ライフスタイル

POPEYE Web編集部の日常ブログ。

2024年 3月

2024年3月14日

POPEYE Web編集部の、ゆったりブログ。
– スタッフが見たもの、食べたもの、買ったもの etc をたまに更新します。 –


9/665(いまのところ)

都内にあるすべての駅を数えると665。こんなにたくさんある中から絞って「東京五十音散策」を進めているので、もちろん抜けてしまう街もあります。

「え」では恵比寿を取材していますが、江古田もいいなぁと。気になるお店の一つは、コーヒー豆や器具などを扱う『Beans1』。

1店舗しかない小さなお店でありながら、チェーン店並みにロゴの主張が強い。コーヒー豆が入った袋やマグカップなど、オリジナルアイテムも多数。

実は、「お」にも取材したかった駅、大岡山が。なかなか見かけないドイツパン専門店が2軒もある時点で最高だし、ブリトーの美味しいお店もあるし……。

そんな取材しきれていない好きなお店たちをここで少しずつ紹介していきたいです。

2024年3月
町田(ライター)


一人企画会議。

地球のはぐれ方

『unFASHION』、『チープシック』、『二十歳のとき、何をしていたか?』、『TAKE IVY 2016』など、POPEYEは過去の名著を参考に特集や企画をつくることがある。

 こういう特集は担当編集が元ネタの本が好きすぎて、現代版を作りたくなることが企画の原点だったりするけれど、自分だったら、今だったら、と最近読み直しているのが2008年に発売された『地球のはぐれ方』という“伝説のトラベル・エッセイ”。作家の村上春樹さん、スタイリストの吉本由美さん、編集者の都築響一さんが名古屋、清里、熱海、ハワイ、サハリンなどに赴き、ちょっとヘンと感じた部分をコラムや座談会で独断と偏見をもって発表する雑誌『TITLE』の連載を書籍化した一冊だ。

 普通の旅ガイドに掲載されている絶景ポイントや名産品といった情報は皆無だけど、目的地に潜む“ちょっと変なところ”を3人がワイワイと楽しんでいる様子を眺めていると、どんな街も地方も自分たち次第で楽しめるという当たり前のことを再確認させてくれる。

 後書きに書かれている「人間が住んでいるところで、おもしろくないところなんてないのだ」というフレーズにも大納得。

 POPEYEの読者は完成された観光地に満足する人が少ないと勝手に推測しているので、なにもない街(一見)を面白がるマインドを企画にできたら新しい旅特集になるのでは、、、と電車の中で『地球のはぐれ方』を読みながら妄想していた。

2024年3月
宮本(POPEYE Webエディトリアルディレクター)


Unfinished Embroidery/編集者の撮影小道具 #4

Unfinished Embroidery Linen 36×36 Inches

 刺繍が好きで、もっと言えば途中で作るのを辞めている刺繍が好きで、もうちょっと言えばその辞め方が早ければ早いほど好きで。完成形に対して中盤〜終盤にかけて辞めているものはきっと作ることに飽きたのだろうと、なんとなく理由が想像できるのだが、これくらい早いとなぜ辞めたのかがみょうに気になってしまう。事件性すら感じて。

2024年3月
国分(POPEYE Webクリエイティブディレクター)


Essential Day

 行きたかったけど1人だと心細かった催し、『エッセンシャルストア』の“サイレントオークション#24”に意を決して参加してきました。場所は大崎にある『MAGMA GALLERY』。荒々しい木彫りの彫刻やニョロっとした抽象作品が好きな僕にとっては宝の山すぎて終始興奮だったのですが、なかでも目玉アイテムは北京五輪のモニュメントを制作したことなどで知られる乾漆の巨匠・故小林三郎さんの作品群。店主の拓哉さんによると、今回並んだほとんどが日本でレスキューしたものらしく、国内アツっと思ったり。小林さんの作品は懐事情で入札を諦めましたが、あまりにカッコよかったので古い作品集をゲットしました。

 帰り際、ちょうど僕が入店する30分前にPOPEYE Webクルーの写真家の中村さんとデザイナーのセント君が来ていたと知りました。誘ってくださいよ~先輩!

2024年3月
宇都(ライター)


好きな古物商人、通称だるまさん

椅子

 好きな古物商人が久しぶりに出店するとの噂を聞き、茅ヶ崎の『熊澤酒造』で開催された蚤の市へ行きました。その人、通称だるまさんという方なのですが、神出鬼没でありながら界隈では名の知れた存在。僕のように目掛けて訪れる人もちらほらいて、モタモタしてたら目立つモノはすぐ持っていかれるなか、今回は写真の一脚をゲット! 1960〜80年代に制作されたフィンランドのサウナスツールってやつで、蚤の市価格過ぎたのとボヘミアンな雰囲気にヤられ即決。木ダボで組み合わせた四葉のクローバーみたいな座面も縁起良さそうだし。他にも、ペルーの古いフォークアートやパルプモールドだけで組み上がった巨大ライトなど、骨董市では見かけないようなモダンな雑貨がたくさんあり、わっせアガリました。

 ちなみに次は、5月11、12日に葉山の森山神社でゴザを広げるらしいです。インスタグラムで情報をチェックしながら、初日の朝一番を狙いたい!

