カルチャー

PARAKEET CINEMA CLASS 特別編/『他なる映画と 1・2』(著:濱口竜介)

「濱口竜介は神秘の人なのか?」

2024年11月25日

jingle: Kensuke Ide
cover design: Katsuyoshi Mawatari
text: Ryoma Uchida
edit: Keisuke Kagiwada

“真の映画批評に触れられるこの世でただ1つ”のポッドキャスト番組
「PARAKEET CINEMA CLASS」。

 前回から少し期間が空いてしまいましたが(スミマセン!)、今月は大ボリュームの特別編です。映画批評家の廣瀬純さんとライターの鍵和田啓介さんが、公開中の映画……ではなく、発売中の“本”をネタバレ上等で語り明かしています。取り上げるのは、濱口竜介監督による映画論『他なる映画と』(1・2巻)。

 ちなみに、本誌『POPEYE』の映画特集『これからの映画の話をしよう。』& 廣瀬純さんの待望の新著『監督のクセから読み解く名作映画解剖図鑑』(彩図社)も発売中。こちらもあわせてぜひ手に取ってみて。

 ということで、『他なる映画と』(1・2巻)を早速チェック。

『他なる映画と 1・2』(濱口竜介・著)

 『ハッピーアワー』『寝ても覚めても』『ドライブ・マイ・カー』『偶然と想像』そして当番組でも取り上げた『悪は存在しない』。カンヌ、ベルリン、ヴェネツィアの世界三大映画祭を制覇し、米国アカデミー賞国際長編映画賞にも輝いた、世界が注目する映画監督・濱口竜介による全2冊の映画論集成だ。1巻目の「映画講座」篇には、仙台・神戸・鎌倉・ソウルなどで開かれたレクチャーを初の活字化。2巻目の「映画批評」篇では、各所で発表してきた作品レビュー、映画をめぐる論考、エッセーにくわえ、日本語未発表原稿や書き下ろし2篇(7万字に及ぶブレッソン『シネマトグラフ覚書』論ほか)も収録された、充実の書。

 1巻目のレクチャーでは「声」、2巻目の批評は「言葉」であるとし、濱口監督自身が声と言葉をもって映画に触れようとしている、と廣瀬さん。『他なる映画と』からみなぎる「有限性」の問題に焦点を当て、映画によって産出される「何か」の意味を、その文章を引用しつつ読み解いていきます。1時間50分と本書にも匹敵する大ボリュームでお送りします!

※繰り返しますが、ネタバレ上等がコンセプトなので、未読の方はくれぐれもご用心を!

Host:
廣瀬純/1971年、東京都生まれ。哲学・映画批評。龍谷大学教員。映画関係の著書に『シネマの大義』『シネキャピタル』『監督のクセから読み解く名作映画解剖図鑑』など。
鍵和田啓介/1988年、東京都生まれ。ライター、編集者。著書に『みんなの映画100選』など。