カルチャー
「Meta Connect 2024」はみだし旅行記
2024年11月22日
アメリカ・カリフォルニア州のメンローパークで9月25日(米国時間)に開催されたテックカンファレンス「Meta Connect 2024」。新商品「Meta Connect 3S」を存分に体験し、複合現実の魅力を味わった。この記事では、イベントの前日と翌日にシリコンバレーの街を歩いた、ささやかな旅の思い出を綴ります。
メンローパークの隣町、パロアルトに泊まる。
羽田を夜22:40に出発し、フライト時間は10時間。長っ。機内で一泊するようなものだから、スウェットにサンダルで飛行機に乗り込んだ。寝たり、起きたり、日付変更線を越えたり、朝ご飯なのか昼ご飯なのかわからない機内食を食べたりしていたら、サンフランシスコ国際空港に着陸した。
入国手続きは毎回ドキドキするけど、YouTube『Kevin’s English Room』でカッコよく入国する方法を予習していた甲斐あって無事クリア。「Have a enjoy」と無表情で言われ、強く頷いた。時刻はもう16時。イベントは明日から始まるから、Uberを手配してパロアルトのホテルに向かった。
Uberのドライバーは中国系の女性で、車内では中国語のポップスが流れていた。「電話に出てもいい?」と聞かれ「イエス」と答えたら、おそらく家族と世間話を始めた。自由でいいね!(親指を立てながら)ハイウェイをひた走る車窓の先を、バカでかいトレーラーが猛スピードですり抜けていく。今にもトランスフォームしそうだ。
1時間ほど走ってホテルに到着。受け付けを済ませて部屋に荷物を置いたら、晩ごはんを食べにパロアルトの街に向かった。近くにスタンフォード大学がある静かな街で、サンフランシスコとギルロイまでを南北に結ぶカルトレインが走る駅がある。ホテルのある南側から線路を越えて北側に行くには、地下通路を通る必要があるようだ。見知らぬ街の地下道に入っていくのはちょっとドキドキしたけれど、わりと明るいし、大勢の学生が自転車で往来していたので安心した。

実は鉄道の歴史が古いサンフランシスコ半島。サンフランシスコーサンノゼ間は1863年に開業し、以来160年に渡ってディーゼルエンジンの鉄道が使われてきた。なんと9月21日にディーゼルから電化に移行したばかりで、ホームにはWi-Fi完備の新型車両が。

パロアルトの街。駅の北側が商業地域で、南側にはスタンフォード大学の敷地が広がっている。日吉と自由が丘を混ぜたような感じ。
アメリカ初日はハンバーガーでしょ! と思っていたけれど、マクドナルドパロアルト店もIn-N-Out Burgerパロアルト店もなかった。このあたりはシリコンバレーで働く人たちが多く訪れる街だから、レストランもカフェも落ち着いた佇まいの綺麗なお店が多いようだ。目抜き通りにあった『Pizza My Heart』の看板に惹かれて中を覗くと、スライスピザがカウンターにずらりと並んでいる。そうだ、アメリカはピザの国でもあったぞ、と即オーダー。キノコと野菜がもりもり乗ったピザとスイカときゅうりのジュースをボックスシートで食べた。新聞を読みながらノールックでピザを食べるおじさんや、眉間にシワを寄せて悩み相談中と思しき女性ふたり組、ガタイのいい快活なお兄さんたち。BGMはゴリゴリのハードコアパンク。日本にもありそうな光景だけれど、でも流れている時間が絶妙に違う。アメリカにいるんだなあとピザを頬張り、1日目を終えた。明日はMetaに行くぞ!
最終日、コンピュータ博物館で歴史を学ぶ。
デモと基調講演を体験し、Meta漬けの2日を終えたら、もう最終日。って早すぎない? 今日は気になっていたコンピュータ博物館に行くことにした。せっかくMeta社に興味を持ったし、マークが起業したシリコンバレーという土地の歴史をもっと知りたくなったのだった。とりあえず、早起きしたので地図アプリで見つけたコーヒーショップ『Philz Coffee』に行ってみよう。線路を越える地下道にも、この3日ですっかり慣れた。
『Philz Coffee』はサンフランシスコなど西海岸を中心に展開するチェーン店らしく、エスプレッソを使わずにドリップ式でコーヒーを出している。人気はアイスミントモヒートという一風変わったドリンクで、ミントを入れ、コーヒーとミルクを注ぎ、さらにミントをのせて完成。オーダーしたら、ミントがどっさり入ってやってきた。これがミント過ぎず、適度な甘みもあって、めちゃくちゃ美味しい! 朝食に卵とハムのブリトーを頼んで、大きなテーブルの隅で食べた。勉強をしている学生、BGMに合わせて歌っているおじさん、お医者さんらしき女性、まだ朝早いのに多くの人でごった返していて居心地がいい。店内で流れているのもずっとKillersとかLINKIN PARKとかゴリゴリで、チルい音楽じゃないところも良かった。