2024年2月
宇都(ライター)


来訪者と遊んだ2日間。

 NYから先輩サーフスケーターKoji Kusakabeさん、CAから〈バテンウェア〉のShinya Hasegawaさんがやってきました。二人の友人で、現在はNYから帰国し日本に暮らしている〈ポストオーバーオールズ〉のTakeshi Ofuchiさんとも合流。先輩たちと2日間遊んで『フレッシュネスバーガー』の「北海道産フライドポテト」がイケることと、『伊勢丹 新宿店』に車で行く際は『パークシティイセタン1駐車場』に停めてシャトルバスで向かうと良いことを知りました。

 皆さんのNYやCAでのサーフィン話がとても羨ましく……自分に付加をかけるために公言します。私、今年はカリフォルニアに遊びに行きます。

2024年2月
トロ松(編集者/ライター)


前屈の記録 #5

2024年2月
白石(POPEYE Webデザイナー)


個人的な”積ん読”体験。

 ちょうど一年ほど前に逝去した作家の大江健三郎。『個人的な体験』を数年前に読んで以来気になって、全小説集をちびちび読み進めています。昨夏、そんな大江自らがかつて編纂した全10巻からなるエッセイ・評論集が、装い新たに『新装版 大江健三郎同時代論集』(岩波書店)としてひと月2冊のペースで刊行された。1・2巻が発売してすぐに近所の書店でたまたま見つけ、手に入れました。小説とは違う文体が親しみやすくてとても面白いです。

 その後もその書店では、論集が毎月刊行される度に1冊ずつ、必ず入荷してありました。まるで僕からの需要を想定してくれているかのように感じ、こうなったら完結するまで、便利なオンラインショップでは買わずにここで揃えてやろうと意気込みました。読むペースが全然追いついていないにもかかわらずその決意は続いて、先日ついに9・10巻を無事に購入。完結まで仕入れてくれた書店員さん、ありがとう。

 未だ数巻しか読み終えていませんが、その本をみるたびに言葉のないコミュニケーションがあったような気持ちがしてきます。ネットで手に入れたのとはまた違う、なんというか「個人的な積ん読体験」。いや、はやく読みます。ちなみにここだけの話ですが、そんな「積ん読本」にフォーカスした連載がもうすぐスタートする予定で、少しずつ準備中なので、お楽しみに!

2024年2月
内田(ライター)


『THE BIG ISSUE』は溝の口で買う。

雑誌『THE BIG ISSUE(ビッグイシュー)』は1991年にロンドンで始まった、ホームレスの人の自立を応援するためのメディアだ。日本版のスタートは2003年、月2回発行で1冊450円。ホームレスの人たちは販売者として、最初に雑誌10冊を無償で受け取った上で、街の路上で販売する。つまり「10冊までは売上の全額、そして完売後は約半分が収入になる」という仕組みで、これまでに200人以上が路上生活を脱することができたとか。

雑誌の内容も政治や文化、生活、科学、アートなど幅広くて興味深く、毎号楽しみに読んでいる。販売者は主に大きな駅の近くにいるが(詳しくは公式HPで)、僕は東急「溝の口」駅を通る際に買うようにしている。なぜなら、この駅で販売員をされている「ポン太」さんが毎号自ら書いて本誌に挟み込んでいる、「コピー用紙一枚」の手書きコラム記事がとっても面白いからだ。

内容は食べ物や文化など、季節に合わせてさまざま。ちょっとタメになる情報や日常のエピソードが綴られていて、何だか個人的な手紙みたいでほのぼのした気分になる。この素晴らしい「オリジナル付録」、その制作の時間や労力を思うと頭が下がる。ちなみにポン太さんはXのアカウントも運営されている。溝の口を訪れる機会がある方はぜひ!

2024年2月
井出(編集者/POPEYE Webシニアエディター)


Cigarette Burn/編集者の撮影小道具 #3

シャツ
Fiorucci S/S Hawaiian Shirt

 撮影の際、チラっと写り込む小道具として洋服を使うことがある。ソファの背もたれにふさっと掛けておく程度だったり、メッシュバッグに詰め込んで見せたり、そのへんにぶん投げておいたりといろいろな用途があったりする。そんな時に雰囲気の出やすい古着はやはり重宝するのだが、近年の古着人気で数年前までジャンク扱いだった品にもいい値段が付いていて困っている。気のせいだと思うが「フェードしてるんで」と言う店員さんもやや強気の表情だ。しかし、こんなシャツは安い。未来永劫安いと信じたい。昔の〈フィオルッチ〉のシャツにタバコの穴はよく似合う。写真には写らないが、このシャツならなんとなく香水くさいと尚良かったかもしれない。ただ、焦げててくさい服って全然売ってないから奇跡的に巡り合うか自分で“ヤル”しかない。あるいはフリマアプリで探すか? んーー、でもあの膨大なストックでさえ、「デニム_ヒゲ_濃紺」のように「タバコ_焦げ_濃香」と検索したってさすがにノーヒットだろうか。ともかく、ほとんどのお店が今のところナシとしている値下げせざるを得ない本当のAs Isは、多くの人が関心を寄せる広くて“アリなアジ”よりも、もう少し限定的でおもしろい雰囲気が作りやすくて撮影小道具として優秀だ。そしてこのちょっとした「ナシ」という要素がクオリティの担保になっている部分は意外とあって、例えば、もしもこの世の映画や漫画に登場するすべての脇役たちが全員まとも(アリ)だったらどうなっていたの? とか思ったりして。のび太がまともすぎて「助けて〜」って一切言わないとか、もし波平が坊主やボブのようなまともなスタイルだったなら……と想像するたびに多少の「ナシ」って大事だなと。大差がないようで大差しかないというかね、ま、ま、ちょっと脱線したけども、当初自分が着るつもりでeBayで買ったシャツが届いたらこの有様だっただけ。偶然とはいえ、いろんな意味でヤラれたな。あんにゃろう。

2024年2月
国分(POPEYE Webクリエイティブディレクター)

関連記事
⑴『シャツの店 – Syatsu No Mise/文・トビー・フェルトウェル
⑵『そっちじゃな〜い、1950〜60年代の日常シャツのこと。
⑶『「理想の普段着シャツ」をオーダーで作ってみる。Vol.1


アフターアワーズ・クラブ 第4話:ラブレターをブラッシュアップ。

宇都

宇都

今日もお仕事お疲れ様でした! さて、放課後のチャイムが鳴ったということは、駆け出しライター3人によるブログ内限定ミニポッドキャスト「アフターアワーズ・クラブ」のお時間ですね!

