カルチャー

【#4】おもいッきりHON!

執筆: 〈commune Press〉

2023年11月3日

photo: Shuichi
text: Miyuki, Shuichi
edit: Eri Machida

本誌POPEYE「本をめぐる冒険」で私たちが担当したコーナー をさらに深堀り。作り手の趣味、嗜好を知ることで、より理解を深めるべく、お届けする「おもいッきりHON!」。
4回目の今日はロンドンの新興出版レーベル Lichen Booksの3人のおすすめアートブックを紹介していきます。

デザインスタジオ All Purposeを運営するAlexとTed、最近まで東京で個展を開催していたアーティスト Lucasのおすすめの本とは…?

All Purpose

まずは3度の飯よりスヌーピーがだぁーいすき!All Purposeのアレックス・グロスから!

Alex

“子供の頃からスヌーピー/ピーナッツに夢中でね。この本は数年前にプレゼントされ、今ではお気に入り本のトップに君臨しているよ。マジでくだらない本だけど(笑)、小さなスヌーピーと妹のベルが有名なファッションデザイナーがデザインした服を着て、世界中のさまざまな国を背景に、ファッション写真家のアルバート・リッツォによって撮影されたものなんだ。ヴィヴィアン・ウエストウッドはハンプトン・コート宮殿の外で、カール・ラガーフェルドはビーチで、バレンシアガは凱旋門で…。この本はいつも笑わせてくれるし、目を通すたびに新しい発見があるよ!”

お次は、私たちに何度もお茶を淹れてくれるなど、さりげない気遣いのできるリアル紳士、All Purposeのテッド・ヘファーナンだ!

テッド・ヘファーナン

“これは長い間本棚に置いていて、いつも見返す本。往年の名作だね。イラストレーターやクリエイターが絵を描くときに参考にする、さまざまな姿勢の男性の画像が掲載されているんだ。画像は素晴らしく、中にはかなり奇妙なものもあるよ。おかしな体勢、服装、あらゆる角度、そしてレイアウトはいつも私たちに大きなインスピレーションを与えてくれる。表紙も素晴らしく、ダイナミックな文字組み、キラーなレイアウト、装丁も素晴らしいね。この写真集を見つけるのは難しくなってきているので、見かけたらぜひ手に取ってみてほしいな!”

トリを飾るのは、物欲と食欲が止まらないアーティスト、ルーカス・デュプイ!

ルーカス・デュプイ

“この本は1998年8月13日から10月18日まで世田谷美術館で開催された、僕のお気に入りのアーティストの一人、ジェームズ・タレルの展覧会の際に出版されたもの。この本は彼の活動を収めた素晴らしい図録で、非常に特殊なトレーシングペーパーを重ね合わせることで、驚くほど細部まで拘っているんだ。本のタイトル『夢のなかの光はどこからくるのか?』というタイトルもとても心に響くよ。”

三人とも”らしい”セレクトが印象的でした。それにしても世の中には面白い本がたくさんありますね。

さて、ここで皆さんに残念なお知らせ。ここPOPEYE WEBで4回にわたってお届けして参りました「おもいッきり、HON!」は今回でひとまず、おしまいとなります。思えばあんなことやこんなこと…しみじみと懐かしんで涙するにはまだ早いですよね…。たくさんの反響を頂き、私たちもとても楽しかったので、またいつかどこかでお会いできたらと思います。それでは最後、皆さんご一緒に!おもいッきり、HON!

インフォメーション

ライケン ブックス

主に書籍やウェブ、タイポグラフィーを手掛けるデザインスタジオAll Purposeを運営するアレックス・グロスとテッド・ヘファーナン、文字や構造物を抽象化して新たな表現を生み出すアーティスト、ルーカス・デュプイによって設立された出版レーベル。

Instagram
https://www.instagram.com/lichen_books/

インフォメーション

commune Press

2009年に下北沢で設立した『gallery commune』の出版レーベル(現在の所在地は東京・幡ヶ谷)。各国のアートブックフェアへの出展の他、国内外の展示のキュレーション、アーティストのマネジメントを手掛ける。

○東京都渋谷区西原1-18-17 ☎なし 14:00~18:00、土・祝13:00~ 日・月休+不定休

Instagram
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