映画では、ひとつのシーン内での人物たちの画面内での左右関係を混乱させないため、イマジナリーラインというものを設定し、それを越えないようにしましょうという暗黙の了解がある。しかし、本作はそんなラインを涼しい顔で踏み越え、ひとつの空間で別々に親密圏を築いている者たちを自由に撮り、それぞれのショットをさらりと繋げてしまう。キッチンでダンスを踊るカップルと何食わぬ顔の猫、部屋で談話する母子とベランダで洗濯物を干す祖母……。繋げてしまえば繋がってしまうし、繋がってしまえば繋がっているように見えるんだから、繋げますよ、という具合だ。こうした空間把握能力が、本作のキモと言えるかもしれない。“ひとつの空間“は“世界“へと広がり、マドリードと日本で展開されるそれぞれに無関係の3つの物語が、国境を越えて大胆不敵に繋がれる。なるほど、国境とはイマジナリーラインでしかなかったのか。7月19日よりポレポレ東中野、8月よりシネ・ヌーヴォにて公開。
5月第3週の「TODO RADIO」を聴く。
呉屋慎吾「En Route by ALBUM」/グランド・イリュージョン ダイヤモンド・ミッション/Hotdog in the Ocean TAMAKI IWAO/97歳セツの新聞ちぎり絵 原画展/ど...
福岡の街を、名作椅子を探して歩く。
“Chair Expedition”と名付けられたユニークなイベントが、5月15日から始まる。2024年に逝去したインテリアデザイナー永井敬二氏の膨大なコレクションから選ばれた20脚の名作椅子が福岡、...
呉屋慎吾「En Route by ALBUM」に行く。
インディペンデント・マガジン『.OWT.』を手がけるほか、本誌『POPEYE』をはじめ、ファッション、広告、建築などの分野でも多岐に渡り活躍する写真家・呉屋慎吾さんによる個展が開催中だ。ダイナー、工...
『マテリアリスト 結婚の条件』が気になる。
ジェントルマンな金持ちか、貧乏だけど夢に向かって生きる俳優志望か。恋愛における古典的な二者択一を迫られる婚活カウンセラー、ルーシーをめぐる王道のロマンチック・コメディ。そういえば、監督のソンは前作『...
『スマッシング・マシーン』を観る。
”サフディ兄弟”名義をジョシュと解消したベニーが、にもかかわらずジョシュの『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』と同じく、日本が重要な役割を果たすアスリート映画を作ったのは偶然なのか必然なのか。そん...