「月刊ホン・サンス」と銘打ち、今月から5ヶ月にわたって毎月新作が公開されるというホン・サンス。記念すべき1作目の主人公は、韓国で暮らすフランス人女性イリスだ。韓国人相手にフランス語を教えている彼女が、生徒や居候先の青年らと交わすいかにもホン・サンスらしい他愛もない会話を、劇中で奏でられる楽器の音を蝶番にして紡いでいく。興味深いのは、韓国語を解さないイリスが、韓国人たちとおしゃべりする際に英語を使うこと。要するに、旅人の必需品とは、英語のことなのだろう。しかし、街中の石碑を通して何度か言及される、日本で死んだという詩人が尹東柱だと知れば、もう少し深い何かを感じずにはいられない。尹東柱とは、日本の統治下時代の朝鮮半島で、独立運動に関与した容疑で太平洋戦争中に逮捕され、福岡刑務所で獄死した詩人なのだから。つまり、本作では一方で植民地主義によって殺された者の悲劇が、もう一方ではある種の汎世界的な”英語植民地”状態であるがゆえに繋がることができた者たちの喜劇が、語られているのかもしれない。11月1日より全国順次公開。
5月第3週の「TODO RADIO」を聴く。
呉屋慎吾「En Route by ALBUM」/グランド・イリュージョン ダイヤモンド・ミッション/Hotdog in the Ocean TAMAKI IWAO/97歳セツの新聞ちぎり絵 原画展/ど...
福岡の街を、名作椅子を探して歩く。
“Chair Expedition”と名付けられたユニークなイベントが、5月15日から始まる。2024年に逝去したインテリアデザイナー永井敬二氏の膨大なコレクションから選ばれた20脚の名作椅子が福岡、...
呉屋慎吾「En Route by ALBUM」に行く。
インディペンデント・マガジン『.OWT.』を手がけるほか、本誌『POPEYE』をはじめ、ファッション、広告、建築などの分野でも多岐に渡り活躍する写真家・呉屋慎吾さんによる個展が開催中だ。ダイナー、工...
『マテリアリスト 結婚の条件』が気になる。
ジェントルマンな金持ちか、貧乏だけど夢に向かって生きる俳優志望か。恋愛における古典的な二者択一を迫られる婚活カウンセラー、ルーシーをめぐる王道のロマンチック・コメディ。そういえば、監督のソンは前作『...
『スマッシング・マシーン』を観る。
”サフディ兄弟”名義をジョシュと解消したベニーが、にもかかわらずジョシュの『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』と同じく、日本が重要な役割を果たすアスリート映画を作ったのは偶然なのか必然なのか。そん...