町田

町田

収録日はポパイウェブの企画会議があったので、それも踏まえて自分たちは今後どんな企画を作っていこうかと話していたら、いつのまにか反省会に……。

内田

内田

”愛を伝える”企画書、作れるように精進したいですね。音声は以下から、学校やお仕事の帰り道にぜひ聞いていただけたら嬉しいです!

※視聴は以下から。↓↓

2024年1月
内田(ライター)、町田(ライター)、宇都(ライター)


Professional

 PCさえあればなんとかなる編集者という職業柄、ある限定的な用途でしか使われない、使えない道具に憧れていて、見つけたら撮りためている。これは『サイクリングショップ ツバサ』の店主が使っていた”自転車の泥除けに穴をあけるために道具”。こんな感じで使ってました。

げんていてき〜。

2024年1月
宮本(POPEYE Webエディトリアルディレクター)


プロウォーカー。

 散歩を職業にできたら幸せだろうなと考えていたところ、背中を押してくれる靴を知り、数ヶ月履いている。その名もPROWALKER。ボストン発のブランド〈ROCKPORT〉が1985年に発売したモデルで、ウォーキングシューズという概念を初めて提案したという。当時、機能性を証明するためにスタッフがアメリカを何周か歩き(!)、そのエピソードが映画『フォレストガンプ』の主人公のモデルになったとか。この靴を履いている日は5駅分の距離なら「まぁ歩くか」となるので、自転車代わりに履いて歩きまくっている。疲れたら靴を脱いで、会社の近くの「中央区立築地川亀井橋公園」にある足ツボでリフレッシュ。こちらは痛すぎて2ブロックくらいしか進めていない。

2023年12月
宮本(POPEYE Webエディトリアルディレクター)


Can We Rebuild Our City?/編集者の撮影小道具 #2

レコード
Silver Leaf/I Know You, Hey!, In the Dark, Can We Rebuild Our City?(A Major Record Company/1986)

 ジャケ買いならぬ、字面買い。何度読んでも好みの語感というのがあり、不思議なもので、単語の配列がいいと中身もいい。まるで来年の課題のようでタイミングもよし。Can We Rebuild Our City? Can We Rebuild Our City? 世の中うまくできている。

2023年12月
国分(POPEYE Webクリエイティブディレクター)


ムスクの香り。

ムスク

 スメルハラスメント、なんてものがあることを内田くんに教えてもらってビックリ仰天。おフランスでは香りこそ正義なはず!(僕は行ったことないけど内田くんは現地の香水博物館にいったこともあるらしい) カムバック匂いカルチャー!って公言するほど、匂いが好きな人間でもないけど、’80年代サーファースタイルを長年追っかけていた僕にとってムスクの香りだけは切っても切り離せない。たまにディスコに繰り出すときは〈ジョーバン〉のものをワンプッシュ、ピシッと洒落込みたくなるんですよね。あっ、〈ジョーバン〉ってのは今も手に入る、かつて大流行したムスクメーカー。ほかにも〈ウビガン〉とか〈ボルト〉とかがあったみたいだけど、完全に過去の産物。もう嗅ぐことはできません。

 けど、スメルハラスメントって言葉、若干確かにと思うこともあって。僕自身ムスクの香りに酔ってしまうことがたまにあります。じゃあどうやって当時のスメルを醸し出しているかって? 役に立つのが写真のシャンプーとリンス。カリフォルニア生まれの〈アグリー〉!  ムスクの香りをうたっているこれは、とにかくさりげない。しかも海に入っていても香るから、隣で波待ちしているサーファーは近くにファラ・フォーセットがいると錯覚を起こすんです。うそです。

 ていうかそもそもムスクって何? って人のために説明。ムスクとはオスのジャコウジカから採れる天然の動物性香料のこと。かつてムスクが目的でジャッコウジカが乱獲されたことから、1979年以降、ワシントン条約で捕獲が禁止されているそうです。ん? じゃあ僕が当時スタイルで愛用しているムスクって何なの? 正確にはホワイトムスクという人工的に作られた合成香料らしい。がっくし。

2023年12月
トロ松(編集者/ライター)


アフターアワーズ・クラブ 第3話:朝のアフターアワーズ。今年の振り返り。

内田

内田

こんにちは! POPEYE Webライターの内田です。ブログ内限定のミニポッドキャスト「アフターアワーズ・クラブ」、今回もヤングチーム3人で配信します!

町田

町田

同じくライターの町田です! 一年あっという間でしたね。今回は、今年の振り返りと来年の抱負について話してみました。

宇都

宇都

同じくライターの宇都です! 朝の公園で一息つきながら収録しました。アフターアワーズ……ではないかもしれませんが、ちょっとした暇つぶしに聴いていただけたら嬉しいです。

※視聴は以下から。↓↓

過去回はコチラ:
第1話「自己紹介編」第2話「東京五十音散策編」

2023年12月
内田(ライター)、町田(ライター)、宇都(ライター)


親戚。

こち亀

 10月に開催したPOPEYE BOOK SWAP MEETINGの親戚的なマインドに遭遇しました。

2023年11月
宮本(POPEYE Webエディトリアルディレクター)


マイ・スタンダードギア。

 先日、僕が愛してやまないオーシャンブリージンなシンガー、二名敦子さんのライブを聴きに東京湾近郊のとあるレストランへ行きました。その店には初めて伺ったのですが、なんと天井にぶら下がっているサーフボードが、’80年代のトップサーファー、トム・カレンのシグネチャー〈アルメリック〉のレッドビューティーだったのです。しかも、ステージ横にさりげなく置かれていたスキー板は映画「私をスキーに連れてって」で製品化されたブランド、〈サロット〉のもの! 店主さんにはお会いできていませんが、とても仲良くなれそうな気がしました(笑)。

 このふたつ、自分にとってはかなりイイ立ち位置にいるギアで、サーフボードは〈リーバイス®〉のジーンズでいうと501みたいな存在。スキー板は〈リーバイス®〉のジーンズで言うならムービンオン的な隠れた名品という感じ(ちなみに僕的スキー板界の501はザ・スキー)。でもこれってあくまで自分にとってのイメージなだけで、その捉え方は当然人によって違うんですよね。走っている車だってそれぞれ違うように、所有者にとってのマイ・スタンダードは結構様々。そんなことを考えていると、人のギアを掘り下げていく取材なんてのもおもしろそうだなぁと思った次第でありました。お店の名前は「フィッシャリーズテラス」といいます。

2023年11月
トロ松(編集者/ライター)


泥染め体験。

 着古したTシャツがたんすの肥やしになっている。勿体ない。ということで先月、奄美大島の龍郷町にある『金井工芸』で泥染めをしてみました。『金井工芸』の染色人・金井志人さんから教えてもらい出来上がったものの一例がこちら!

