TRIP

ニッポン博物館列島 Vol.2

- 東海・北陸編 -

2021.05.25(Tue)

illustration: RUMINZ
text: Nozomi Hasegawa
2020年6月879号初出

北から南まで幾千館。もはや日本は博物館の王国だ。
第2回は東北・北陸編。しばらくは博物館には困らないね!

24. 石川|航空宇宙
宇宙科学博物館コスモアイル羽咋
室町時代からのUFOのまちで本物のNASAの宇宙船を見る。

室町時代の古文書に謎の飛行物体が頻繁に目撃されていたと記述があったことから「UFOのまち」と呼ばれる羽咋には、NASAやロシア連邦宇宙局へ交渉をして購入した正真正銘本物の宇宙船を展示する博物館がある。月面着陸に成功した「アポロ司令船」のモックアップや、地球に帰還する際の大気圏突入でついた焼け跡が残る「ヴォストーク宇宙カプセル」の実機を見られる場所は、ここをおいて日本には例がない。
石川県羽咋市鶴多町免田25 ☎0767・22・9888

宇宙へ!

25. 富山|地学・植物
魚津埋没林博物館
水中に沈む埋没林がある博物館は、自然の力を感じるパワースポット。

「埋没林」とは火山の噴火や海面上昇で地面や水中に埋もれてしまった林のこと。魚津埋没林は2000年前のスギの原生林が海面上昇で現在の富山湾沿岸に没したもので、ここではその神秘的な自然現象について学べる他、実物を間近で見ることもできる。特に巨大な水槽展示は『もののけ姫』にでも出てきそうな太い木の根が水中でニョキニョキと絡み合い、海底遺跡を思わせる雄大さ。上下左右から余すところなく観察しよう。
富山県魚津市釈迦堂814 ☎0765・22・1049

埋没林は特別天然記念物

26. 福井|恐竜
福井県立恐竜博物館
言わずと知れた世界のFUKUIで、1億5000万年前に思いを馳せる。

カナダのロイヤル・ティレル古生物学博物館、中国の自貢恐竜博物館と並ぶ恐竜博物館の日本代表。全44体(!)の全身骨格の中でも3階建てのビルに相当する高さ11mのブラキオサウルスは圧巻で、体の下に潜ると不思議な安心感があると地元で評判。草食恐竜の「フクイサウルス」をはじめ福井産の5種の恐竜は絶対に見ておきたい。恐竜に興味がない人ほど、行けば価値観が変わるかも。
福井県勝山市村岡町寺尾51-11 かつやま恐竜の森内 ☎0779・88・0001

恐竜に会いに行こう!

27. 福井|地学
福井県年縞博物館
水月湖の年縞には7万年分の地球の出来事が詰まっている。

「年縞」とは湖の底に堆積した地層が1年1層の縞模様を描いたもので、考古学などにおける年代特定の手がかりになる。とりわけ福井の「水月湖」は世界で唯一、7万年連続した年縞で「年代の世界水準のものさし」といわれている。と、あまりにニッチなテーマだが、内藤廣が建築設計を手掛けた奥行きのある展示空間に7万年分の年縞が横たわる姿は美しく、壮大な時間のスケールを感じられる。
福井県三方上中郡若狭町鳥浜122-12-1 縄文ロマンパーク内 ☎0770・45・0456

年縞って綺麗だな

28. 静岡|自然・地球環境
ふじのくに地球環境史ミュージアム
ユニークな展示空間で感じるローカルな自然の物語。

洪恒夫さんが監修し、国内外のデザイン賞を多数受賞した空間デザインもさることながら、日本で初めて「地球環境史」をテーマにした展示内容もユニーク。自然史博物館といえば地球規模なイメージがあるが、静岡というローカルだからこそ、生物の関わり合いや環境問題を解像度高く見ることができる。数ある標本の中でも駿河湾に生息する巨大深海ザメ・オンデンザメの液浸標本は必見。
静岡県静岡市駿河区大谷5762 ☎054・238・5870

ローカルな自然を感じよう

29. 岐阜|鉱物
中津川市鉱物博物館
日本有数の鉱物産地にある鉱物専門の博物館。

トパーズや水晶など多くの鉱物産地として知られる苗木地方にある鉱物専門の博物館で、地元出身のアマチュア鉱物研究家・長島乙吉のコレクションや、鮮やかな青緑色が美しい世界最大級のアマゾナイトの結晶など魅惑的な鉱物の数々が展示される。だけでなく、鉱物とは何かや、生活にどう役立っているかなど意外と知らない鉱物の知識が丁寧に説明されているのでシンプルに勉強になる。これぞ博物館の醍醐味。
岐阜県中津川市苗木639-15 ☎0573・67・2110

鉱物のこと知りたくない?

30. 岐阜|昆虫・自然
名和昆虫博物館
青く輝く羽を持つモルフォチョウの壁は息をのむ美しさ。

「ギフチョウ」を発見し「昆虫翁」とも呼ばれる昆虫学者、名和靖が1919年に開設した現存する日本最古の昆虫博物館。「昆虫に興味のない人にいかに虫を好きになってもらうか」をテーマに造形美や色彩美を重視して構成された昆虫展示は、さながら虫の美術館のよう。特に、アマゾンを中心に分布するモルフォチョウを482頭並べた「モルフォの壁」は見る角度によって羽が青くきらめき、ステンドグラスのように美しい。
岐阜県岐阜市大宮町2-18 ☎058・263・0038

昆虫翁の博物館🦋

31. 愛知|人類学
南山大学人類学博物館
展示品を手に取ってみるだけで、すいぶんと印象が変わると思った。

文化人類学者の西江雅之がパプアニューギニアやアフリカ、アメリカなどの世界各国の旅で収集したお面や人形などの民族資料の他、縄文土器や昭和の暮らしの道具を展示する。この博物館が他と決定的に違うのは、ほぼすべての展示物を実際に触ることができること。少数民族の仮面も、旧石器時代の石器も、ショーケース越しではわからない重さや温度、触り心地、裏側の造作まで、感じてみると見え方も全く違う。
愛知県名古屋市昭和区山里町18 ☎052・832・3147

※新型コロナウイルス感染の影響で、当面は一般入館不可。南山大学生のみ入館可。

手にとって見れるのが嬉しいね
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