フード

赤坂の料亭跡地にできた『Sabasu』のプリミティブなサワードウピザ。

7月はこんなお店に行ってきた。

2023年7月29日

photo: Naoto Date
text: Eri Machida

ニューオープンやリニューアルしたお店、新メニューが出た老舗や最近やたらと友達が行っている店など、なにかと気になる飲食店を毎月紹介する連載。

ピザ
ブラックガーリック¥2,800 ニンニクは青森県産で、オリーブはルークさんのルーツがあるギリシャのカラマタオリーブ。熱々のうちにハサミでカットしてくれるから耳が潰れない。アイスコーヒー(¥350)は、60年前の「ブタ釜」という国産初期の焙煎機で焙煎した豆を使用。

 最近よく耳にするサワードウ。小麦と塩と水のみで作り、室温や菌類が味を左右する繊細なものだから、パン屋さんだけが使う生地だと思っていたけれど、ピザに使っている店を発見。赤坂にオープンした『Sabasu』は、60年ほど前に創業した料亭を改装した店で、南オーストラリアのアデレードでピザ職人をしていたルーク・サバスさんがサワードウのピザを提供している。サバスさん曰く「育てているような感覚」で、生地をいつでもチェックできるよう、お店の2階に住むという管理の徹底ぶり。

建物は昨年までゲストハウスとして使われており、そこに宿泊したことがきっかけで日本でもピザ店をスタートすることに。お店に並ぶワインは醸造学を学ぶガールフレンドがセレクトしている。

 まず食べてほしいのは日本の食材を使ったメニュー。リコッタクリームと薄くスライスしたズッキーニとモッツァレラにふりかけをトッピングしたピザ、しいたけやしめじに七味をアクセントとして加えたピザなど、イタリアンでは見たことのない日本ならではの組み合わせが新鮮。特にオススメしたいのは「ブラックガーリック」。パンチの効いた味をイメージしていたけれど、発酵させた黒ニンニクのソースがプルーンのように甘く、上に乗っているオリーブも実が柔らかくみずみずしい。もちろんマルゲリータやマリナーラなど定番メニューも絶品だ。見慣れた食材も、酵母の旨味を感じるもっちりとしたサワードウ生地で食べると、ピザのイメージが変わるほどおいしかった。

グラフィックは、南オーストラリアの友人で、画家/壁画家のハリ・コウトラキスさんによるもの。

インフォメーション

『Sabasu』の外観

Sabasu

2023年4月オープン。9月からはバーの営業も始める予定。映画監督の大島渚など著名人が使っていた料亭時代の名残が残った内装にも注目。

◯東京都港区赤坂6-13-5 9:00〜15:00、17:00〜22:00(朝はカフェのみの営業で、ピザは11:30から提供)火曜のディナータイムは休み。8月は夏季休暇で休みが変動するため、事前にインスタグラムでご確認を!

Instagram
https://www.instagram.com/sabasu_akasaka/