TRIP

ニッポン博物館列島 Vol.4

-関東・甲信越編-

2021.06.19(Sat)

illustration: RUMINZ
text: Nozomi Hasegawa
2020年6月879号初出

北から南まで幾千館。もはや日本は博物館の王国だ。
第4回は関東・甲信越編。しばらくは博物館には困らないね!

08. 新潟|産業・工芸
燕市産業史料館
焼き物や木工は好きだったが、金物の奥深さにも気付いてしまった。

意外と知られていないが、燕市は江戸時代から続く金物の街。金属洋食器の製造ではなんと全国の95%のシェアを占め、柳宗理のステンレスカトラリーや、ノーベル賞の晩餐会のカトラリーもこの地で作られている。そんな伝統の技術と意匠を存分に確かめられるのがここ。一枚の銅板を打ち起こしてやかんや鍋を作る伝統産業「鎚起銅器」や、人間国宝の作品もあり、今まで知らなかった金物の奥深い世界に触れられる。 
新潟県燕市大曲4330-1 ☎0256·63·7666

金物の奥深い世界はこちら

09. 長野|スポーツ
日本スキー博物館
知って滑るのとそうでないのではスキーの楽しさもきっと違う。

1998年の長野五輪でバイアスロンの会場にもなった野沢温泉には日本で唯一のスキー博物館がある。「アルペンスキーの父」ハンネス・シュナイダーや日本にスキーを伝えたレルヒ少佐の遺品をはじめ、バブル期のスキーブームから長野五輪までスキー史を一覧する展示は貴重。時代ごとの用具を見比べるのも面白いが、世界中から収集した「スキー人形」などスキーモチーフの雑貨を眺めるのも結構楽しい。 
長野県下高井郡野沢温泉村豊郷8270 ☎0269·85·3418

スキーブームからスキー史まで⛷

11. 茨城|植物
筑波実験植物園
草原も熱帯雨林もマングローブも、世界の植物が一度に見られる不思議。

植物園は数あれど、ここは国立科学博物館の研究施設で、生きた植物の生態を日夜調査するいわば巨大な実験室。その中にはサボテンの育つサバンナ、ジャングルのような熱帯雨林、東南アジアのマングローブの木々など、世界各地の植生が再現され、地球一周分の植物を見て回れる。なかでも名物の「ショクダイオオコンニャク」は稀に2日間だけ花を咲かせるスマトラ島の不思議植物。花を見られたら超ラッキー。 
茨城県つくば市天久保4-1-1 ☎029·851·5159

ここは植物の巨大な実験室

12. 千葉|鳥類・自然
我孫子市鳥の博物館
かつて鳥の楽園だった手賀沼のほとりに立つ鳥だらけの博物館。

高度経済成長期の水質汚染で数多くいた鳥たちが姿を消した手賀沼の歴史をふまえ、鳥の多様性を伝えるのがこの博物館。恐竜絶滅後の世界で史上最強の鳥と呼ばれた獰猛な肉食鳥「ディアトリマ」や鳥類史上最も背の高い「ジャイアントモア」の復元模型、世界の鳥の剥製がずらりと並んだガラスケースなどを見ていると、鳥のことを意外と何も知らなかったと気付く。今の手賀沼は美しい場所なので併せて散策もぜひ。 
千葉県我孫子市高野山234-3 ☎04·7185·2212

鳥のことって意外と何も知らないかも

13. 千葉|歴史・民俗
国立歴史民俗博物館
教科書には載っていない、庶民が暮らした生活の歴史。

学校で学ぶ歴史は時の権力者や時代を揺るがす大事件から語られるが、この博物館のテーマはその陰に生きた僕らのような“普通の人”の生活史。例えば、河童や妖怪などの民間伝承、江戸時代の盛り場だった江戸橋広小路の再現模型なんかを見るとリアリティのなかった“歴史”をぐっと身近に感じる。館内はかなり広いが、終盤で気をぬくと東宝映画製作の巨大なゴジラ像が突然現れたりするから注意。 
千葉県佐倉市城内町117 ☎050·5541·8600(ハローダイヤル)

普通の人の歴史が見れるんだ

14. 神奈川|自然・民俗
神奈川県立生命の星・地球博物館
地球誕生から46億年の生命の旅を凝縮した、壮大すぎる博物館。

46億年にわたる地球と生命の超スペクタクルを凝縮した博物館で、様々な動物の骨格標本がパレードのように並ぶ様子や、全長8mに及ぶ巨大な地層面を再現した「アンモナイトの壁」など、テーマに引けをとらない壮大な展示は圧巻。他にも8500万年前に存在した全長5mの肉食魚類「クシファクチヌス」や、地球誕生の謎を解く手がかりを秘めた隕石などあらゆる展示から地球の底知れないパワーが感じられる。 
神奈川県小田原市入生田499 ☎0465·21·1515

※コロナウイルス感染防止対策のため、事前予約制の場合あり。詳細は公式HPにて。

46億年の生命の旅がギュッと!

15. 神奈川|貝類
真鶴町立遠藤貝類博物館
一人の男が生涯をかけて集めた美しく神秘的な貝のコレクション。

湘南の貝類研究家・遠藤晴雄が生涯をかけて集めた貝の標本を展示する博物館。何がすごいって5万点以上の貝のコレクションをすべて1人で集めたこと。大量の貝殻は工芸品のようで、数々の建築やデザインの教科書となったというのも頷ける。そんな遠藤渾身の至宝が「生きた化石」と呼ばれる巻貝「オキナエビスガイ」で地球上の全30種のうち27種がここに揃う。眼前に真鶴の海が広がるロケーションも最高。 
神奈川県足柄下郡真鶴町真鶴1175 ☎0465·68·1112

5万点以上のコレクションがここに
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