From Editors
パッと飛んで、ドンと島!
NO.941
2025年8月6日
POPEYE最新号の特集は、夏の島旅。前号「アジア旅」特集から、ポパイはなんとも旅づいておりますね。それもしょうがない。だって、夏なんだもの。タイトルの通り、島旅の魅力はやっぱり、パッ! と飛んで、あるいは船乗って、はたまた電車乗って、目の前にドン! と島が現れるあの瞬間です。「パッと飛んだら、ドンと島だったんですよ〜〜!!!」と、僕の中の街裏ぴんくさんが叫んでいるわけですよ(あのポーズで)。いよいよ、冒険の始まりだなと、こう、言いたくもなってくる。今回の特集では、そんなロマンがたくさん詰まった12の島への旅をご紹介。編集部メンバーは、北は利尻島・礼文島から、南は与那国島まで、全国に飛び立ち、リアルな島のホットスポットを取材してきましたよ。
かく言う僕はしまなみ海道の中の4つの島=向島・因島・生口島・大三島を巡ってきました。島を橋で繋ぎながら、広島県尾道市から愛媛県今治市までを結んでいるこの海道。どうやら最近移住者や若い世代の人々の活躍が目覚ましいらしいと……。特に印象的だったのが因島。大浜という地域では、島出身の20代の農家さんを始めとする移住者も巻き込んだコミュニティと出会いました。彼らはなんてったって、島の外へ発信するアクティブさもありながら、ちゃんと島に根付いているところが魅力的。そして東京からお邪魔した僕らにも分け隔てなく接してくれるんです。お互いにリスペクトを持ち合い、それを伝え合うバイブスが漂っていてなんとも心地よかったな。読者の皆さんと同世代くらいの人たちの島でのリアルな生活がたくさん感じ取れるはずですよ。

取材が終わると「今日の夜はどうするんですか? もし何もなかったらバーベキューしましょうよ! ちょうど近所の人からイノシシの肉もらったんです」と、突如最高のお誘いが。そんなのありがたく頂戴しちゃうわけで……。そして、もちろん夜は長くなるわけで……。美味しく食べて飲んだ後にみんなで見た星空の綺麗だったこと!
そんなわけで、どの島のページも、地元のクラシックなお店から魅力的な新店、人がたくさん登場しております。特集の終わりには、「島旅のしおり」と題した16ページのコラム集がついてます。サーフィンの名所としても知られる東京の離島、新島で(恐らく)初めてサーフィンをしたレジェンドサーファーへのインタビュー。『本の雑誌』(実はPOPEYEと同い年!)創刊人として知られる椎名誠さんがライフワーク的に続けてきた「あやしい探検隊」で旅した無人島の話。3人のミュージシャンが選ぶ至極の島旅のプレイリストに、あんな人の島旅日記。島で飲めるドリンクや、せっかくなら始めたい蝶の採集とか。旅を彩るいろんなことが学べます。ここまで来れば、あなたはすっかり島旅気分。「あとはもう旅に出るだけじゃん」なんて思ってるはずですよ。
それではみなさん、行ってらっしゃい! 合言葉は「パッと飛んで、ドンと島!」。
(本誌担当編集)濱田浩嵩