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僕の車。/LAND ROVER RANGE ROVER P38A 1994・LAND ROVER DEFENDER 2020

2022年5月28日

photo: Jack Orton (LAND ROVER RANGE ROVER P38A 1994), Kazuharu Igarashi (LAND ROVER DEFENDER 2020)
text: Koji Toyoda
coordination: Keita Hiraoka & Narumi Nara (LAND ROVER RANGE ROVER P38A 1994)

僕らがランドローバーに無性に惹かれる理由。
LAND ROVER RANGE ROVER P38A 1994
LAND ROVER DEFENDER 2020

LAND ROVER DEFENDER 2020

 マイケル・ジョーダンが乗っているから? それとも英国王室御用達のSUVだから? 理由はともあれ、僕らのランドローバーへの憧れは衰えることはない。その魅力を「スニーカーに例えるならば、〈ニューバランス〉の『990』みたいなもの」と語るのは、3代目レンジローバー(ランドローバーの上級ライン)のヴォーグ、ランドローバーのニューディフェンダーを乗り継いできた『ミンナノ』の店主、中津川吾郎さん。「安定感は抜群ですし、ロゴやデザインも含め控えめな存在感が、ランドローバーという車の持つ魅力だと思います」。そういえば、〈エメレオンドレ〉や〈ベターギフトショップ〉のムードボード代わりのインスタでは、マレンコのソファや〈アークテリクス〉のゴアテックスジャケット、それこそ〈NB〉のランニングシューズと同列に並んでいたっけ。要するにそのどれもに目がないシティボーイにとって、どれだけ高嶺の花だろうと、できれば身近に置いておきたいパーマネントデザインのひとつってこと。吾郎さんのおかげで、なんとなく放置していたナゾが一気に解けたような気がする。

LAND ROVER RANGE ROVER P38A 1994

 本場イギリスの若者たちも同じ気持ちらしく、クリエイティブ・ストラテジストのルイス・ガネリンくんは若くして、セカンドレンジのオーナー。「僕たちにとっても普遍的なSUVだよ。ぬかるみや急斜面を物ともしない本格オフローダーながらも、古き良き建物が並んだ英国の街並みにも品よく溶け込む。まさに自然を愛する英国紳士みたいな車だね。それでいて、近年は中古市場が底値を付いているから、比較的手に入れやすいんだ」。吾郎さんの乗るニューディフェンダーにオリジナルディフェンダー、初代レンジローバーはまだまだお高いけれど、セカンド&サードレンジは、日本でも180万円ほど。つまり、〈ニューバランス〉の新作を90回我慢すれば、英国きっての名オフローダーの運転席に座れちゃうってわけだ。意外と実現可能?

LAND ROVER RANGE ROVER P38A 1994

 ロンドン在住のクリエイティブ・ストラテジスト、ルイス・ガネリンくんの愛車は、2代目レンジローバーだ。「4×4に乗りたいと思ったときに、100台に及ぶ候補車の平均的な年間コストを算出した結果、セカンドレンジがもっとも現実的な車だったんだ」。初代からグッとモダンな顔つきになった2代目は確かにお手頃。でも、エアサスと革張りシートがもたらす快適な乗り心地に、大きな窓による視界の良さ。そして、頼もしきV8エンジンの馬力は、レンジローバーの良さをまず知るにちょうどいい。「サンルーフを開け、ジャズを流しながら、自然へ分け入っていくのはいつでも最高の時間だよ」。いつの時代もカントリージェントルマンの隣に、レンジの姿あり。

ロンドン在住のクリエイティブ・ストラテジスト、ルイス・ガネリンくん

OWNER
Louis Ganellin/27
クリエイティブ・ストラテジスト

LAND ROVER DEFENDER 2020

『ミンナノ』の店主、中津川吾郎さん。

OWNER
中津川吾郎/44
『ミンナノ』店主