TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#4】ボロボロの水着?

執筆:渡辺真司(ISSUETHINGS)

2026年3月30日

こんにちは。
ISSUETHINGSの渡辺です。


まだ20回は連載出来るくらいのネタはありますが、今回が最後のコラムになります。
最後の1着は、下北沢の古着屋「mu」で買った商品です。

サイズも小さいしボロボロで、ところどころステッチが脆くなっていて足を通すのがかなり心許ないです。
店主の貴志さんには、昔の水着と説明された記憶がありますが、かなり怪しい記憶です。
僕には、誰かがこれを着て泳いでいたのなんて想像もつきません。

僕はこのような系統の古着を買うことを修行と位置付け、定期的に行います。
デザイナーが皆と同じ思考だったら面白い服なんて作れないと思うのです。
この得体の知れない汚れた下着のような服にお金を払ってこそ、少し変わった感性を取り込める。そう自分に言い聞かせています。

この水着に対して少しネガティブな入りになってしまいましたが、もちろん素晴らしい点もたくさんありますし、ちゃんと修行にもなりました。

まずはスタンプ。
僕は古着に雑に押してあるスタンプがとても好きです。
特にこのスタンプはフォントや文字の大きさ、文字組み、押す位置など、かなりバランスが取れています。

そして僕が特に感心したのはこのリブ使い。
おそらく水中で抵抗を減らすために体にピタッと添わすための仕様なのでしょう。
当時、伸縮性のある生地がなかったのが想像されます。
この水着がうまれた時代に伸縮性のある生地が存在していたらこのアイデアは絶対に生まれていません。
こういったデザインに出会うと、ある種の工夫は豊かなところからは生まれないことを実感します。

僕は洋服が大好きです。街を歩いている時も、趣味のフットサルをしている時も、頭の片隅には常に洋服の存在があります。どこかで僕と会ったら洋服の話をしましょう。そして僕より変なコレクションがあったら是非見せてください。

短い間ですが、ありがとうございました。
ではまたどこかで。

プロフィール

渡辺真司

わたなべ・しんじ|1990年、東京生まれ。広告代理店、古着屋を経て、2020年にメンズウェアブランド〈ISSUETHINGS〉を設立。ブランド立ち上げのきっかけは、クリストファー・ネメスに憧れたため。

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