ファッション
ルッキングッドをキープするための道具と知識。Vol.1
2024年2月18日
HOW TO BE A MAN
photo: Kazuharu Igarashi
illustration: Yoshifumi Takeda
text: Nozomi Hasegawa, Ryota Mukai
cooperation: Mariko Urayasu
2020年4月 876号初出
いくら髪型が格好よく決まっても、それが髪を切った一日きりの話では意味がない。プロに頼らずとも爽やかなヘアスタイルをキープできるように、そして、もっと長い目で健康的な髪を保ち続けられるように。巻頭のファッションページでもルッキングッドな髪型を作ってくれたヘアスタイリストのHORIさんに、毎日のヘアケアについて教えてもらった。
1. HAIRBRUSH
メンズでもヘアブラシを使ったほうがいいって知ってた?
ヘアブラシなんて一度も握ったことがなくて、なんなら女の子の専用アイテムだと思っていたから、HORIさんに「ボウズでも絶対使ったほうがいい」と言われて驚いた。そもそも、ブラシは髪をとかすだけではなくて、頭皮や髪の健康のために使うもの。例えば入浴前にブラッシングをすれば毛穴の汚れが浮いてシャンプーで落ちやすくなるし、出かける前にサッととかせば、頭皮の脂を髪全体に馴染ませてツヤのある髪に仕上げてくれる。つまりは良いことずくめってこと。で、肝心のアイテムの話だけど、HORIさん曰く「これだけ持っておけばOK」なのが、150年以上の歴史を持つ英国最高峰のハンドメイドブラシ〈メイソンピアソン〉。猪毛100%で髪馴染みがよく適度な刺激で地肌の血行を整えてくれるし、何より丈夫で長持ち。確かに毎日使うものだし、気分良く、ずっと使えるっていうのが何より一番。
HOW TO BRUSH
ヘアブラシ界のロールスロイス。メイソンピアソンは髪質で選ぶ。
1862年創業の英国の老舗。豚毛よりも硬い猪毛を用い、土台をクッション構造にすることで、適度な刺激でしっかりと頭皮のマッサージができる。ブラシの毛は4種類。髪質に合わせて選ぼう。旅先でもかさばらないポケットサイズが便利。
2. SHAMPOO & CONDITIONER
間違ったシャンプーを、あと何千回続ける気だい?
今まで何千回としてきたのに、“正しいシャンプー”について1秒も考えたことがなかった。曰く、シャンプーは直接肌に触れて頭皮を手入れするもの。だから頭皮ケアを重視したスカルプケアタイプや、天然の低刺激な成分を使ったナチュラルなものがいいんだそう。洗い方も大事で、「指の腹を使ってマッサージするように洗うこと、予洗いとすすぎ洗いに時間をかけること、それとコンディショナーは髪用のものなので、頭皮にはつけないようにする」。意外と小さなことで頭皮の健康は決まる。せめて髪を洗うときくらいは頭皮のことを考えようっと。
2,000(アリミノ☎03・3363・8211)
HOW TO WASH
ぬるま湯でしっかりと“予洗い”。そうすることで髪についた埃や汚れがある程度落ち、シャンプーの泡立ちも良くなって洗浄効果が高くなる。
シャンプーの量は大体500円玉くらいが目安。適量のシャンプーで泡立ちが弱いと感じる場合、1の予洗いがしっかりできていない可能性が。
シャンプーは“地肌を洗う”ものと意識。爪を立てないよう、指の腹を使い、小さく円を描くように、頭皮全体をマッサージして洗っていく。
すすぎが不十分だと頭皮トラブルの原因に。シャワーを使い、気持ち長めに泡をしっかり洗い流そう。耳周りや後頭部は特にすすぎ忘れに注意。
濡れた髪はキューティクルが開いて傷つきやすい。ゴシゴシするのはNG。頭皮を押さえるように、優しくタオルを押し当てて水分を吸わせる。
3. HAIR TONIC
トニックが気になっている。理由はまだない。
トニックってやつが気になる。そう、銭湯なんかでよく見かけるアレ。正直今まで気にしてなかったが、ヘアのことを考えるうち、入浴後にトニックを振るう紳士たちの姿が無性に格好よく思えてきた。調べてみたら洒落たボトルのものも結構ある。あれは一体何だ! 「スカルプマッサージに使う液体で、生薬やハーブの成分が入っているものもあり、ふけやかゆみに効いたり抜け毛防止の効果もあります」。俄然、洗面所に迎えたくなった。使い方は入浴後、タオルで髪の水気を取って頭皮に直接振りかけ、指の腹を使って揉み込む。実際使うと清涼感があって頭もすっきり。はい、スタメン入り決定。
4. HAIR OIL
ボウズだってヘアオイル。
「ボウズでも、普通に使いますよ?」。今回のヘア取材で話を聞いたボウズの一人がそう言っていて、常識が揺らいだ。ボウズなのにヘアオイル? すぐにHORIさんに確認すると「髪を保湿し栄養を与えてくれるのがヘアオイルで、髪にだけつけるものと頭皮にも効果があるものがある」らしい。なるほど男性なら後者を使うと、地肌を保湿して乾燥を防いでくれるそうだ。そういうわけでボウズにもヘアオイルなのか。手のひらにオイルを馴染ませてから、揉み込むように頭全体に広げる。栄養が行き渡るような感じがして、毛先もまとまって柔らかくなった。「なのに」は禁句にしよう。
5. HAIR DRYER
プロが選ぶドライヤーは何が違うのか。
ドライヤーって毎日使うけど、見た目とサイズ感くらいしか気にしてこなかった。プロは何を基準に選んでいるんだろう。「大事なのは風圧。乾くのが早くなる分、温風にさらす時間が短くなるから、頭皮の乾燥を防げるし、暖へのダメージも少なく済みます」とHORIさん。風圧とは知らなかった! 日本でプロ用といえば〈ノビー〉が有名だけど、おすすめと言って見せてくれたのはスイスメイドの〈ソリス〉。業務用だけでなく家庭用のラインもあり、押すだけで冷風が出る青いボタンなど、機能を併せ持ったスマートなデザインはそちらでも健在。
HOW TO DRY
髪を守るキューティクルは根元から毛先に向けてうろこ状についている。流れに沿って上から風を当てることで、髪に綺麗なツヤが出る。
軟毛でへたりがちなトップにボリュームを出すとき、前髪を上げたいときは、髪を持ち上げて、乾かすときとは逆方向に根元から温風を当てる。
髪には、暖かいときに動きが出て冷やすと固まる性質が。クセを抑えたいときやヘアスタイルを固定したいときは温風後に冷風を当てればOK。
プロが選ぶ、ソリスのドライヤー。
1908年に創業した世界最古のヘアドライヤーメーカー。風圧が強い分、温度は低めで髪に優しいつくり。
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