ライフスタイル
パンダの違いを知ってるかい?
2024年5月27日
かの高名なカーデザイナー、ジョルジェット・ジウジアーロが最高傑作と称するフィアット パンダ。“素朴なコンテナ”と表現する革命的なプロダクトデザインを味わうならば、断然、初代(’80〜’03年)だ。ものづくりに携わる佐藤さんも大木さんも初代派! でも、こうして並べてみると、似ているようで何だか違うような。それもそのはず、1986年の大幅なマイナーチェンジ以降とそれ以前では、エンジンやインテリア、メーター類が微妙に異なる。左のパンダは、ジウジアーロの息吹まで聞こえてきそうな初期型のセリエ1。右は、洗練さが増した後期型のセリエ2だ。とはいっても、どっちがいいなんてことはない。そのときに見惚れた一台こそが、キミのパンダになる。
FIAT PANDA 45 – 1983
佐藤さんのマイカーは、今では珍しくなった初代の初期型。1983年式のパンダ 45。「プロダクトデザインを志したのは、パンダがきっかけ。20歳のときに後期型CLXに乗っていましたが、30歳の節目で原点と言える初期型に乗りたい! と一念発起して、ようやく手に入れた一台なんです」。
オーナー
佐藤裕大(33) プロダクトデザイナー
佐藤さん曰く、パンダの最大の魅力は、内装の面白さに尽きる。「こんなに体が大きな僕でも余裕を持って乗れるギャップ感は魅力的ですよね。初期型はさらにユニーク。椅子はフラットに倒せて、テントのように車内を使えますし、椅子自体も取り外すことも可能。レジャーを意識した作りだと聞きましたが、デザイナーのジウジアーロが考えることはさすがですね」
FIAT PANDA CLX SELECTA – 1997
よく見ると、上のパンダとは微妙に異なる。大木さんの愛車は、初代パンダの最終型。無段変速機(CVT)を搭載したCLX セレクタと呼ばれるグレードだ。年季の入った18万㎞ものを破格の35万円で購入。仕事終わりにときどきドライブに行くのが密かな楽しみになったとか。「小さな見た目の割に車内は開放感があるので、長時間乗っていても快適。シートや時計、メーター類などの意匠もポストモダン風でいちいち洒落ているのも魅力ですね」。初期型と比べるとグッと大衆的に進化した印象。他では見ない絶妙な色合いもキュートなこと。
オーナー
大木源太(32) 〈エンダースキーマ〉生産管理
「実は初めての車なんです。好きな作家の絲山秋子さんが愛用していることを知って、パンダに乗るのが夢だったんです」。
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