カルチャー

僕の京都案内。/川島明

「麒麟」川島明さんに、京都のオススメを教わった。

2022年12月6日

text: Koji Toyoda
2022年12月 908号初出

食べて、浸かって、笑って。
濃いぃ味の京都を堪能しましょ。

「京都」と聞くと、歴史や伝統から『静』をイメージしがちですが、実はしっかりと若者も楽しめる『動』な部分もたくさんあります。料理ひとつとっても「薄味」の反動と言わんばかりにしっかり濃いぃ味付けの中華料理も昔からソウルフードだったりします。今回はそんな濃くてやんちゃな京都を私が紹介させていただきますえ。で、まずはお食事のほうを。私が祇園で飲んだときにシメで行くのは、東山の『マルシン飯店』。小ぶりながら濃い肉の味が染みる餃子を瓶ビールとともにいただくのが幸せ。その後は天津飯をいただくのですが、ここのは、まさに「飲める天津飯」。唯一無二な味わいがほろ酔いの体に染み渡るので、飲み帰りに行くのがおすすめ。

マルシン飯店 - 東山 -
マルシン飯店 – 東山 –
創業45年の地元に愛される町中華。翌朝までの通し営業だが、どの時間もご覧の行列。並ばずに入るなら明け方が狙い目。天津飯の餡は中華出汁ベースでコクがある。もはや餡が主役。名物の餃子(¥360)も一緒に。天津飯 ¥850 ◯東山区南西海子町431-3 ☎075·561·4825 11:00〜6:00 火休
天津飯

 その後に余力があれば、紫野の『船岡温泉』へ。ここは、戦後間もない時代から営業する味わい深い銭湯。お湯もサウナも「ちょうどいい」温度で、歴史に浸かる感じ。

船岡温泉 - 紫野 -
船岡温泉
– 紫野 –

1923年に料理旅館のお風呂として創業。1933年には日本で初めて電気風呂を導入し、「特殊船岡温泉」として温泉の許可を得た。店名に「温泉」とつくのはこれに由来する。ゲストハウスもあり、宿泊も可能。○北区紫野南舟岡町82-1 ☎075·441·3735 15:30〜23:30、日8:00〜 無休

 さっぱりした次の日は、吉本のベテランや若手を楽しめる劇場「祇園花月」に行くのはどうでっしゃろ? ここだけの空気感があって、「NGK」や「ルミネ」と違った芸人さんが見られますよ。競馬歴23年の私が実家並みに愛する「京都競馬場」が来年リニューアル。やんちゃな京都には欠かせない聖地なので、来年旅行を計画中の方はリストに入れてね!

プロフィール

川島 明

かわしま・あきら|1979年、京都府生まれ。1999年にお笑いコンビ「麒麟」を結成。2021年よりTBSの情報バラエティ番組『ラヴィット!』の総合MCを担当中。