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50年後のPOPEYE Web編集部へ、みんなの机が生まれるまでの3日間/Day3

with 『T-PLASTER』

text:Fuya Uto
supecial thanks:Koji Teramoto

2026年1月15日

 横浜はもちろん、都内各地の店舗内装やオーダー家具製作を行う『ティープラスター』のご協力のもと、POPEYE Web編集部のデスクを制作! あらかた天板を仕上げ迎えた最終日は、いよいよ脚の制作へ。

⑦脚を製作する。

 で製材を終えた脚の材木を並べ、まずは前日同様サンディングを。そして、今回は床との接地面が広く、安定感、耐荷重、強度が優れている「ロの字型」に組み上げていく。まずは内側の板同士をボンドで補強し、下穴を開けて少し深くネジを打ち込む。次にネジの頭は円筒形の棒・ダボで隠し、余った部分はダボ切り鋸で切り落とす。

 ここで大事なのが、各材の木表(樹皮側)と木裏(芯側)を判断することだ。前職は材木屋で目を養った安藤さんによると、「木裏を外側に向ける」のがベスト。「木材は時間とともに乾燥や湿気によって反りや伸縮を起こしますが、基本、木表側に反るのが性質なんですね。で、反るとしても内側の方が構造上都合がよくて。完成した際に、水湿に強くて耐久性が高い木裏がオモテにくるようにします」と安藤さん。

見分け方の参考に。

⑤縁を取り付ける。

 組み上がった脚部分はこんな感じ。横揺れを防ぐために、左右それぞれのロの字を繋ぐ「貫」も用意した。

⑧塗装をする。

 いよいよ最後の仕上げ・塗装。木工では溶剤が大きく「オイル」か「ウレタン」に分かれる。前者は木に浸透させ本来の風合いを残すが定期的なメンテナンスが必要で、後者は表面を塗膜で覆うことで傷や水に強くなるが手触りが損なわれるという、一長一短の特徴を持つ。最後の最後で後悔したくなくて非常に悩ましいけど、聞けば、どうやら「ウレタンを薄めたもの」がオススメ。これならガシガシ使いつつ、木の温もりも出せるとのこと!

 すべてのパーツを全面隙間なく刷毛で塗っていく。ムラが出ないように、木目に沿うように。一度塗り終わったら3時間ほど乾かし、2度塗りを行う。

⑨仮で組み立て、最終チェック。

 最後は天板と脚を合わせて、ネジを打ち込む位置を決めて下穴を開ける。このとき、組み合わせた両者が対になるように「印をつけておくこと」が超重要。ほんの1mm以下かもしれないけど、開けた穴の位置や角度が異なっていた場合、いざ搬入現場で組む際に上手く組み立てられないこともあり得るからだ。なんせ編集部にはドライバーしかないから、臨機応変に対応できないわけで。安藤さんと入念に確認しながら行った。

⑩ 完成!

 ついに……完成! いくら手取り足取り教えてくれるとはいえ、果たして上手く作れるのか不安だったけど、蓋を開けてみればその職人技たるや。到底、パッと見ただけで1mmの違いがわかる安藤さんたちのようにはなれない。しかし、芳醇な森林の香りが四六時中鼻腔をくすぐり、さまざまな道具を駆使して理想の立体物を作り上げていく木工の魅力を存分に感じられた3日間だった。

 繰り返しになるけど、今回作ったテーブルは幅1250mm/高さ700mmの2つ。お陰様で造りも頑丈だから、10年後、いや50年後もPOPEYE Web編集部のデスクとして使い続けられるのだろう。そして、これから数々の修羅場が、喜怒哀楽の記憶が刻まれていくことは間違いない。遠い日常まで作り出す彼らの“仕事”を身をもって知るとともに、いつかこの記事を読んだ未来の編集部員が、机を作り足してくれたら素敵だなと思った。これは『ティープラスター』と、創立5年目を迎えるPOPEYE Webからの贈り物です。

インフォメーション

50年後のPOPEYE Web編集部へ、みんなの机が生まれるまでの3日間/Day3

T-PLASTER

横浜市南区で2007年に創業した工務店。地下から3階まである大きな工房には、代表の水口泰基さんがアメリカ各地で仕入れてきた豊富な材木、自社開発した合成樹脂(レジン)、塗料などあらゆる材料が揃う。その技術力の高さから、オーダー家具をはじめ、住宅や店舗内装の注文が全国各地からひっきりなしにくる。工房横には元米軍ハウスをリノベーションしたショールームがあり、予約制で見学もできるのでぜひ行ってみて。

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