カルチャー

カルチャーをあらゆる角度から思考したい人が読むべき3冊。

4月はこんな本を読もうかな。

2024年4月1日

text: Keisuke Kagiwada

『平岡正明著作集(下)』
平岡正明 (著)、平岡正明著作集編集委員会 (編)

キミは、平岡正明を知っているか? 革命、政治、ジャズ、落語、映画、大衆芸能……ありとあらゆる話題を独自の切り口で饒舌に論じ続けた、空前絶後の評論家だ。そんな彼の100冊以上ある著作から厳選し、その迸るバイブスを上下2冊にぎゅっぎゅっと真空パックしたのがこちら。大衆文化論を中心に収める下巻は、「山口百恵は菩薩である」とぶちかました有名な論稿の抄録がある上、五所純子さんの素晴らしい解説もあるので、入門にうってつけ。月曜社/¥3,520

『ショットとは何か 実践編』
蓮實重彦(著)

その題名に掲げられた問いにはついぞ答えず、むしろ映画における”ショット連鎖”の重要性こそを語ったインタビュー集『ショットとは何か』から、およそ2年。「実践編」とついたその続編は、著者がこれまで書いてきた単行本未収録の映画批評で構成される。”ドリー効果”という重要概念を提唱したD・W・グリフィス論は、なにしろ必読。講談社/¥2,750

『シャーロック・ホームズの護身術 バリツ
英国紳士がたしなむ幻の武術』
エドワード・バートン゠ライト(著)、田内志文 (訳)、新美智士(監)

名探偵シャーロック・ホームズが、宿敵モリアーティとの格闘シーンにおいて披露した、謎の護身術バルツ。そのルーツは、1800年代の終わり頃にとあるイギリス人が提唱した「バーティツ」だと言われているらしい。本書はその日本の柔術にボクシング、サバット、ステッキ術を組み合わせた護身術のマニュアル本。どなたか、ブレイキングダウンで使ってくれないかしら。平凡社/¥2,420