CULTURE

ニッポン博物館列島 Vol.6

-東京編-

2021.10.10(Sun)

illustration: RUMINZ
text: Nozomi Hasegawa
2020年7月 879号初出

北から南まで幾千館。もはや日本は博物館の王国だ。
第6回は東京編。しばらくは博物館には困らないね!

16. 池袋|歴史・考古学
古代オリエント博物館

古代オリエントとは現在の中東付近で栄えた古代文明の総称。文字を発明した古代メソポタミア文明やエジプト文明も含まれ、世界中の研究者をしても未だ謎多きロマンの世界だ。ここでは最古の文字「楔形文字」が記された粘土板やシルクロード経由で日本に伝わった古代ペルシャの工芸品など、その一端を垣間見られる。ヒエログリフの50音表や古代エジプトの壁画トートなどグッズも充実。 豊島区東池袋3-1-4 サンシャインシティ文化会館ビル7階 ☎03・3989・3491

古代文明の博物館は、文化の交差点・池袋に!

17. 目白|切手
切手の博物館

送られてきた手紙に洒落た切手が貼ってあったら素敵だ。自分も欲しいと思ったら目白には切手の博物館があった。常設展はなく、3か月ごとの企画展では世界中から約800枚を展示。ちなみに今はティラノサウルス、ステゴサウルスなど、様々な古生物の切手を特集中。ルーペをレンタルして切手の精緻な印刷技術を確認したり、鑑賞後はマストのショップでは過去の記念切手なども買えて予想以上に楽しい。 豊島区目白1-4-23 ☎03・5951・3331

見て、買えて、使える。 
っていうのがいいんだよな。

18. 上野|考古学・古美術
東京国立博物館

言わずと知れた上野の通称“トーハク”は約12万件の日本やアジアの美術品、考古遺物を収蔵し、館内を少し歩けば次々に国宝や重要文化財に出くわす日本最高峰のコレクションを持つ。長谷川等伯の国宝「松林図屏風」をはじめ、埴輪に漆器、浮世絵など多様な展示品は教科書級のお宝ばかり。しかも常設展の展示替えは年間なんと300回以上。これをすべて見切ったら真の博物館好きである。 台東区上野公園13-9 ☎050・5541・8600(ハローダイアル)

年300回以上も展示替えする常設展は
いつかコンプリートしたい。

19. 水道橋|スポーツ
野球殿堂博物館

東京ドームに併設され、日本野球のあらゆる資料を集めた文字どおりの野球の殿堂。プロ12球団の現役選手の用具の展示ではスパイクについた土やバットの打球痕から、“物”以上の熱量がビシビシと感じられる。また、明治時代、日本に野球が伝わった頃の野球用具や、1934年の日米野球で来日を渋っていたベーブ・ルースがそれを見て来日を決めたという伝説のポスターなど珍品も多数。 文京区後楽1-3-61 東京ドーム21ゲート右側 ☎03・3811・3600

熱戦の跡が残るプロの用具から
明治の野球まで日本野球の全部入り。

20. 御茶ノ水|法律・商学・考古学
明治大学博物館

考古学史料も充実する明治大学の博物館には、国内でも珍しい「刑罰」をテーマにした展示がある。女性を象った中世ヨーロッパの恥辱刑の道具「鉄の処女」や江戸時代の牢屋敷の様子を記した資料を見ると、人が人を罰するという文化についてあらためて考えさせられる。フランスで死刑執行に使われたギロチンが苦痛を最小限にし、身分による刑罰の区別をなくすために導入されたというのも驚き。 千代田区神田駿河台1-1 アカデミーコモン地階 ☎03・3296・4448

古代の法典や拷問器具は、
見るだけでなくしっかり考えたい。

21. 竹橋|歴史・文学
国立公文書館

国の重要資料である公文書、古文書を保存している国立公文書館は、実は博物館のようにそれらの資料の展示もしている。例えば新元号発表時に小渕恵三元官房長官が掲げた「平成」の書と、菅義偉元官房長官が掲げた「令和」の書、「日本国憲法」や「終戦の詔書」といった時代の転換に立ち会った文書のレプリカを常時見ることができる。「江戸時代のレシピ」や「地獄」など、古文書の企画展の切り口も斬新でとても気になる。 千代田区北の丸公園3-2 ☎03・3214・0621

大きな時代の変わり目には、
常に「重要書類」があったのだ。

22. お台場|科学
日本科学未来館

毛利衛さんが館長を務めたこの科学館の特徴は、科学技術を映画や音楽と同じ人類史上のカルチャーと捉えているところ。例えば「ASIMO」のようなヒューマノイドロボットや国際宇宙ステーション、コンピューター技術が私たちの生活とどう関わっているかを豊富な実機と模型で体験できるのだが、大半のテクノロジーと一緒で、ここも説明を聞くより経験するほうが早い。まずはとにかく行くべし。 江東区青海2-3-6 ☎03・3570・9151

科学もカルチャーのひとつだと
考えてみると身近に感じるかも。

23. 高尾|自然史
TAKAO 599 MUSEUM

世界で一番人が登ると言われる山・高尾山は、単なる遠足の山ではなく、実は日本有数の多様な動植物が生息する国定公園でもある。そんな高尾山専用のミュージアムがここ。アートディレクター大黒大悟が手掛けた展示空間は、真っ白な壁一面に並んだアカギツネやムササビなどの在来動物の剥製や、アクリル樹脂で固められた自生の草花など、ギャラリーかのよう。一通り見て回れば、高尾山自体がもはや博物館である。 八王子市高尾町2435-3 ☎042・665・6688

足を運んだそのときから、
高尾山が博物館になる。
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