染色後。泥田で揉み込み、含まれている鉄分と化学変化させることで徐々に黒へと変わっていく。

 出来上がってみると絞り方や揉み込むときの力加減が自由な表情を生み出し、同じものがひとつとないアートピースに。自然ってすごい。淡黒に染まった手もなんだかとても良かった。

2023年11月
宇都(ライター)


前屈の記録 #4

前屈
10/26

2023年10月
白石(POPEYE Webデザイナー)


愛しのさぶちゃん。

 今年の夏前に、とあるダイナーでとんでもないオーラを放っている女性が目に留まった。店員が知り合いだったこともあり、どーしても見て見ぬふりができず尋ねると、店の人が「さぶという作家だよ」と僕に彼女を紹介くれた。普通なら、ご挨拶だけして終わるところかもしれないけど、僕はのっけから興味津々。図々しくも作品を見させてもらったら、もう、興味があるというレベルではなく、完全に気持ちが好きへと変貌。以降の僕はさぶさんのものが家に増えていくのが楽しみに。洋風と和風がクロスオーバーする感じがたまらないショップのアート、作品集(過去作と最新版)、ステッカー、他にもいろいろあるけど、LINEスタンプも生まれて初めて課金し、しまいには僕の好きなアップリケでワンオフの作品を手掛けてもらった。よく聞く、推し活ってやつ、他人事だと思っていたら普通にしてました。

アップリケ

さぶさんの公式ホームページはこちら(https://www.suddokkoi.com

2023年10月
トロ松(編集者/ライター)


Instagramはじめました。

 いま読んで欲しい記事、取材前後の様子、記事にするほどではないけど届けたいニュースなどを投稿したくなり、インスタグラムをはじめました。POPEYE Webのメルマガだと思ってフォローしてもらえると嬉しいです。

2023年10月
宮本(POPEYE Webエディトリアルディレクター)


Sonder

 小田和正は言葉にできない状態を「ラララ」と歌いましたが、そんなふうに言葉にできない感情が湧いてくることがあります。文章を書くようになってまだ一年ちょっとですが、感じたことをちゃんと言葉にするのって難しいなあと日々思います。

 このところ立て続けに『ムービング』(Disney +)と『マスクガール』(Netflix)という韓国ドラマを鑑賞。あまりの面白さに、どちらものめり込むように数日で見終えてしまったのですが、そこで感じたことをうまく言葉にできずにいました。

 というのも、両方の物語では共通して、登場人物たちの人生を(端役でも)丁寧に描いていて、100人いれば100人分の人生があるんだなあと不思議な気持ちに陥ったのです。これってどういう感覚なんだろう、と友人に話したところ「それは英語で”Sonder”っていうんだよ」と言われました。

 この言葉はアーティストのジョン・ケーニッヒが作成した『The Dictionary of Obscure Sorrows』という辞書に載っていて、アメリカではちょっと前に話題になったそうなのですが(詳しくはこちら)、Sonderとは要するに「 私たちはみな自分が人生の主人公として生きているが、実際は通りすがりの他人でさえも、自分と同じように複雑な人生を生きているということへの気づき」を表していて、日本語にはまだない感情表現の単語だそう。きっと自分は、この2つのドラマで”Sonder”が丁寧に描かれていたために感動したのだと思います。言葉にすることで頭の中で整理がついて、少しすっきりしました。

 また先日、東京五十音散策の取材のために麻布十番を散歩していたら、廃墟のエリアにこんな落書きを見つけました。

廃墟 落書き

 どうやらこの辺りは再開発エリアに指定されたことで取り壊しの直前となっており、既に前の住人が立ち退いたあとだったようです。こんなところにもきっとなにかの物語があったんだなあと非常にSonderを感じ、その日はちょっぴりセンチな気持ちで小田和正を聴いて帰りましたとさ。

2023年10月
内田(ライター)


Orb the Coffee

 先日行った藤が丘の『Orb the Coffee』。店主・ノエルさんの祖母が営む洋食喫茶『Mag』を定休日の日曜だけ借りて営業している喫茶店です。

 お店をスタートしたきっかけは、この地で50年続く『Mag』が今年11月にクローズするため、最後に新しいお客さんにも来てもらいたいから。11月以降も『Orb the Coffee』は続くのか伺うと、「祖母が頑固なので続けさせてくれるかわからないんです」と。

 どう頑固なのかまでは聞けなかったけれど、自分の孫でも継がせるのを拒むなんて、何か強い意志があるのだろう。閉まる前までに必ず行って、ノエルさんのおばあちゃんの信念を確かめてきます。

2023年10月
町田(ライター)


そうきたか Vol.01

 いろんな褒め言葉があるなか、まぁまぁ褒め指数が高いのではないかと思っているワードのひとつが「そうきたか」。

 普段使いしている人はあんまり見たことがないけれど、例えば自分がなにかアイディアを出して、相手が「そうきたか」の顔になっているときは、正直嬉しくてしょうがない。

 そんなマジカルワードなのでどんどん使っていこうという話。今月の「そうきたか」は、荏原町のフランス菓子店『Patisserie YOSHIKAWA』のサブレ。ライフワークとしてサブレを見かけたら買うようにしていて、ちょっとしたサブレではあまり驚かなくなってきた近頃、その油断をサクッと壊されたました。

