リー・キット mainstream 2025 spray paint and pastel on stainless steel 130x105cm Copyright the artist, Courtesy of ShugoArts, Photo by Shigeo Muto
六本木の『シュウゴアーツ』で、香港生まれで台北を拠点に活動するアーティスト、リー・キットの個展「いくつかの壊れた日々とゆび」が開催中。
リー・キットは、布地に描いた絵画をテーブルクロスやカーテンとして空間に介入させる初期作品から、ポップソングや映画、都市の音、日用品、テキストを取り込んだインスタレーションまで、絵画の概念を空間へと拡張してきた作家だ。その表現の背景には、中国への返還を経て急激に変化した故郷、香港の風景や感情が深く刻まれている。近年はドイツ・カッセルのフリデリチアヌム美術館での個展や、大阪・国立国際美術館「非常の常」展への参加など、国際的な発表が続く。
近年のリー・キットは、金属板に工業用スプレーを用いて描く新たな手法にも取り組む。混色せず、乾燥の早いスプレーは偶然性が入り込む素材だが、指先の繊細な操作を重ねることで、多層的な表面を生み出している。絵具が浸透する布やダンボールとは異なり、金属の硬質な支持体ではイメージが内部構造から切り離され、純粋な「表層」として立ち現れる点が特徴だ。
展示のタイトル「いくつかの壊れた日々とゆび」は、因果関係では説明しきれない痛み、怒り、感情の余剰を抱え込む人物像を想起させる。日本での滞在制作による新作ペインティングを中心に、2020年から展開している写真ポートフォリオの第3弾も発表予定。絵画、写真、インスタレーションが交差しながら広がる、リー・キットの現在地に触れられる展覧会なのだ。
インフォメーション
リー・キット個展「いくつかの壊れた日々とゆび」
会期:2025年12月13日(土)〜2026年1月31日(土)
開廊時間:11:00〜18:00
休廊:日、月、祝
場所:シュウゴアーツ 東京都港区六本木6-5-24 complex665 2F
Official Website
https://shugoarts.com/exhibitions/e01229/
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