スマートフォンのポートレート機能を使えば、特別な機材や技術がなくても、その人の魅力が伝わる写真を簡単に残せる現代。では、スマホもカメラもない時代は誰がどうやって肖像画を記録していたのだろう。現在、奈良県の大和文華館で開催中の「伝神写照―東アジアの人物表現とものがたり―」では中国、朝鮮半島、日本、琉球の書画漢籍42件を通して、東アジアで展開した多彩な人物表現と、それにまつわる物語について学ぶことができる。この展示タイトルの「伝神写照」とは、4~5世紀中国の肖像画の名手・顧愷之(こがいし)が述べた言葉で、描かれる対象をその本質まで活き活きと写し表すことを指すそうで、古くから肖像表現に深い関心をもっていた中国では、儒教・仏教・道教などの信仰にまつわる仏像、有名な歴史人物の姿やその逸話などが絵画化されていたのだ。
今回の展示では中国で生まれた人物表現とその物語が東アジア諸国に伝わり、それぞれの国で文化的・歴史的背景のもと、独特の趣をもつ作品が生み出されたそのストーリーを見ることができる。古くは中国の9~10世紀から日本の20世紀までのそれぞれの地域で描かれた作品の相違点と共通点に注目して鑑賞したい。
インフォメーション
伝神写照 ―東アジアの人物表現とものがたり―
会期:2026年1月6日(火)~2月15日(日)
場所:〒631-0034 奈良市学園南1丁目11番6号
休館日:月曜日(1月12日〈祝〉開館、翌13日〈火〉休館)
開館時間:10:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料:一般 630円、高校・大学生 420円、小学・中学生 無料
Official Website
https://www.kintetsu-g-hd.co.jp/culture/yamato/
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