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きみも建設業界で働いてみない?/造園業・根岸 隆さん

2025年10月17日

ビルを建てたり、自然を守ったり、
学校の壁を修復したり、
身近にある建設業界の仕事を覗きにいこう。

道路や公園に緑を添える。(造園業・根岸 隆さん)

樹木のお医者さんとして、木々の健康を守る。

 世田谷区下馬の住宅街にある根岸造園⼟木。根岸家は江戸時代から植木の生産をしていた老舗で、会社としても創業120年。社長の根岸隆さんは4代目に当たる。そもそも“造園”ってどんな仕事?

「大きいものだと『都市計画』になっちゃうんですけど、要は緑の仕事です。ビルを建てたときに屋上を緑化したり、道路や公園に木を植えたりというのがメイン。そういった緑の維持も我々の仕事です」

 そうか、あまり意識していなかったけれど、造園技術は街の様々な場所に生きているんだ。小さい頃から植物が好きだった根岸さんは、東京都立園芸高校の造園科から東京農業大学の造園科学科という造園業のエリートコースを進み、就職後に実地で作業を学んだ。

「仕事を始めた頃はハシゴを上るのも怖くて嫌でした。落ちたらケガどころじゃないですからね。でも時代も変わって、根性論みたいなことはもうないです。それに僕なりに試行錯誤もしています。あるときツリークライミングの装備を見て『使えそうだな』と試したら、踏み外してもブラーンとぶら下がるだけで安全だった。まず自分で練習して、社員のみんなにも教えました」

造園作業を行うとき必ず腰につけている道具。持ち手が大きい植木バサミは必須アイテム。夏場は蚊取り線香もぶら下げる。

 昔ながらのやり方を継ぐだけでなく、時代に合わせた新しい技術も取り入れる。さらにはこんな活動も。

「せっかくなら好きなことをやりたいなと思って、20代で樹木医の資格を取りました。いわゆる木のお医者さんです。ご自宅やお寺、公園などの具合の悪い木を調べて、原因を探るのが主な仕事。世田谷区の公園や保存樹、都立公園の樹木などを診ています。生態調査も重要な仕事で、外来種の被害を防ぐために病害虫パネルを作って啓蒙活動もしています」

 樹木の診断や治療、後継樹の育成、樹木保護の指導など、造園業と並行し専門家として各地を飛び回る根岸さん。どちらも人と植物と密接に関わる仕事だ。

「最終的にどういう植栽にしたいか、ヒアリングと共有が大切ですね。今この時期にこの木を切ると隣の木が弱ってしまいますよとか、将来的なことも必ず伝えます。切ってしまったらすぐ元には戻りませんから」

チェーンソーを使って形を整えることも。一度刈り込んでしまうと元には戻らないので長さは慎重に。

 植物が好きな人にはぴったりの仕事ですよ、と根岸さんは言う。

「花が咲く様子を間近で見ることができますし、四季の移ろいを真っ先に感じた瞬間は嬉しいですよね。あと『綺麗になりました、ありがとう』と言われるときがいちばん嬉しい。感謝される仕事っていいですよ」

プロフィール

きみも建設業界で働いてみない?/造園業・根岸 隆さん

根岸 隆

ねぎし・たかし|1979年、東京都生まれ。造園業を営む根岸造園土木の創業家に生まれ、東京都立園芸高校の造園科、東京農業大学の造園科学科を経て家業を継ぐ。樹木の治療や育成を行う樹木医の資格を保持し、東京樹木医会副会長として幅広く活動をしている。

インフォメーション

根岸造園⼟木

世田谷区下馬で創業120年を誇る造園会社。街路樹、個人邸、寺社の樹木管理からアフターケアまでを行う。樹木医の有資格者がいるため、病虫害などで弱っている樹木の診断や治療も受け付けている。