TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#1】Galerie 21:美しく歳を重ねていくものたち

執筆:ニコラ・ユタナン・シャルモ

2026年2月13日

〈Galerie 21〉は、クラフト文化や美しいものに焦点を当てた空間であり、オブジェクトと出会い、購入できる場所でもあります。平日は予約制でオープンし、日常の中にある美しさを大切にしています。普段はあまり意識されないけれど、確かな存在感、機能、そして時間の中で育まれてきた物語を持つものたちです。ここはまた、ものづくりや文化的な価値に共感する人たちが集まるコミュニティの場でもあります。

アンティークと新しく作られたものを織り交ぜてセレクトしています。どちらも丈夫さや誠実さといった共通の考え方を持っています。何十年、時には何百年とかけて、美しく歳を重ねていくことを前提につくられたものには、第一印象だけでは測れない価値があります。古いものか新しいものかに関わらず、正直な表現を持ち、長く使われ、日常の中に自然と溶け込むものだけを選んでいます。

〈Galerie 21〉は、長年にわたる収集、キュレーション、そして旅の経験から生まれました。集めてきたオブジェクトやその背景を自分ひとりのものとして抱えていることに次第に物足りなさを感じるようになりました。シンプルなオブジェクトと言葉を通して共有し、実際に体験し、手に取ってもらうことは、自然な次のステップでした。

12年以上ファッションの世界で働く中で、服だけではより深い物語を伝えることが難しくなってきました。自身のブランド〈Sillage〉はいまも大切な軸ですが、オブジェクトにはまた違った親密さがあります。静かにまっすぐに語りかけてくる存在。使われること、時間、そしてつくりによって形づくられた確かな佇まいがあります。テキスタイルや工芸を学ぶ中で、民藝への関心は自然と深まり、長年の収集を経て、ギャラリーでありオフィスでもあるこの空間をオープンすることになりました。〈Galerie 21〉は、私のより大きなクリエイティブな活動の個人的な延長でもあります。

プロフィール

ニコラ・ユタナン・シャルモ

パリ生まれ。現在は東京を拠点とするキュレーター、写真家、クリエイティブディレクター。約10年間日本に暮らし、大手工場と共同で日本限定で生産するアパレルブランド〈Sillage〉を設立した。その後、国際的なブランドとファッションイメージやストーリーテリングを手掛けるクリエイティブエージェンシーを設立し、その後、アンティークと現代のものが並ぶ、クラフトと時間を大切にする空間〈Galerie 21〉をオープン。 作品は一貫して旅の伝統と手作りのものの力を探求している。

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