TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#4】パコ美の散髪

執筆:大久保佳代子

2025年1月5日

 小さい頃、年末がおしせまってくると母親から「髪切ってきなさいよ」とお金を渡されて近所の美容室『ちずこ』へ行ったのを思い出す。美容師の「ちずこ先生」の店。昔って、美容師さんのこと「先生」って呼んでいたよな。年内中に髪を切り小綺麗にして新年を迎える。この習慣は、大人になった今も続いていて、先日、すでに白髪染め&カット&トリートメントを完了。飼い主同様に愛犬パコ美も小綺麗になってもらおうと、ペットサロンの予約をしようとしたところ、混み合っていてなかなか取れない。仕方ないから、いつもとは別のサロンへ。ワンコの散髪代ってマジ高いんです。シャンプー、カットに爪切りなど付いて8000円。小さい頃、実家で飼っていたワンコなんて固形石鹸でゴシゴシ洗っていたのに。結果、毛がたわし並みにバサバサだったけど。話を戻し、その初めてのサロンのスタッフさんが私を見るなり「大久保さん?ってことはパコ美ちゃんですか?ファンです。嬉しい!」とありがたいことに喜んでくれたもんだから「ベーシックコースとプレミアムコースどちらにしまか?」には「プレミアムコースで」。「ちなみに何がプレミアムなんですか?」と聞いたら、オーガニックシャンプーが毛質を柔らかくするとか。さらに「炭酸浴はいかがですか?」とも言ってくるから「お願いします」と。炭酸浴は毛穴の汚れを綺麗にするとか。そんなかんなで12000円。そこまでしたのに、サロンからの帰り道、道路に干からびたミミズを見つけると、一目散に駆け寄り背中をグリグリ押しつけるという理解不能な奇行を。思わず「おい!12000円したんだから!おい!やめて!」とリードをグイッと引っ張りまくって。いや、パコ美にとってはシャンプーの香りより断然ミミズの匂いのほうが魅力的なんだろうけど。パコ美には、今年もタレント犬として頑張ってもらいます。

プロフィール

大久保佳代子

おおくぼ・かよこ|1971年生まれ、愛知県出身。大学時代に幼なじみの光浦靖子とお笑いコンビ「オアシズ」結成。「ノンストップ!」(CX系列)、「ゴゴスマ」(TBS系列)レギュラーなど、多数のバラエティを中心に活躍中。