カルチャー

1月はこんな本を読もうかな。

正月休みに読んでおきたい5冊。

2022年1月1日

text: Keisuke Kagiwada

『女パンクの逆襲 フェミニスト音楽史』
ヴィヴィエン・ゴールドマン(著) 野中モモ(訳)

イギリスで最初の女性音楽ジャーナリストとしてパンクをレポートした著者による、女性パンクについての1冊。男性が中心だと思われがちなパンク界において、いかに女性たちが重要な役割を果たしてきたかがわかり、目からウロコが1000枚以上は落ちること間違いなし。¥2,970/Pヴァイン

『杉作J太郎詩集』
杉作J太郎(著)

詩ってなんか難しそうだし、どこから入っていいのかもわからない。そんな人でも、かの杉作J太郎さんが書いたものであれば、興味をそそられるんではないか。数年前から書き溜めていたという作品&コロナ渦中で執筆した作品を約50篇を収録。杉作さんの知らなかった一面を垣間見ることができるはず。¥1,650/よるひるプロ

『ユーモア・スケッチ傑作展1』
浅倉久志(著)

雑誌の黄金時代である20世紀、アメリカで洒落と皮肉が聞いた笑える読みものが花咲いた。このカルチャーを「ユーモア・スケッチ」と呼んで日本に紹介したのが、故・浅倉久志さんだ。そんな浅倉さんが翻訳した名作アンソロジー『ユーモア・スケッチ傑作展』に、単行本未収録作を追加したのがこちら。初笑いにうってつけ。¥2,200/早川書房

『X線と映画 医療映画の視覚文化史』
リサ・カートライト(著) 長谷正人(監) 望月由紀(訳)

リュミエール兄弟による世界初の映画興行と、レントゲン博士によるX線の発見は、同じ1895年に起こった。では、X線をはじめ、科学や医学は映画といかに交差してきたのか。そんな前人未到のテーマに、未知なる情報をいくつも盛り込みつつ挑んだ壮大な1冊。いやはや映画って奥が深い……。¥4,620/青弓社

『デカメロン・プロジェクト パンデミックから生まれた29の物語』
マーガレット・アトウッド他(著) ニューヨーク・タイムズ・マガジン(監) 藤井光 他(訳)

14世紀、世界的に大流行した感染症ペストを逃れ、フィレンツェ郊外に引きこもった男女10人が、退屈しのぎに10話ずつさまざまな話を語り合う。そんな趣向の物語集『デカメロン』にならい、コロナ禍の現在において、あらゆるバックボーンを持つ作家たちが紡いだ作品を収録したのが、このアンソロジー。『侍女の物語』でお馴染みのアトウッドも描いているよ! ¥3,135/河出書房新社