トリップ
いま食べたい – 青森県八戸市のおでんツブ –
2021年9月29日
photo & text: Wakako Imagawa
edit: Masaru Tatsuki
この日獲れた「おでんツブ」は大体5キロくらい。
そのほかにも、タコ、カレイ、ほや、いしなぎ、など様々な魚種が掛かります。
「おでんツブ」が獲れたのは、八戸の大久喜漁港。沿岸漁業を中心に、約20隻の漁船が並ぶ穏やかな漁港である。2011年の東日本大震災時には、漁港内の神社に船が乗り上げるほどの被害があった。そしてその時破壊された鳥居の一部が、海流に乗って米ポートランドまで流され、再びこの場所に戻されるという出来事があった。そんな鳥居に守られたこの漁港には、ベテランから若い男、そして女性たちに至るまで、生き生きと働く地元の人々の姿がある。タコ、カレイ、ウニ、海藻など様々な魚種を扱うが、今回のテーマはその中でもどちらかというとマイナーな「(通称)おでんツブ」。子供の頃、八戸のおでんには必ず入っていた大きめのツブ貝で、ツブの中でも高級品である。
「専用のカゴに餌を仕掛けてツブ貝をとる。獲ってから市場に出すまで手間がかかる。1個ずつツブのケツを包丁で切って糞を出して綺麗にしてから、煮て、そして秤で重さを量って小分けにする。この糞を綺麗に取らないと、苦味や臭みの原因になる。身に黒い斑点があるのが新鮮な証拠」
「おでんに入ってるのもうまいんだけど、オレは茹でたてのをそのまま食べるのが何よりうまいと思う。漁師の特権だな(笑)。ほら、それ食ってみ?さっきみたいに大きい鍋で15分、時々かましながら(かき混ぜながら)、煮過ぎないのがコツだな。俺の親父はいっつも煮過ぎんの(笑)。でも八戸の人なら、このツブが一番贅沢で美味しいって知ってるんじゃないかな。最近は高級品になったけどな」
八戸はイカやサバがとても有名ですが、この漁師の健作さんが獲るタコがまた絶品。「八戸のタコを一度食べた人は、他のタコは食べられなくなる!」というほど美味しいのです。そんな健作さんが、タコ漁の合間に獲っている魚のうちの一つがこの「おでんツブ」。沖から戻ってきてから、すぐその場で(船の上で)何百個ものツブのフンを出す作業を黙々と続けます。そしてすぐに自宅に持ち帰り、鍋に湯を沸かして15分。その茹でたてが絶品で、何個もつまみ食いさせてもらいました(笑)。魚をとる知恵もさることながら、いかに美味しく食べるかを知っている漁師のかっこよさ。皆さんに、この隠れた逸品「おでんツブ」の背景に、こんな漁師さんの姿があることを知ってほしいです。(取材者談)
「今かねえば(食わないと)わがねーど(だめだぞ)!」
ピックアップ
PROMOTION
介護の現場を知りたくて。- ショートステイ&訪問介護編 –
2024年10月16日
PROMOTION
〈ザ・ノース・フェイス〉のサーキュラーウールコレクション。
THE NORTH FACE
2024年10月25日
PROMOTION
ヘリーハンセンのニューコレクションでバックトゥ ’90s。
HELLY HANSEN
2024年10月10日
PROMOTION
介護の現場を知りたくて。- デイサービス編 –
2024年10月9日
PROMOTION
〈マーガレット・ハウエル〉を着て、あの子と相合イヤホン。
MIZUNO FOR MARGARET HOWELL
2024年10月10日
PROMOTION
僕の毎日と無印良品のセーター。
2024年10月11日
PROMOTION
君たちは、〈Puma〉をどう着るか?
Puma
2024年10月25日
PROMOTION
介護がもっと身近になるケアギビングコラム。
介護の現場を知りたくて。Vol.3
2024年10月23日
PROMOTION
〈adidas Originals〉とシティボーイの肖像。#8
Yukumo Egawa(15)_Model
2024年10月18日
PROMOTION
〈ナナミカ〉と迎えた、秋のはじまり。
2024年10月25日
PROMOTION
〈ダイソン〉がヘッドホンを作る理由。
2000通りのカスタムを楽しむ、「Dyson OnTrac™ヘッドホン」。
2024年10月11日