1970年代、軍事独裁政権下のブラジル・リオデジャネイロ。幸福を絵に描いたようなパイヴァ一家の暮らしは、家長であり政府に批判的だった元下院議員のルーベンスが強制連行されたことにより一変。さらには、彼の妻であり母のエウニセ、娘の1人まで連れて行かれることに。彼女たちは解放されたものの、ルーベンスは行方不明のまま。かくして、エウニセが真相を暴くために動き出すという、実話を元にした作品だ。そんな本作において重要となるのが、写真に他ならない。一家は家族写真を撮ることをならわしとしており、海辺で友人たちを含む楽しげな撮影シーンが冒頭に据えられる。しかし、連行された後、暴力的に顔写真を撮られたエウニセが取調室で見せられるのはファイリングされた反政府活動家たちの顔写真だし、解放後、彼女が軍の横暴を告発すべく国外の新聞に掲載するのも父不在の家族写真。写真は、単に幸せな時間の記録という意味だけなく、ときに攻防の武器にもなるのだ。今やクラウドに大量に保存され、現像されることはもちろん、顧みられることすらほとんどない”データ”になってしまった写真(それは本作のラストを飾る現代パートでも暗示される)が、もっと重要だった時代の記憶としても興味深い作品だ。8月8日より公開。
「わたしのまなざし、あなたのまなざし SHIBUYA ART WEEKEND」に行く。
今年の7月4日からヒカリエホールで行われている大規模写真展「まなざしの奇跡 日本女性写真家の冒険」。石内都さんをはじめとする30名の女性写真家が一挙に展示するこの大規模展の連動イベントとして、「わた...
「あんた最悪、俺も最悪、我々みんな最悪」に行く。
POPEYE Webにて毎日更新中の写真連載「未来のほうからやってくる。」でお馴染み、フォトグラファーの中村寛史さんによる企画グループ展が開催される。タイトルにも掲げられる「あんた最悪、俺も最悪、我...
Yuri Iwamoto 個展「Living Tree」が気になる。
POPEYE Webのミニコラム「タウントーク」にも執筆いただいたガラスアーティストのYuri Iwamotoさん。植物、果実、身体などをモチーフとした作品は工芸の枠を飛び出し、伸びやかで生き生きと...
「マリメッコ展 模様のちから Marimekko: Art of Printmaking -Beauty, Dream, Love」が気になる。
「責任はただ一つ――美である。現実はただ一つ――夢である。 ただ一つの力――愛。」 1926年、わずか14歳の少女だったアルミ・ラティアが日記に綴ったこの言葉は、のちに世界中で愛される〈マリメッコ〉...
『ブック・アクティビスト』Irma Boom: Book Activist 展に行く。
読む人、売る人、作る人。本に関わるすべての人を讃える言葉「ブック・アクティビスト」を掲げた展覧会が、『ATELIER MUJI GINZA』で開催されている。世界的なオランダ人デザイナー、イルマ・ボ...