TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム
FASHION

【#1】アバウト・テニス

2021.11.12(Fri)


text & photo: Nikolaj Hansson
translation: Catherine Lealand

 私は子供の頃から、自分が夢中になっているものに対して少し強迫観念的なアプローチをとってきました。2010年代後半のデンマークでは、スケートボードの映画を見たり、『Thrasher』や『Slap』などの雑誌を読んだりして、青春時代のほとんどをスケートボードで過ごし、その文化のすべてを吸収していました。家族旅行で南欧のキャンプ場に行ったときに、ほんの少しだけテニスをしたことがありましたが、テニスが自分に向いているとは思えませんでした。テニス文化の中にあるものを何一つ認識することができず、とても異質なものに思えたのです。

 その後、パンデミックが起こりました。私はランニングに飽きていて、友達と一緒に過ごすのが恋しくなっていました。何人かの友人とグループチャットをして、私が地元のテニスコートに入会したことを伝え、彼らも入会すべきだと思いました。ルールも何もわからないままテニスを始めたのですが、気づいたらすっかりテニスが好きになっていて、テニスを取り巻く文化にも興味を持つようになりました。アートや建築、工業デザインやスケートボードなど、私が好きなものを反映したものがテニスの世界にはないことに気づきました。

 テニスは伝統や不文律に支配された富裕層のスポーツというイメージがあるため、多くの人が自分には合わないと思っているのではないでしょうか。私は、テニスには誰もが関係なく、またどこから来たのかも関係なく、友達と一緒にテニスを楽しむためには、伝統的なテニスのイメージに合わせる必要はないということを示したかったのです。

 スポーツや文化としてのテニスは、一部の人のためではなく、多くの人のためのものであるべきだという考えから、テニス文化に根ざしたメンズウェアブランドを作ろうというのが、〈Palmes〉のアイデアの始まりです。テニスに夢中になる気持ちをより多くの人に伝え、このブランドを使ってテニスの認知度を高めること。テニスはすべての人のためのものであることを示すことが重要なのです。私と同じようにテニスを好きになってくれる人が一人でもいれば、それは素晴らしいことだと思っています。

プロフィール

Nikolaj Hansson

ニコライ・ハンソン|デンマーク生まれ。2021 年、クラシックなテニスウェアの上品さから着想を得た、現代的なメンズウェア ブランド 〈Palmes〉 を立ち上げた。

WEB

https://palmes.co/

Instagram

https://www.instagram.com/palmes.society/

 

 
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