カルチャー

私的にいいとこ、詩的なところ。Vol.21/国立東京大学

2024年11月14日

photo: Keisuke Fukamizu
text: Ryusuke Kurokawa
edit: Toromatsu

早起きがいいはずがない
朝の通勤ラッシュ
自分を納得させるために朝型は吉と唱える無理
肩を当てにいく管理職風情
肘で突く白シャツ
ここはオクタゴンか
いざタイマン張れそうな輩は見当たらないが
しかし喧嘩は売り放題
すみません
大人が言えない動物園は朝が特等席

地上に出ると二十三区よそでは吹かない風が吹いた
ひとたび振り返れば消えてしまいそうな空気と
門を潜っていく
青々とした細やかな機微
良し悪しではない
ここには思想がある
窓一つ レンガ一つ 石畳もカーテンのきめ一つも
欧州まで建築を見に行く前にこの中庭を通ろうか
此処を東大だと知らずに訪れたことがあったなら
若き日に東大を目指していたかもしれない

東京大学駒場キャンパス九百番教室
木霊した言語はいまも漂っているか

インフォメーション

東京大学の外観

国立東京大学

文京区・本郷にある東京大学は、一般人でも自由に見学できる(ただし原則7時~18時まで)。赤門、安田講堂、三四郎池、中央食堂の学食などはもはや観光スポット的存在感だが、テニスコートや、駐輪場など何気ないスペースが異国情緒にあふれていて堪らない。それらや古き良き建物、緑を見ながら散歩をすると、気分は完全に60年代のアイビーリーガーズ。

◯東京都文京区本郷7-3-1