つるりとしていて、手のひらにはぴったりとフィット。卵形にしかない心地よさとか可愛さってあると思うし、見つけるとつい家に連れて帰りたくなる。これってみんな何となく持っている性だと思っていたけど、おそらく世界で一番「卵の形」をしたものを集めただろう先輩がいた。現在恵比寿の書店『POST』で展示をしている澄敬一さんが卵型のオブジェを集め始めたのは、彼が自身で内装を手がけたかつてのインテリアショップ『push me pull you』を始めたときのこと。近所で捨てられていた鳩時計を修理して飾ったときに、「そこに鳥がいるなら、卵も欲しい」と思ったのだとか。さらに数年後、骨董市で偶然にも数百もの卵型マラカスに出会い、本格的にコレクションすることに。22年にわたり、澄さんがニセモノの卵を集めることで気づいたのは、どれも大量生産品だけど、一つとして同じ形はないということ。鳥の産卵を抑制するためのものはむしろごく一部で、玩具や健康グッズ、オーナメントや手品道具、調理器具や食品サンプルなど、その用途は多彩。本展では、19世紀末から21世紀初頭にかけて世界各地で作られた160点の偽卵を収めた書籍『egg』と、実際のコレクションが並ぶ。シンプルな輪郭にも関わらず、誰が見ても同じものをイメージするに、きっと卵にはまだまだ奥深い世界が待っているはず。先輩のコレクションを機に、深淵なる卵の世界に足を踏み入れてみては?
インフォメーション
Keiichi Sumi / egg
会場:POST(東京都渋谷区恵比寿南2-10-3)
会期:2025年11月1日(土)~2025年11月30日(日)
時間:11:00-19:00
休み:月曜
Instagram
https://www.instagram.com/keiichi_sumi/
https://www.instagram.com/fragile_books/
https://www.instagram.com/post_books/
ムーンストラック・カルティベーション vol.2「『図案』の森に潜る 近代日本の視覚文化アーカイヴ逍遥」に行く。
POPEYE Webシニアエディターでもある編集者の井出幸亮さんが立ち上げたリアルイベントプロジェクト「Moonstruck Cultivation(ムーンストラック・カルティベーション)」。芸術/...
『パンク・ガーデニング宣言 エコロジカルで型破りな庭園論』を読む。
フランスの造園家エリック・ルノワールが提唱する「パンク・ガーデニング」は、人間本位で植物にとっては地獄でしかない「美しい庭」という考え方にまず反旗を翻す。そして、完璧な管理をあえて手放し、植物本来の...
『はいつくばって』を読む。
ミランダ・ジュライによる2冊目の長編小説だ。主人公はジュライ自身を彷彿とさせる45歳の女性アーティスト。とある小旅行をきっかけに、中年期特有の人生の悩みに振り回される彼女の姿が、夢みがちであるが故の...
『ルックバック』を観る。
藤本タツキによる同名漫画を実写化したのは、『箱の中の羊』の記憶も新しい是枝監督だ。二人の少女、藤野と京本がコンビを組んで漫画家を目指すその原作の物語を、是枝監督はかなり忠実に実写へと昇華させている。...
『オデュッセイア』を観る。
原作は古代ギリシャの吟遊詩人ホメロスの同名叙事詩だ。「トロイの木馬」作戦によってトロイア戦争に勝利したオデュッセウスたちが、妻と息子が待つ故郷イタケへの帰還を目指す10年に及ぶ果てしない旅路を、監督...