ファッション

いつものデニムをカラフルにしてみる?

2025年3月25日

服と着こなしの細かい話。


photo: Shunsuke Shiga, Naohiro Ogawa (koshikawa)
edit: Koji Toyoda
2025年4月 936号初出

「ジーンズはブルーのイメージが確立されているからこそ、色をカラフルにするだけでガラリと印象が変わるのが面白い」。〈リップラップ〉のデザイナー、西野裕人さんの一言がおしゃれ心に突き刺さった! ピンクやグリーンにパープル。確かに春めく色を選ぶだけで、散々はき慣れた5Pのボトムスが見違えるように生き生きしてくる。はき方のコツはODやベージュなど男らしいトップスと合わせること。そして、自分の柄じゃないという先入観を捨てて、ある程度の適当さを持つこと。そうすれば、初めてのカラーデニムを上手に攻略できる。

ドギツめのカラーリングが好み。

鮮烈な赤デニムは〈グルメジーンズ〉。

ターコイズブルーは、’90年代の〈マリテ フランソワ ジルボー〉だ。「これも先染め。ロールアップしたときの、薄い色合いの裏地とのコントラストが好きなポイント」

上段は越川さんのコレクションの一部。’80〜’90年代のデザイナーズが中心。下段はこれまで手掛けた〈グルメジーンズ〉だ。一番左はインディゴにも見えるが茄子紺。はきこむほどにいい色がお目見えする。

教えてくれた人

越川 学

「OVERRIVER」代表

〈クレプスキュール〉や〈オー〉などのセールスを担い、自身で〈グルメジーンズ〉も手掛ける「オーバーリバー」の越川学さんは、カラーデニムフリーク。「僕が考えるカラーデニムの最大の魅力は絶妙なイナタさ。他人から『いいのをはいてますね!』とまず褒められることのない立ち位置にグッとくるんです。そもそもカラーデニムと一口に言っても、糸自体を染めた先染めと最終工程で染める後染めがありますが、断然先染め派。後染めに比べ、いい色落ちをしてくれるので、はき方次第でオリジナリティを出せるところが醍醐味なんですよね」

カラーデニムはカルチャー。

〈リップラップ〉初のカラーデニムは、右で西野さんがはきこなすダスティピンクの他に、グラスグリーンとスモークパープルの3色展開。鮮やかな色出しを叶えるため、後染めを採用。スッキリとした腰周りのリラックスフィット。各¥35,200(リップラップ @__riprap__

京都の『セカンドストリート』で購入したリーバイスのカラーデニム「501」。「僕が持っている私物のカラーデニムはこの一本だけ」

教えてくれた人

西野裕人

〈Riprap〉デザイナー

ある時、たまたま見た〈ギャップ〉の’92年「DENIM IN COLOR」の広告が格好よくて。それまで見向きもしなかったカラーデニムに興味が湧いたんです」。〈リップラップ〉の西野さんは、そんな邂逅を経て、今季ブランド初となるカラーデニムを作った。「’60年代の『ホワイトリーバイス』を皮切りにカラーパンツが盛り上がる時期があるのを知って、これは文化なんだと面白くなったんです。ある意味、ファッションの先駆けとも言えるものですね。ウチでは、一般的なカラーデニム生地ではまず見ない“ポップな中間色”を後染めで表現しました」

カラフルデニム、そのほかにも。

C.E

12オンスのホワイトデニム生地で仕立て、パープルに後染め。ムンムンと漂うサイケ感が〈C.E〉ならでは。洗い加工済みなので、最初から馴染む。ジャケット¥53,900、パンツ¥35,200(ともにC.E www.cavempt.com)

EYTYS

遠目にはブラウンだが、よく見ると赤錆がかったブラックなのが面白い〈エイティーズ〉。ウエストがキュッと絞られたバギーシルエットは、’90sオマージュ。¥61,600(エイティーズ/ジャックポット☎03·3352·6912)

Levi’s

〈リーバイス〉の「568」は、ルーズパンツ派に人気のジーンズ。加工物が多い中で、今季の新色のベージュはかなりトラッド。綺麗にはきたい。¥15,400(リーバイス®/リーバイ・ストラウス ジャパン☎0120·099·501)

Paranoid

渋めのデニムジャケットは、東京の若手ブランド〈パラノイド〉から。その軍物のOD色を連想するカラーデニムは、ブラックデニムをオーバーダイし、緑に着色したもの。いい雰囲気。¥53,900(パラノイド @paranoid_pd

ALWAYS

ニュージーランド発の〈オールウェイズ〉は、’80年代のサーフブランドを彷彿とさせる鮮やかな水色! バックポケットに入ったピスネームもいいアクセント。¥22,000(オールウェイズ/LAUG @_laugstore_