サブレ

 ポイントは、じゃがりこを彷彿とさせるこの形状。サブレにしては小さいので一個では絶対にヤメラレナイ。そのうち何個食べたかわからなくなり「いくとこまでいてまえ」スイッチがオン、「適度に」という理性が壊れるちょうどいい質量なのだ。ちょっぴりしょっぱい中毒性のある味も要因のひとつだけど、形を変えるだけでこれだけサブレで楽しませてくれるなんて、というエピソードでした。

 あと、テレビでバスケW杯を見たら、バスケのパスとかシュートって「そうきたか」の連続ってことにも気が付きました。

2023年9月
宮本(POPEYE Webエディトリアルディレクター)


正ちゃん帽。

 トロ松さんがかぶっていて可愛いなと思っていた「正ちゃん帽」。古い新聞4コマ漫画『正チャンの冒険』に登場するキャラクターがかぶっていたことから付けられた名前で、大きく言うと“ポンポン付きのニット帽”のこと。

 トロ松さん以外でこの帽子を推している人に出会っていなかったけれど、先日コペンハーゲンで気になっているお店〈HOLLY GOLIGHTLY〉のインスタグラムを見ていたら、正ちゃん帽のスタイルがすごく多い!

 秋冬身につけたいアイテムです。

2023年9月
町田(ライター)


タイガー。

 ここ数年、夏に履けるグレーの薄い生地のスラックスを探し続けています。理想の色合いはかつてアメアパで売られていたけれど、もうどこにも売っていません。紳士服売り場や古着屋で探しても、そもそもグレーの薄手のスラックスはあまり需要がないようでコレ! という一本になかなか出会えません。

 そんなあるとき、意外な場所で発見。

タイガー・ウッズの写真集

 それはタイガー・ウッズのゴルフ教本。

 タイガーのスイングがコマ送り写真で撮影されているゴルファーに寄り添った一冊ですが、あるページでタイガーが履いているスラックスがとってもイイ。

タイガー・ウッズのスイング写真

 淡いグレーとテロテロの生地がとても素敵。結局、これを買えるわけではないけれど、ちょっとずつ理想のグレースラックスに近づいている気がしています。あと、教本のおまけページ的なコーナーでタイガーが着ていたスーツの様子も良くて今度はスーツも欲しくなりました。

タイガー・ウッズスーツ姿
椅子もクール。パソコンデカい。

 という、探し物は意外なところで見つかったりするという体験談。からの告知ですが、もしかしたらあなたの探し物が見つかるかもしれないバザーを自由が丘のひかり街で本日18時まで開催中! ぜひ来てください!

2023年8月
宮本(POPEYE Webエディトリアルディレクター)


僕のバイブル。

 教科書としているお店がある。神戸(正確には芦屋の隣駅にある夙川というエリア)にかつてあった「ピアスポーツ」というサーフショップだ。

 僕はここで扱われていたサーフボードや、スケートボードメーカー、ウェアをもう何年も探し集め続けていて、東の海でひとり、西のピアスポーツスタイルを勝手に演じきっている。どやさ。

注:この写真はピアスポーツスタイルをした僕の近影です。

 生まれた頃にはもう無くて当然一回も行けてないけど、1977年のポパイで“関東でもめったに見かけないものばかり”と紹介されていて、そのセンスはお墨付き。復活を熱望すること何年になるか、実は最近このお店のウェブサイトが立ち上がっているのを発見し、当時の内装をまじまじと見ることができるようになった。

 いずれは実店舗の復活を! とまでは言わないので、ロゴTシャツの復刻を望みます。ポケロゴでバックプリント無しなら10枚買います。

https://www.piersports.jp/look-book

2023年8月
トロ松(編集者/ライター)


街の名コピー。

 商店の看板や路上の掲示板に書かれたフレーズを「街の名コピー」と呼んで、遭遇したら撮るようにしている。といきなり言われても「?」だと思うので、少し実例を。

 店のキャラクターや場所との関係性込みで言葉の強さが倍増するのが街の名コピーの特徴だ。店主が考えたのか、親戚の作文が得意な子が考えたのか、常連客がプレゼントしたのか、有名なコピーのパロディなのか、など想像するのも楽しみのひとつ。

 ただ、世間に広めるためではなく、その土地に暮らす人やフラッと訪れた人に向けたコピーなので探すのが難しい。というか、厳密に言うと探してはいけない。道を歩いているときに偶然目に入ってくるのが街の名コピーとの理想の出会い方。

 だから、なかなか見つけるのが難しい。
 ということで、後日「でかい遺産」と同じ方式で読者のみなさんに募集をしたいと思っています。

2023年7月
宮本(POPEYE Webエディトリアルディレクター)


決め手はカーペット。

 ないんです。最近。TVK(テレビ神奈川)なんかでたまにやっている懐かしいドラマに映るあれ。かつてはよく見かけていたのに。探しているのはなんてことないグレーのカーペットの部屋。僕が住む借家を選んだ決め手は、階段にこれが使われていたからでした。気付くと東京の住宅ではなかなか出合えなくなっていて、もうホテルに頼るしかなくなっています。写真はファミリーロッジ旅籠屋。ここはかなり僕の好きなイメージに近い。旅先で旅籠屋さんがあれば懐かしのアメリカンに浸ります。いずれこんな部屋がほしいです。

2023年7月
トロ松(編集者/ライター)


アフターアワーズ・クラブ 第2話:東京五十音散策編

内田

内田

こんにちは! POPEYE Webライターの内田です。ブログ内限定のミニポッドキャスト「アフターアワーズ・クラブ」、今回もヤングチーム3人で配信します!

