ファッション
ずっとある〈プラダ〉のバックパック。
スタイリスト・長谷川昭雄と考える、2024年のシティライフ。
2024年4月24日

ぼくと服と東京の暮らし。
photo: Seishi Shirakawa
direction, styling & text: Akio Hasegawa
text (dialogue): Neo Iida
edit: Shigeru Nakagawa
2024年5月 925号初出
――特別な感じがします、〈プラダ〉のナイロンって。
長谷川昭雄(以下、長谷川) 〈プラダ〉って、ナイロンを使い始めたのが相当古いんだよ。たぶん’70年代くらいから使ってる。
――その頃、メゾンがマテリアルとしてナイロンを使うことがすごく斬新だったと聞いたことがあります。
長谷川 そうだね。〈プラダ〉はもともと旅行用品を作るブランドで、レディスを始めたらうまくいって、’93年からメンズの服を始めたんだ。その長い歴史のなかにナイロンがあるんだよ。
――ブラックナイロンのバックパックが誕生したのは’84年だそうです。ちょうど40年前なんですね。
長谷川 長いね。ブラックナイロンは、アメリカのパラシュートクロスを使っていて、丈夫で、軽くて、憧れだった。若い頃はさすがに買えなかったけど、何年か前に手に入れたら、やっぱりものすごく使いやすいんだよ。ポケットの大きさとか、数とか。さすが旅行用品の出自だなって。
――形状もアウトドア的ですよね。
長谷川 そうだね。しかも、少しクラシックなところがいい。最新アウトドアのは、現代的すぎてあまり好きじゃない。自分は買わない。友達が何使ってようが、それは全く気にならないし、どうでもいいけどね(笑)。

プラダのリサイクルナイロンバックパック
テントやパラシュートといったミリタリー品に使われている工業用ナイロンにいち早く着目し、様々な傑作を生み出してきた〈プラダ〉。’90年代の発表以来、細かなマイナーチェンジを繰り返しながら作り続けられている、このバックパックもその一つ。2019年よりスタートした「Prada Re-Nylon」コレクションから、リサイクルナイロンがマテリアルに採用されている。リナイロンのバックパック(W32×H53.5×D16.5㎝)¥495,000、リナイロンのレインコート¥473,000※ともに予定価格(ともにプラダ/プラダ クライアントサービス☎0120·45·1913)
――(笑)。逆に物が取り出しにくいってことありますね。街で使うなら、パッと開けて出し入れできればいいし。
長谷川 その点、〈プラダ〉のバックパックはすごく考えられていて、シンプルだし、頑丈だし、ダントツで使いやすい。僕のは両サイドにドリンクホルダーが付いていて少し大きいけど、小さくても基本構造は変わらないから、これもきっと使いやすいと思う。
――装飾もなく、黒一色という潔さ。あるのは〈プラダ〉のロゴだけで。
長谷川 昔はこのロゴも表じゃなくて裏に付いていて、見えなかったらしいのね。僕はロゴも何もないほうが好きだから、見えないままだったらもっと好きになってたかも。やっぱりさ、〈プラダ〉のバックパックを持ってると、どうしても「〈プラダ〉のバックパックを持ってる人」って見え方になるじゃない?
――確かに。アイコニックですもんね。
長谷川 そうじゃなくて、純粋なカバンとしてのクオリティをみんなに伝えたいなと思って。
――ポケットの数もちょうどいいし、収納力はあるし、欲しくなります。さらに素材も、2019年からは「Prada Re-Nylon」と呼ばれるリサイクルナイロンに替わったわけで、すごく考えられている。
長谷川 もうそんな前なんだ。その頃は一部のアイテムだけだったから、リサイクルマークのタグが付いてたの。今はすべてのナイロンがリサイクルになって、タグも表に出なくなったらしい。リナイロンは、海に捨てられた魚網などから作られた素材。今、ファッションブランドはアップサイクルみたいな方向に目を向けないといけない。そういう意味でも、価値のあるバッグなんだと思う。
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