舞台は雪の積もるカナダのウィニペグ。実在する街ではあるものの、本作ではペルシャ語とフランス語が公用語となり、イラン文化が強く反映された場所。架空の設定が加わっている。そんな世界において描かれるのは、メガネを七面鳥に奪われた同級生のために、氷の中に埋まったお札を取り出そうと東奔西走する幼い姉妹と、彼女たちが出会う一風変わった者たちをめぐる人間模様。ところで、ウィニペグの映画監督といえばガイ・マディンという鬼才がいて、彼はこの街がいかに退屈であるかを描くことでお馴染みだ。本作でも、劇中に登場するツアーガイドは、何の変哲もない駐車場を名所として案内する。しかし、にもかかわらず、そんな退屈なウィニペグの風景が、本作ではとんでもなく素敵に映し出されるのはどうしたことか。カメラの置き方次第で世界はこんなにも輝くのかと驚くしかない。その視線は、物語の描き方とも通じている。なぜなら本作が描くのは、一見すると嫌な人々でも、別の角度にカメラを置けばいい人かもしれないことを、オフビートなタッチで伝えてくれる物語なのだから。8月29日よりシネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷ほかにて公開。
5月第3週の「TODO RADIO」を聴く。
呉屋慎吾「En Route by ALBUM」/グランド・イリュージョン ダイヤモンド・ミッション/Hotdog in the Ocean TAMAKI IWAO/97歳セツの新聞ちぎり絵 原画展/ど...
福岡の街を、名作椅子を探して歩く。
“Chair Expedition”と名付けられたユニークなイベントが、5月15日から始まる。2024年に逝去したインテリアデザイナー永井敬二氏の膨大なコレクションから選ばれた20脚の名作椅子が福岡、...
呉屋慎吾「En Route by ALBUM」に行く。
インディペンデント・マガジン『.OWT.』を手がけるほか、本誌『POPEYE』をはじめ、ファッション、広告、建築などの分野でも多岐に渡り活躍する写真家・呉屋慎吾さんによる個展が開催中だ。ダイナー、工...
『マテリアリスト 結婚の条件』が気になる。
ジェントルマンな金持ちか、貧乏だけど夢に向かって生きる俳優志望か。恋愛における古典的な二者択一を迫られる婚活カウンセラー、ルーシーをめぐる王道のロマンチック・コメディ。そういえば、監督のソンは前作『...
『スマッシング・マシーン』を観る。
”サフディ兄弟”名義をジョシュと解消したベニーが、にもかかわらずジョシュの『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』と同じく、日本が重要な役割を果たすアスリート映画を作ったのは偶然なのか必然なのか。そん...