TOWN TALK / 1か月限定の週1寄稿コラム

【#1】わたしの洋服遍歴

執筆:イモトアヤコ

2025年7月11日

わたしは服が好きだ。
センスなどは一旦置いておいて、「好き」という熱量だけはある。

今でこそネット通販のおかげで、どこに住んでいようと大抵の欲しい服は手に入れる事ができるのだが、わたしが学生の時は、やはり鳥取では買えないブランドもたくさんあった。

雑誌などで見て、憧れて、恋い焦がれて、似たようなもので工夫して、自分なりのファッションを楽しんでいた。
要はTOKYO×洋服に憧れていたのだ。

その反動なのかもしれない。

上京してからは、渋谷の109や原宿界隈をとにかくうろちょろしていた。

買わずとも行くだけで楽しかった。
店員さんや歩く人々を見ては、TOKYO×洋服を満喫していたのだ。

洋服に使えるお金もそんなになかったので、安い古着と組み合わせてみたり、500円の作業用デニムの裾をヘアゴムで縛って形を変えてみたり。
かなりの自己流で楽しんでいた。

一度大学生活が始まる時、いわゆる女子大生になろうとして無理して、当時流行っていたCanCam風の洋服を2ヶ月くらい着てみたが、好きで着るではなく、周りに合わせようとして着ている事に気づいた。

その間は、やはりファッションが楽しくはなかった。

けれど今思うと、あの時の自分も凄く愛おしく思う。
みんなに馴染もうと頑張っていたのだと思う。

少しずつ大学生活にも慣れ、素敵な友人ができ、気持ち的にも落ち着いてきて、徐々にオリジナルの自分が好きなものを着るスタイルになった。

変わらない自分スタイルの人に憧れるが、わたしにとっての洋服はそのときそのときの自分の環境だったり考え方だったりが如実に出るものだと思う。

次回はそんな今のわたしがはまる古着のお話です。

プロフィール

イモトアヤコ

いもと・あやこ|1986年、鳥取県生まれ。2007年より日本テレビ系バラエティ『世界の果てまでイッテQ!』に出演。2009年には日本テレビ系チャリティー番組『24時間テレビ32 愛は地球を救う』でチャリティーマラソンランナーを務め、話題に。バラエティ番組を中心に、TBSラジオ『イモトアヤコのすっぴんしゃん』(水曜23:00〜)や、エッセイ本『棚からつぶ貝』『よかん日和』(ともに文藝春秋)を刊行するなど、活動は多岐にわたる。

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