カルチャー

アートブックフェアは、サンフランシスコ版オタクの祭典だ!

2022年8月20日

text & photo: Yuji Wat
edit: Toromatsu

SF アートブックフェア
 

 カリフォルニアの“オタク”(自分の好きな事柄や興味のある分野、特にサブカルチャーに傾倒する人を指すリスペクトを込めた呼称)たちが大熱狂する、サンフランシスコの独立系出版物の祭典「SFアートブックフェア」に遊びに行って来た! 一緒に楽しんだジョーダン&バイリスも大好きなジンやプリントをゲットして、大興奮のアートな1日に。

SF アートブックフェア
左がJordan Medina、右がViridiana Alcaraz Alvarez

 2016年に始まり今年で5回目となるこのフェアは、出展ブースでアーティストやデザイナー、写真家たちから直接ジンやポスターなどを購入できるのが何より嬉しい。インディペンデント系の出版や制作に関わるクリエイターの多くは、常にアンダーグラウンドで暮らし活動することを好むため、なかなか素性を明かさない印象(だからこそ魅力的な作風が多く、ミステリアスな存在が芸術性を高めている事は理解できるし、僕らはその見えない何かにいつだって惹かれてしまう)。それだけに、このイベントは制作者とファンが交流できる1年に一度だけのとても価値のある大きな祭典なのだ。

「先ずはハンバーガー・アイズのレイさんに挨拶行って、それからプリンテッド・マターを見て、次に……」と、ジョーダン&バイリスは、ポケットにキャッシュをたっぷり持って作戦会議。そして、紙とインキの匂いに覆われた会場をゆっくりと廻り始めた。

会場内はこんな感じでとにかくゴキゲン!

SF アートブックフェア

僕たちが足を止めたブースをいくつか紹介するよ!

[HAMBURGER EYES]

[PARK LIFE]

パークライフ
サンフランシスコのギャラリー兼ブックストア。写真家マイケル・ジャンの新作ジンのサイン会は大盛況!
https://www.parklifestore.com

[LAND AND SEA]

[LAND AND SEA]
オークランドを拠点に活動するアーティスト、クリス・ダンカンが主宰するリトルプレスおよびプロジェクトスペース。
https://www.instagram.com/landandseaoakland/

[DEADBEAT CLUB]

[DEADBEAT CLUB]
写真家クリントが主宰するロサンゼルスのインディペンデント系出版グループ。
https://deadbeatclubpress.com

[COMMUNE]

[COMMUNE]
東京でギャラリー、ショップ、出版レーベルを運営しながら海外のイベントにも多く参加しているコミューン川邊さんと写真家の池野さんもいたよ。
http://www.ccommunee.com

[Printed Matter]

[Printed Matter]
ニューヨークのインディペンデント系ブックストアの聖地であり、NYABFの主催者。サンフランシスコには初参戦かも。
https://www.printedmatter.org

[RATIO 3]

ラティオ
バリー・マッギーら有名アーティストが多く所属するサンフランシスコのギャラリー!
https://www.ratio3.org

[BOO HOORAY]

[BOO HOORAY]
世界中で展示会を催すニューヨークの出版社兼ギャラリー兼アートクルーも。
https://www.boo-hooray.com

 2年間のパンデミックを超えて復活したこともあり参加者、出展者がこれまで以上に多い印象だった。そんな中でも特筆すべきは ZINE だけが集結した“ジンテント”が存在していたこと! 会場でアーティストのエリックが「ZINE の魅力は、ハンドメイドから生まれるDIY精神だ」って言っていたけど、最初から最後まで自分で作った印刷物が一堂に会して一気に見られるのは、なかなか無いことだと思う。

SF アートブックフェア
ジンテント
ジンのテント

僕たちがどんな ZINE を見つけたのかは、『SF アートブックフェアで見た ZINE』で!

つづく

プロフィール

Yuji Wat

ゆうじ・わっと|東京都生まれ、サンフランシスコ在中。映像作家、写真係、MUNISF主宰。故大瀧ひろし氏からアメリカの魅力と攻略法を学び、カリフォルニアに通い始める。後にサンフランシスコの異色サーファー達をフューチャーした映像作品 [ TGH ] を発表。現在、雑誌や広告撮影を中心に活動中。愛犬家。