町田

町田

同じくライターの町田です! 今回は3人が関わっている記事『東京五十音散策』について話してみました。

宇都

宇都

同じくライターの宇都です! あまりの暑さにちょっとだけテンションがおかしいかもしれませんが、ぜひ聴いてもらえると嬉しいです。

※視聴は以下から。↓

関連記事:東京五十音散策
https://popeyemagazine.jp/tag/tokyo-walking/

2023年7月
内田(ライター)、町田(ライター)、宇都(ライター)


前屈の記録 #3

6/22

2023年6月
白石(POPEYE Webデザイナー)


The Sweetfish Cakes

 毎年、この時期になると出てくる「若鮎」が好き! と言っても本物の鮎ではなくて。誰もが一度くらいは見たことがあるであろう、アノ鮎の形をしたKAWAIIお菓子である。

 餅粉や水飴などで作った「求肥」をカステラ生地で包み、川鮎の姿に見立てて目、エラ、尾びれなどを焼ゴテで焼印したもの。「稚鮎」や「登り鮎」、あるいは単に「鮎菓子」と呼ばれることもある。多数の製造メーカーで作られていて、関東では求肥に餡が混ざったものも少なくないけど、やっぱり求肥のみが潔くて良い。

 歴史を調べてみたところ、やはり清流の多い鮎の本場として知られる岐阜県、あるいは京都が発祥の地だとか。岐阜市湊町にある1908年創業の老舗「玉井屋本舗」創業者・玉井経太郎氏が、京都などで修行を積んだ後、鮎菓子を始めたという。その原型となったのは岡山の銘菓「調布」という菓子らしい。食べたい。

https://tamaiya-honpo.co/

 で、とにかくこの若鮎がイイのは、「求肥とカステラ」という一年中を通して調達可能かつ特に季節感の感じられない素材を使用していながら、この初夏の時期にしかほとんど販売されないということだ! 特定の行事イベントと結びついた柏餅やらクリスマスケーキとは違う、微妙な風流感がある。

 だいたい5月中旬から市場に出回り、もうそろそろ消えようとしている。短い。だがそこがいい。

2023年6月
井出(編集者/POPEYE Webシニアエディター)


Small resistance #1

ちいさい秋みつけた」と同じようなテンションで「ちいさい反抗みつけた」と思う瞬間がある話。

 写真はとあるフランチャイズガソリンスタンドの待合室。

 自分が知る限り15年以上の間に何度か経営母体が変わり、それにともなって看板やスタッフの制服も新しくなっている。にもかかわらず、待合室にあるジョアン・ミロの絵はずっと変わっていない。他にも巨大な金魚を飼育している水槽、トレンディドラマにでてきそうな机と椅子、瓶コーラの自販機もずっと置かれている。

 個性を出しすぎたら注意を受けるところを、会社側が怒りようのないor意識できない部分で店長(オーナー?)が静かに自分の趣味嗜好を貫いていると解釈していて、訪れる度に「いいね!」と感心している。※妄想です

 小野寺伝助さんの連載『クソみたいな世界を生き抜くためのパンク的読書』「人間らしくいること」で非人間化に抗うパンク的な姿勢を垣間見たという一文があったけれど、真相はさておき、自分はこのガソリンスタンドの店長(オーナー?)にも同じ姿勢を感じているのかも。

 このように、会社、先生、上司、先輩などに感知されない程度に個性を出したり、既存のルールに反抗したり、自分らしさを出すことを「Small resistance」と名付けて、今後このブログで応援していこうと思っています!

2023年6月
宮本(POPEYE Webエディトリアルディレクター)


神田にて。

 先日、「神保町ブックフリマ」に行ってきました。本を出版している場所・出版している人自身から直接買える機会は珍しく、フリマならではの雰囲気でとても楽しかったです。到着してすぐにずっと欲しかった『金枝篇―呪術と宗教の研究』シリーズ(国書刊行会、現在7巻まで発売中)が半額以下になっているのを見つけ、大興奮でレジへ。

『金枝篇』は社会人類学者ジェームズ・フレイザーによる大著。ウェブのミニコラムコーナー、「タウントーク」に登場してくださった後藤護さんがこれから出る予定の続巻の訳文校正を担当しているそうで、発売が待ちきれないです。そのうちポパイウェブでもバザーみたいなものがやれたらいいなーと考えつつ、その帰り道には4年ぶりに開催された神田祭に遭遇!

先頭の信号が赤になり進行一旦ストップ中。

 盛り上がっていても、汗だくで大変でも、信号を守って進んでいくお神輿をみて、自分も仕事で守れる最低限のことは守らなきゃなと勝手に解釈し、浮かれた気持ちが引き締まりました。まずはスケジュールを守るところから。さあ、今月からやってみせるぞ!

2023年6月
内田(ライター)


前屈の記録 #2

6/1

2023年6月
白石(POPEYE Webデザイナー)


リサーチ。

 はじめまして、新人ライターの宇都と申します。ここ数ヶ月は、ライターのキホンのキ、リサーチ業に奮闘中です。

 今年の5月でポパイウェブに関わり始めてちょうど一年が経ったこともあり、身の回りの何かを新調したい気分になりまして、修行中のリサーチを駆使し、今欲しい「レコードバッグ」を調査してみました。といっても、とても身近な……先輩たちの(レコードが入りそうな)布バックを。

宮本さんのバッグはスウェーデンのヨットメーカー〈NAJAD〉のもの。「持ち手が長いので肩掛けすると荷物がお尻にバンバン当たるのがお気に入り」のポイントらしい。不思議なこだわりだけど少しわかる。
井出さんのバッグは〈THE BODY SHOP〉。2004年まで使われていたローマン体ロゴのものらしく、ちょうどレコードサイズ。いい意味でペラペラな素材もいい感じ。僕もこういうこだわりを語れるような人になりたい。
うっちー(内田くん)のバッグは今年で創業50周年を迎える出版社、国書刊行会の周年記念バッグだった。厚手で頑丈。長く使うなら耐久性で考えるのはいいかもしれない。
国分さんのバッグは……この人が持ってるからアリ、になっている上級編な気がした。使うタイミングも大事なのかも? ずるい! 国分さんはこのバッグに実際にレコードを入れていた。
トロ松さんのバッグは自分のお店「トロピカルレコード」のロゴを刺繍したオリジナル。キルティング素材にヤシの木モチーフ、最高! 自分にヴィジョンがあれば自作は間違いないかもしれない。
ほぼ同期のライター・町田さんのバッグは、紐を絞って開閉するタイプだった。そのテもあったか〜。