『Philz Coffee』の店内。6時からオープンしていて、老若男女が思い思いに過ごしている。テーブルいっぱいに資料を広げてレポートを書いている大学生、勉強大変そうだった。

カウンターの後ろにドリップ器具が10セット以上並んでいて、注文が入るたびに高い位置から湯を注ぎ、コーヒーを煮出していく。なかなか取りに来ないモバイルオーダーが、次々とカウンターに溜まっていた。それにしてもデカい。

ミントの風味がほどよく香る、大好きになったアイスミントモヒート(右)。卵とハムのブリトー(左)にはチリソースを付けて食べた。
Uberを呼んでコンピュータ博物館へ向かう。パロアルトから車で15分ほどのマウンテンビューという街にあり、1996年に開館。コンピュータ関連の歴史が総覧できる施設で、世界最初期のスーパーコンピュータ「Cray-1スーパーコンピュータ」やスティーブ・ウォズニアックが設計した「Apple I」、Googleの初期サーバーラックなどのレアものが置かれている。電話機セクションでi-Modeが紹介されていたり、ゲーム機セクションに任天堂のハードが並んでいたりと、メイドインジャパンも名を刻んでいた。

コンピュータ博物館のエントランス。柱の写真はフェローのうちの数名。「世界を変えたアイディアを持ち、今日生きているほぼ全ての人間に影響を与えた」という人物をフェローとして顕彰しているのだそう。

i-modeの紹介として、2000年に販売されたドコモのソニー製携帯電話SO502iが展示されていた。

ゼロックスが設立したパロアルト研究所(PARC)で使われたビーンバッグのレプリカが展示されていた。ここでアイデアを出し合ったため、ビーンバグはカウンターカルチャーの象徴になっているそう。

ロビーにあったEmoji BIG STORY。ドコモのi-mode搭載の絵文字が起源だと紹介されていた。
出口付近にインターネットのセクションがあり、Facebookが紹介されていた。2004年にハーバード大学の学生だったマークが立ち上げたソーシャル・ネットワーキング・サービス。Metaの歴史はここから始まり、それが今やXRデバイスを作るようになったんだなあとしみじみ。
「Meta Quest」にはゲームができたり、ブラウザが使えたり、映画を視聴できたりとあらゆるエンタメが盛り込まれているけれど、根幹にあるのはFacebookから始まるSNSの精神なんだろうなと思った。“バーチャル空間で誰かと繋がる”というインターネットが夢見た未来は、リアルをミックスした複合現実に進化して、いま目の前にある。「Ray-Ban Metaスマートグラス」という一見おしゃれなサングラスなのにAI搭載、なんていうハイテクデバイスもあるわけで、やがて「Meta Quest」も装着したまま街を歩けるようになるに違いない。
コンピュータの歴史がインターネットへと向かっていった足跡を辿り、胸いっぱいで博物館を後にした。パロアルトまではカルトレインに乗って戻ろうと思い、最寄り駅へ向かうためにUberを呼び出した。ものの5分で車が到着。ドアを開けると、爆音でサブリナ・カーペンターが流れてきた。音楽好きなドライバーらしく、車内のサラウンドがえぐい。「ハイ!」と挨拶をして走り出したら、後部座席のことなんか気にせず、ずうっと歌っている。それがやけに心地よく、窓の外を眺めていたら泣きそうになった。
車は夕暮れの住宅街を走っていく。どこの家にも大きなガレージが付いていて、大きく開いたシャッターの開口部からはオレンジの光が漏れている。DIYのカルチャーが息づく町でコンピュータが生まれて、今は複合現実にまでたどり着いたんだもんなあとふと思う。たった4日間のシリコンバレー滞在だけど、この場所でMeta Questを体験できて良かった。この日もぐっすり眠って、翌日東京に帰った。
インフォメーション

Meta Quest 3S
Meta社が開発したMR(複合現実)ヘッドセット。ゲーム、フィットネス、エンターテイメントはもちろん、Facebook、Instagramなど対応しているアプリをヘッドセットひとつで体験することができる。なにより、近未来さながらのテクノロジーが4万円台で手に入るという驚き。
最低価格¥48,400(税込)
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