トリップ

兵庫のギャラリー『Void』で開催された1日限りの催し「按」で見た光景。

BOOK SWAP MEETING Vol.6/出張編

photo: Hiroshi Nakamura
text: Fuya Uto
cooperation: Yu Kokubu

2024年6月7日

編集後記

BOOK SWAP MEETING Vol.6 兵庫県へ出張編。

 GW明けの平日に兵庫県加西市のギャラリー『Void』で、POPEYE Webクルーの写真家・中村寛史さんが主催したイベント「按」(あん)。僕らも「BOOK SWAP MEETING Vol.6」として参戦したのですが、とにかく楽しかったので、その様子をざっくりとレポートしてみます!

 まずはなんといっても、台湾在住のコントラバス奏者・dongyiのアルバム『a method for capsaicinoid analysis』のレコードリスニング&ライブが本イベント最大の見どころ。音源はもちろん、ギタリスト・marronとの共演や、人口数十人の志々島に住む唄い手・安土早紀子さんによる演奏もただただ圧巻でした。窓辺からちょうど差し込む西日が演者を纏い、何だか夢の中にいるようで。そして、今回集まったお店も、歴史に埋もれた知られざる作家のドローイングなど稀有な日本の古い紙物を扱う『紙屑倶楽部』を筆頭に、肌に直接触れずに頭とカラダの循環を促す『ハル整体』、姫路を拠点に無農薬・無肥料で野菜と米を栽培し販売する『八方美米』、自然の力を最大限活かした製法でブドウの奥深い味わいを探求し続けるワイナリー『Botanical Life』と、なかなか一同ではお目にかかれない錚々たるラインナップ! さらに壁面には、違和感を大事にする中村さんならではの視点で写し出された14名のポートレート作品と、自然やヨガが好きな安野谷昌穂さんの精神世界が滲み出たコラージュ作品。もちろん、そんな空間の中でスワップされた本もジャンルレスで面白く、干し芋愛が爆発しているzine『紅はるか』や前衛的な古物のカタログ『SILENT AUCTION 20(ENIMA DESIGN co.,ltd)』といった個性派から、『つりばしゆらゆら(森山京著)』なんてカワイイ絵本まで。そんなこんなで、喧嘩しそうなくらい濃厚な多文化がぎゅっとひとつになった催しは、日没とともに緩やかに閉幕しました。

 少々硬くなってしまいましたが、これはほんの触り。ぜひもう一度、「按」に誘ってくれた中村さんが撮影した写真で、現場の空気感を“按じて”みて欲しい! 『Void』のオーナーが6月中にオープンする予定の宿泊施設『YASURAGI』も楽しみだし、また加西に行かなきゃな。

(担当ライター)宇都楓矢

インフォメーション

兵庫のギャラリー『Void』で開催された1日限りの催し「按」で見た光景。

Void

◯兵庫県加西市北条町北条142-9 大正生命ビル3F ☎︎なし 13:00〜17:00、土・日11:00〜17:00 火・木・金休

Official Website
https://voidkasai.com/