 布バッグ、当たり前のモノすぎて普段は全然気にしていなかったのですが、よーく見てみると、持ち手の長さや布地の厚みが違うだけでなく、持ち主のスタイルが如実に表れることを知りました。通い慣れた街でもじっくり観察すれば、記事の質が上がってくるに違いない! 今日もリサーチ頑張ろう。

2023年5月
宇都(ライター)


西のヒットナンバー。

 最近、編集部内で「みんなにとっては当たり前のことでも自分は経験していないものってあるよね」という話しになりました。自分の場合は音楽共有サイトがそれだけど、過去にSoundCloudに一回だけ音源をアップしたことがあるのを思い出し、検索してみると発見。蒐集していた当時のディスコの録音テープ(DJプレイ中に録音されたもの)の一つをアップロードしていました。ニール・セダカの“関西ディスコヒットナンバー”から始まる1980年のMIX TAPEは、改めて聴くとDJの選曲も喋りも秀逸! でも何より、そんな“西の音楽”の仕掛けに大阪の音楽店「The Melody」が絡んでいたりしたことを取材を通して知り、馴染みの曲が一味違って聴こえたのが最高の体験でした。

関連記事:終わりなきウエストコーストロード
【前編】https://popeyemagazine.jp/post-118267/
【後編】https://popeyemagazine.jp/post-118395/

2023年5月
トロ松(編集者/ライター)


私的二択シリーズ

 はじめまして。ライターの町田です。『今月はこんなお店に行ってきた』という、ニューオープンや新メニューを出した老舗など、気になる飲食店を紹介する連載を担当しています。

 POPEYE Webのほとんどの記事にはハッシュタグ(←クリックしてみて!)が付いていて、この膨大なタグの中に「二択シリーズ」という隠れ企画が存在するのですが、私が二択で迷っているのはパイかサンセットか。昨年取材した『Punk Doily』というパイショップには、東京一といっても過言ではないテラス席があり、日没の時間帯がそれはもう最高なのですが、遅めに行くとパイが売り切れるという恐るべき事態の可能性も。確実にパイをゲットするか、夕陽を見るか、どちらを選ぶかはあなた次第です……!

関連記事:今月はこんなお店に行ってきた。(九品仏『Punk Doily』編)
https://popeyemagazine.jp/post-145408/

2023年5月
町田(ライター)


ジョシュアツリーの法則。

 POPEYE Webに掲載しているシュロという木をテーマにした漫画を読んで以来、散歩をしているとシュロがビシバシ視界に入ってきて大変。

 だいたい上の写真のような5,6mのかわいいサイズの木だけど、近所の交差点で桁違いのヤツを発見。しかも3本。

 なにがすごいって、この大きさよりも何千回も通っていた道なのに「シュロ」という言葉を知るまでまったく気にしていなかったこと。さらに驚いたのは、この現象に「ジョシュアツリーの法則」という名前がついていたこと。あるデザイナーが図書館を訪れ、そのときに読んだ本でジョシュアツリーという木の存在を知り、いつもの帰り道に“それ”があったことに気がついたことから「名前を知ることによって認識できる」現象をそう名付けたらしいが、まったく自分と同じゃないか。シュロに変わるなにかを探して、みなさんに認識してもらうことを目標に散歩を続けたいと思います。

2023年5月
宮本(POPEYE Webエディトリアルディレクター)


YouTubeライブ配信

 埼玉県狭山市で17年ぶりに開催された『ハイドパーク・ミュージック・フェスティバル』を記念し、POPEYE Webでは関口スグヤさんと麻田浩さんをお迎えしてミュージックライブを配信しました! アーカイブされていますので、未視聴の方はぜひ!

記事はこちら。
https://popeyemagazine.jp/post-158190/
映像はこちら。
https://www.instagram.com/reel/CqeAqzkAwBI/

 このライブ配信ですが、そこはやっぱりポパイウェブ。「自分たちでやってみる!」ということで業者の方には頼まず一から自分たちで準備してみました。僕はスイッチャー(画面の切り替え)と動画配信の管理など、映像まわりの諸々を担当しました。トラブルがないよう何度も機材リハーサルを重ねました。

 いざ生配信がはじまると予期せぬ機材トラブルが相次いで起こり、汗びっしょり……! 演奏は本当に最高でとってもいい時間だったのですが、僕らが演者の方や見ている人に迷惑をかけたのではないかと大反省。後ほどプロの方に聞いたところ、生配信は絶対といっていいほどトラブルがつきものだそう。やはり、経験してみないとわからないことだらけだ。

 ポパイウェブで仕事をするうちに、ポッドキャストの収録では「音声担当」、映像関係のことでは「映像編集担当」。「画像の編集します」「音源作成を担当します」などなど、怪人二十面相さながら役職を変えて挨拶をしています(笑)

 ウェブ媒体でやれることは多い。ライターではあるけれど、その枠を超えて挑戦していければもっと面白いことがやれるし、届けられるかもしれない。今年もさらに色んなことに挑戦していきますので見守っていてください!

