌好きは全員必見である。1月28日より公開。
『ハウス・オブ・グッチ』リドリー・スコット(監)

メゾンブランド〈グッチ〉の名を聞いたことがないという人はいないだろう。だがしかし、その3代目社長マウリツィオ・グッチ(創業者グッチオ・グッチの孫)が、90年代に妻と共謀して同家に波乱を巻き起こした末、殺害されたという血塗られた歴史はあまり知られてない。『ハウス・オブ・グッチ』は、その史実をアダム・ドライバーやレディガガを始めとするオールスターキャストで映画化した1作。ブランドとしての〈グッチ〉がどの程度関与したかは定かじゃないけど、現クリエイティブ・ディレクターであるアレッサンドロ・ミケーレの世界観を体現したような雰囲気が濃厚に漂っていて、実に興味深い。1月14日より公開。
『シルクロード.com ―史上最大の闇サイト―』ティラー・ラッセル(監)

天才的な頭脳を持つロス・ウルブリヒトは、匿名でドラッグの密売ができる闇サイト「シルクロード」を立ち上げる。このサイトはまたたく間に人気を博するが……という実話を基にしたサスペンスで、ダーク版『ソーシャル・ネットワーク』的なバイブスがある。ロスがサイトを立ち上げたのは、リバタリアニズムという政治経済思想に感化されたのがきっかけらしい。リバタリアニズムというのは、国家の管理を憎悪し、自由な活動を重んじる考え方のことだが(実践者としてはPayPalの創業者ピーター・ティールが有名)、本作を観ると「自由って難しいな……。っていうか、自由って何?」と尾崎豊的なことを思わざるをえない。1月21日より公開。
『ロスト・ドーター』マギー・ギレンホール(監)

海辺の町にバカンスに訪れた中年女性が、ある母娘を目にしたことで、自身が母となったばかりの頃ののっぴきならない記憶を思い出すというヒューマンドラマ。母とは何か? はたまた親とは何か? そんな深い問いへと観る者を導く。ちなみに、『ダークナイト』でバットマンの彼女役を演じたマギー・ギレンホールの初監督作で、彼女自身が書いた脚本は2021年のベネチア国際映画祭で最優秀脚本賞に輝いたのだが、それも納得のデキ。マルチな才能ってこういうことを言うんだなぁ。Netflixで独占配信中。
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