現代フランスの哲学者ジャック・ランシエールによる映画論集。かなり手強い一冊ではある。しかし、彼が普通に映画好きであることは、取り上げられる映画監督を見れば明らかで、そこに別に映画好きでもない哲学者が用語説明のために書いた映画論との違いがある。ヒッチコック、ブレッソン、ロッセリーニ、ペドロ・コスタ……。とりわけ、ハリウッドミュージカルの巨匠ヴィンセント・ミネリ論には我が意をえたり。「世界は舞台、舞台はエンターテイメントの世界」という「ザッツ・エンタテイメント」の歌詞から解き明かされるのは、「芸術と娯楽」をはじめ、何かと何かを分けること、あるいはその結合部分を示すことをしない、ミネリ的な方法論。それを念頭に置きつつ、「車が渋滞し現実が停止しないとミュージカルの世界に入れない『ラ・ラ・ランド』ってどうだったの?」と考えてみるのもいいかもね。¥3,740/青土社
「柳宗悦が出会った沖縄の美 琉球の民藝」が気になる。
鮮やかな紅型の衣裳、南国の光を映したような織物、大胆で力強い壺屋焼、暮らしと芸能が自然につながる独特の文化。そんな伝統が色濃く残る沖縄を「宝の山」と評した柳宗悦。1938年に初めて訪れて以来、生涯に...
「1978」展に行く。
写真をアートとして初めて日本に体系的に紹介した草分け的なギャラリー『ツァイト・フォト・サロン』(1978年、日本橋に開廊)。創設した故石原悦郎さんは、アンリ・カルティエ=ブレッソン、ブラッサイなど欧...
佐内正史展「佐内さん」が気になる。
雑誌『写真』Sha Shin Magazine vol.9刊行記念による、写真家・佐内正史さんの展示「佐内さん」が開催中! 佐内氏は1997年に写真集『生きている』で鮮烈なデビューを果たし、2003...
『撮影』を読む。
1995年生まれの写真家、竹久直樹による本作は、彼がライフワークとして撮り溜めてきた「展覧会の記録」を編纂した一冊。その撮影舞台は、一般的な美術館やギャラリーにとどまらず、野外や廃墟といった非日常的...
「へそ」が気になる。
人も物も情報もひしめく都会だからこそ、自分だけの“スポット”を見つけると、実家の部屋の角にあった子供のころの秘密基地のような特別さと安らぎを感じる。河川敷や橋の下など、そんな使われ方が定まりきらない...