カルチャー
4月はこんな本を読もうかな。
夏の足音を聞きながら読みたい8冊。
2021年4月1日
text: Keisuke Kagiwada

『ロバート・アルトマンを聴く 映画音響の物語学』
山本祐輝(著)
『M*A*S*H』や『ロング・グッドバイ』をはじめ、シティボーイ必見映画を数々手がけてきたロバート・アルトマンの監督作を、なんとその音響に照準を絞って分析した、ぶっとんだ1冊。例えば、この視点から怪作『突撃!O・Cとスティッグス お笑い黙示録』を観たらどうなるんだろうか。それは今後の宿題に。¥3,300/せりか書房

『疫病短編小説集』
R.キプリング、K.A.ポーターほか(著) 石塚久郎 (監訳)
最近、コロナ禍をテーマにしたフィクション作品が増えているが、これまでも疫病は人類の想像力を刺激し続けてきたらしい。このアンソロジーに収録されている短編が扱うのは、天然痘、コレラ、インフルエンザなどなど。読めばきっと今をサバイブするヒントになるはず。¥1,650/平凡社

『うたのしくみ 増補完全版』
細馬宏通(著)
事件だ。ブラジルのサンバからユーミンやaikoまで、それぞれの歌のしくみをとことん具体的かつエモーショナルに分析した『うたのしくみ』の増補完全版が出た。目からウロコが100枚は落ちるぞ、こりゃ。¥1,980/ぴあ

『殺人記念日』
サマンサ・ダウニング(著) 唐木田みゆき(訳)
夫婦円満の秘訣とは? そんなもんがあるなら誰だって知りたいだろうが、本作の2人にとってのそれは殺人なんだから困った。互いの愛を確かめ合うように人を殺し続ける夫婦を描いたこのスリラー、ニコール・キッドマン製作で映画化も進んでいるらしい。¥1,386/早川書房

『乱歩とモダン東京 通俗長編の戦略と方法』
藤井淑禎(著)
江戸川乱歩が読者の心を鷲掴みにできたのは、あっと驚くミステリアスな物語展開巧のみにあらず。実は1930年代のモダンな東京を活写し、読者の憧れをかきたてたことも大きかったようだ。本書は乱歩のそんなシティボーイ的な側面を解明した一冊。¥1,650/筑摩書房

『令和元年のテロリズム』
磯部涼(著)
『ルポ 川崎』の著者が次に選んだテーマは、令和の幕を開けて間もなく起こった悲惨な3つの事件。その現場を訪れることを通して、浮き彫りにされたこの時代の風景とは? 山谷祐介の冷たい写真も含めて、じっくりと向き合いたい。¥1,870/新潮社

『星の時』
クラリッセ・リスペクトル(著) 福嶋伸洋(訳)
“ブラジルのヴァージニア・ウルフ”との通り名を持つ著者が綴るのは、「不幸であることを知らない」という一人の女性の物語。地方からリオのスラムにやってきた彼女は、コカコーラとホットドッグが大好きという設定もなんか素敵だし、ボサノバのジャケットのような表紙も洒落ている。¥ 2,695/河出書房新社

『クラシック名曲「酷評」事典 上』
ニコラス・スロニムスキー(著) 藤村奈緒美(訳)
ベートーヴェンとかストラヴィンスキーとかショスタコーヴィチとか、もう批判するなんて気分にすらならないレベルの巨匠たちも、活躍していた当時は罵詈雑言にさらされていたらしい。これはそんな“ディスり”のみを厳選して編まれた意地悪な事典。こういう企画は大好物なんだよな。¥2,090/ヤマハミュージックメディア
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