オーセンティックなメンズ服、 レディならこんな装いに。
Lady
2022.09.16(Fri)
photo: Sakai De Jun
styling: Setsuko Morigami
grooming: Yuka Toyama
edit: Minori Kitamura
2022年10月 906号初出

シティボーイたちの愛用品を、同じくらい女の子も愛している。例えば〈ジル サンダー〉のメンズのジャケットは、大きめをバサッと羽織ると肩がきれいに落ちて優美な印象だし、〈コモリ〉のデニムは、ベルトで絞るとワイドシルエットにうっすらタックが入る。オーバーサイズがゆえに表情を変えたクラシックなアイテムは、男の子が着るそれとはまた違った雰囲気で、むしろ女の子にこそ似合うんじゃないかと思うほど。最近は、モデルのカイア・ガーバーや、ミック・ジョーンズの娘で俳優のアナベルのように〈アディダス〉の「サンバ」が履きたい気分。サッカーつながりで、ドレープがきれいなフットボールシャツをインナーにし、オーセンティックなものをスポーティに着崩した。ここでサッカー少年なら、仕上げにミサンガ合わせだろうけど、〈ハットン ラブス〉のハートのアンクレットをきらりと忍ばせる。シンプルなメンズアイテムだからこそ、ジュエリーやメイクがレディなエッセンス。質実剛健なジャケットに、キッチュな恐竜のブローチを付けてチグハグなバランスを楽しんだり、爪やリップに秋めく色を付けたり。これは紛れもなくレディの装いとなる。

