フード

焼くというより揚げる、ステーキ。

定番料理のニューディール。Vol.9

photo: Haruki Anami
illustration: Cari Vander Yacht
text: Ryota Mukai
2025年1月 933号初出

2024年12月10日

『BEARD』店主・料理人の原川慎一郎さんによる本誌の連載「定番料理のニューディール」。みんなが好きなお決まりのメニューを再考し、カンタンに、そしてちょっとお洒落に作る方法を料理人の原川慎一郎さんが提案します。POPEYE Webではそのレシピをムービーでご紹介。第9回はステーキ!

– 材料(1人分)-

・ステーキ肉 250g
・じゃがいも 1個
・菜種油 適量
・塩 適量
・胡椒 適量

マスタードソース
・玉ねぎ 1/16個
・ディル 2本
・ディジョンマスタード 大さじ2
・生クリーム 大さじ5
・レモン汁 大さじ1
・塩 ひとつまみ

– 作り方 –

1. 肉を冷蔵庫から出し、常温に戻るまでトレーなどの上に置いておく。同時に付け合わせのじゃがいもを茹で始め、串がすっと通ったら上げましょう。

2. 肉を常温に戻す間にマスタードソースを作りましょう。みじん切りにした玉ねぎとディルをボウルに入れ、ここにディジョンマスタード、生クリーム、塩、レモン汁を加えて混ぜるだけ。

3. 油はフライパンの底に薄く張るくらいの量。中火にかけて、煙が出るまで温めてください。

4. 常温に戻す過程で、肉から余分な水分が出てきます。油ハネを防ぐために、キッチンペーパーでしっかり水気を取ってあげてください。

5. 肉を油に当てて「ジッ」っと音が鳴ったら焼く頃合い。肉はべタンと落とさず、フライパンの端から肉の端をスライドさせてゆっくり置きましょう。一度持ち上げて下に油を潜らせたら、後は触らず焦げ目ができるのを待ちます。焦げ目がついたら、裏面とサイドにも軽く火を入れてください。取り出したら、温かいうちに塩胡椒を。

-他のソース-

バーベキューソース

材料(1人分)
・玉ねぎ 1/6個
・セロリ 玉ねぎと同量
・にんにく 半片
・トマトピューレ 大さじ4
・赤ワインビネガー 大さじ1
・ウスターソース 大さじ2
・クミンパウダ 小さじ1/2
・チリペッパー 小さじ1/2
・パプリカパウダー 小さじ1/2
・塩 ひとつまみ
・水 大さじ4

ステーキを焼いたフライパンに粗みじん切りにした玉ねぎ、セロリ、にんにく、塩を入れます。フライパンの熱が取れたら、残りの材料を加えて混ぜて完成です。

ガーリックアンチョビバター

材料(1人分)
・バター 50g
・にんにく 半片
・パセリ 10g
・玉ねぎ 1/16個
・アンチョビ 2切れ
・黒胡椒 適量

常温に戻したバター、刻んだ玉ねぎ・アンチョビ・軸を取ったパセリ、すりおろしたにんにく、黒胡椒をボウルで混ぜ(フォークの背を使うのがおすすめ)、ラップで巻いて成形。冷蔵庫に20分ほど入れて固めます。

サルサ

材料(1人分)
・万願寺とうがらし 1個
・赤玉ねぎ 1/6個
・ミニトマト 4個
・パクチー 1本
・にんにく 1/3片
・塩 ひとつまみ
・レモン汁 大さじ2
・クミンシード 小さじ1/2
・唐辛子パウダー 小さじ1/2
・オリーブオイル 大さじ3

ボウルで粗くみじん切りした赤玉ねぎを塩とレモン汁に浸します。ここに粗く切った万願寺とうがらし・ミニトマト・パクチーとすりおろしたにんにく、残りのスパイスやオリーブオイルを加えて和えてください。

– 今月の古来種 –

焼くというより揚げる、ステーキ。

万願寺とうがらし

大正時代の末期頃に自然交雑して誕生したとされる、京都府舞鶴市万願寺地区の伝統野菜。「名前に反して辛味はなく、優しい甘さがある野菜です。今回はピーマンのイメージでサルサに使ってみました」

古来種野菜とは? 品種改良されず、日本各地の畑で長きにわたり受け継がれてきた種の野菜のこと。在来種ともいわれる。「野菜の民芸品のようなものです」

– 小さな流儀 –
包丁は〈ミソノ〉の「440」。

繊細なカットには切れ味がいい包丁が欠かせない。原川さんは調理刃物を一貫して生産する岐阜の専門メーカー〈ミソノ〉が手掛ける440シリーズを愛用。同じシリーズのペティナイフ(150㎜)もとても便利。

プロフィール

焼くというより揚げる、ステーキ。

原川慎一郎
『BEARD』店主

はらかわ・しんいちろう|1978年、静岡県生まれ。長崎県雲仙市でレストラン『BEARD』を営む。北海道函館市のカフェ『cafe water』のオーナーでもある。

Instagram
https://www.instagram.com/beard_shin_harakawa/