2023年5月
内田(ライター)


求む、見えないDJブースがある箱

1977年頃の『葡萄屋』のDJブース。

 最近レコード本を出版した経緯からDJブースに立つ機会が増えたが、とっても恥ずかしく思うときがある。なぜDJブースはあんなに目を引くように作られているのだろう。かつてのDJブース(ディスコ初期の頃)はリクエストカードを渡す穴があるだけで、DJの顔なんて見えなかったという話しを聞いたことがある。’70年代後期に六本木にあったディスコ『T.G.I FRIDAYS』はDJルームがマジックミラーで隠されていたらしい。写真は僕の大阪の師匠の一人、DJデニスさんが在籍していた『葡萄屋』のDJブース。鉄格子が加わるだけでもちょっと控え目に見えるよね。みんながDJブースのほうを向いてノッている、というあの光景より、みんな各々好き勝手な方向を向いて踊っている箱があればいいのにな。

2023年4月
トロ松(編集者/ライター)


ブログ内限定のポッドキャスト「アフターアワーズ・クラブ」始動!/第1話:自己紹介編

内田

内田

こんにちは。ポパイウェブ・ライターの内田です。
いやー、今日もお仕事頑張りましたね! こんな日はウェブのヤングチームの仲間、町田さんと宇都くんの3人で乾杯といきたいところだけれど、「それもコンテンツにしてみれば?」とクリエイティブディレクター・コクブさんの声が!
ということで仕事終わりの、いや、放課後の雑談のように喋るミニポッドキャスト『アフターアワーズ・クラブ』をスタートさせてみました!

町田

町田

同じくライターの町田です。説明ありがとう(笑) ウェブのポッドキャスト番組『POP-EYE MEETING 編集会議』のスピンオフみたいにして続けられたらいいね。

宇都

宇都

同じくライターの宇都です。初回はみんながウェブでどんなことをやっているのか、自己紹介も兼ねて喋りました。楽しんで聴いてもらえたら嬉しいです! それではよろしくお願いいたします。

※視聴は以下から。↓

2023年4月
内田(ライター)、町田(ライター)、宇都(ライター)


取り残された話。

 フッと目が覚めて、ボンヤリした頭をそろりと上げると……電車の中だった。いつも見慣れた、地下鉄日比谷線。の車両。のはず。だったのだけれど、ハテ、何かが違う。アレ? この電車止まってる? しかも明るい、地下じゃないぞ。窓の外には他にも停車した列車が……おお? よく見たら誰も人がいない? この電車、僕一人だけ? 何コレ???

 ……どうやらここは、停車中の無人列車。真っ昼間の。要するに僕は、東銀座駅から乗り込んで中目黒方面へと向かっていた途中で眠りこけ、降り過ごして、一人車両に取り残されてしまったようなのだ。普通、終点の駅で車掌さんが起こしてくれるよね? いやはや、どれくらいの時間寝ていたのか。てか、ここは一体どこなのか。そんでワタクシどうすれば? すっかりボーゼン自失、だらしなく口を開けて窓の景色を眺めていること数分。カツ、カツ、カツと、前方の車両の奥から車掌さんらしき男性がゆっくりとこちらに向かって歩いて来るじゃないか。スリーナインかいな。僕の目の前で足を止めた彼は、「またか」とでもいうような心底面倒くさそうな顔をして、「そのまま待っててください。折り返しますから」とだけ言い残し、次の車両へと足早に去っていった。

 言われたとおり待っていたら、10分後くらいだろうか、列車が(反対方向に)再び動き出した……と思ったら、ものの30秒ほどで駅に到着。遠くまで漂流したのかと思ってたが、こんな近くにいたとは。辿り着いたのは中目黒駅だった。日比谷線・北千住方面行き、当駅発。ホームには人がたくさん並んでる。当駅発なのになぜか一人だけすでに乗客が乗っているという謎の状況、窓越しに皆が目を丸くしてこちらを凝視しているのが恥ずかしい……。

 帰ってから調べたところ、僕が取り残されていた場所は、日比谷線・中目黒駅から祐天寺駅方面へと少し進んだところにある「引き上げ線」(列車の方向転換や入れ換えを行うために、一時的に本線から列車を引き上げるための側線)というやつだったらしい。電車ファンの方々には“常識”なのかもしれないけど、20年近くもこの線を利用している僕は、何度も通っていながらまったくその存在を意識したことがなかった。見ているようで見ていないんだなあ。それにしても、あの誰もいない列車の雰囲気は何だかとても良かった。

2023年4月
井出(編集者/POPEYE Webシニアエディター)


前屈の記録 #1

4/27

2023年4月
白石(POPEYE Webデザイナー)


Quilting Bee/編集者の撮影小道具 #1

Nine Patch and Octagons Quilt with……

 学生時代にこんな部活あったら入りたかったなー、と妄想することがたまにあるのですが、昔のポパイを読んでいると先輩たちも似たようなことを考えていたのか、編集スタッフらがクラブ活動みたいなことを結構やってたみたいなんですよね。おそらく稼働はそれほど……な感じだったとは思うけど。さておき、僕も作りたいなと思って。例えば「Quilting Bee(キルトをつくる会)」とか。ルビア(茜)の根を主原料とした赤色合成染料、通称ターキーレッドの普及がきっかけで、この赤と白で構成されたキルトの最盛期は1880~1920年代頃とされてるのですが、その時期の紅白キルトを(たぶん)世界一所有していた方がいて、ジョアンナ・S・ローズさんという方なのですが、自身のキルトコレクションをニューヨークの「American Folk Art Museum」に653枚展示/寄贈された偉大な方で。そのコレクション展「Infinite Variety」の本が最近復刻されまして、TOROの山口さんに教えていただいたのですが、もう、もう、本当に圧巻で、その『Red and White Quilts: Infinite Variety: Presented by The American Folk Art Museum』を読んでいると、ちょいちょい「Quilting Bee」の話も出てきたりして、本日はそれについて調べてたら一日終わりました。プシュッ。まあクラブ活動というか、POPEYE Webから派生するいくつかのコミュニティスペースみたいなものをウェブサイト上に作ってみるのは楽しそうかなって思ったって話です。それはそうと、僕が持ってるこのキルトも当時ローズさんの手元にあったら「American Folk Art Museum」に所蔵されていたと思うと背筋が伸びるなあ、大切にしよう。

2023年4月
国分(POPEYE Webクリエイティブディレクター)