ファッション
Vintage Shop Guide/FACING THE UNKNOWN 未知との遭遇を求めて。
2025年12月28日
僕らにちょうどいい古着。
photo: Kazuharu Igarashi (1), Shinsaku Yasujima (2), Jun Nakagawa (3), Takashi Hakoshima (4, 5)
text: Kento Nogami (1), Shun Koda (2), Shintaro Kawabe (3), Kohei Kawai (4, 5)
2025年7月 939号初出
せっかく買うなら、こんな店で。
歯医者さんはコンビニより多いなんてよくいわれるけれど、古着屋さんもなんじゃない?
ポパイが東京中を歩き回って、今欲しいと思った古着が見つかったお店を52軒に
厳選して9つのテーマと3つのエリアに分けて紹介します!
見たことのない服の形だったり、知らないブランド
だったり、ボロボロだったり。発見や出合いがある
古着屋さんで新しい自分の扉を開け!
1.渋谷
APOLLO
フレンチやイタリーだけじゃない
深遠なるユーロ古着の世界。
近年のユーロ古着ブームなんて関係なく、創業から20年以上変わらずヨーロッパで我が道を行く買い付けをし続けている老舗の『アポロ』。’60〜’90年代までギミックの異なるフィッシャーマンシャツがラックにぎっしり並び、チロル地方の伝統的な正装であるチロリアンジャケットもひょっこり顔を出す。さらには、これどうやって着るの? と思わずツッコミを入れたくなる’70年代の総柄海パンまで。着方が決まってない服ばかりだから、選ぶのも着るのも全部こっち次第。感性のままに自由に服選びができたらファッションは楽しくなる。
インフォメーション
APOLLO
東京都渋谷区神宮前6-12-7 VORT JINGUMAE B1 ☎03·5467·2957 13:00~19:00、土・日・祝12:00~ 無休
Instagram
https://www.instagram.com/apollo_vintage_clothing/
2.鳥越
WEST MAPS
西海岸から仕入れた珍品、
おもちゃに雑貨、てんこ盛り。
ナイスグラフィックなスケートTシャツやサイクリングシャツといった古着をはじめ、フィギュアにフィルムカメラ、はたまたラジコンまで。アメリカの少年のおもちゃ箱をひっくり返したような、賑やかさがこの店の真骨頂。「カリフォルニアに住んでいた3年間で集めたアイテムを中心に並べてます」と語るのは、店主のケイタさん。箱の中にパッカブル仕様のウェアがどっさり入っていたり、ラックの下にはまだまだTシャツの山があったり、遊び心満点のキーホルダーなどが所狭しと並んだり、どこを見ても飽きがこない。というか、見終われる気がしない……。
ウエストバッグもラックにもりもり。フェスやアウトドアでも使えそう。
着ていれば間違いなく目立つ総柄のサイクリングアイテム。ジャージ¥7,700、シャツ¥6,600、キャップ¥4,500/君ならどう着る?
リフレクター仕様の〈ステューシー×MASH SF〉のTシャツ¥20,900/垂涎級の名コラボ!
インフォメーション
WEST MAPS
東京都台東区鳥越1-26-7 4F
☎070·1523·0415 13:00~20:00 水・木休
Instagram
https://www.instagram.com/west_maps/
鳥越神社から徒歩4分。ゆくゆくはピストやMTBのフレームも販売予定。
3.大宮
HAUS
わざわざ大宮まで行く価値アリ。
まだ見ぬブランドのオンパレード。
大宮で20年営む『ハウス』は、きっと誰も知らないブランドの服に出合える場所。「あまり認知されていないブランドの古着を発掘することも古着の醍醐味ですし、そんなブランドはユニークなものが多いんです」と話すのは店主の松下武裕さん。日本の服をデザインソースとするドイツのブランド〈オスカ〉のジャケットや、民族柄のような模様をあしらうアメリカの〈チコズデザイン〉のシャツなど聞いたことも見たこともないブランドの服がザクザクと出てくる。服のタグに惑わされないでちゃんと服と向き合ったのって久しぶりかも。
ドイツの〈オスカ〉の’90年代のジャケットは、日本の作務衣がモチーフ。素材はこのブランドの真骨頂でもあるリネン。¥22,000/日本味を感じるドイツもの。
オランダのテキスタイルブランド〈プアージャ〉のジャケット。奥ゆかしい柄はプリントかと思いきや、絞り染めによるものだとか。¥25,300/アメリカものにはない鮮やかさ。
インフォメーション
HAUS
埼玉県さいたま市大宮区大門町3-22-2 ☎048·643·7882 14:00~20:00 不定休
Instagram
https://www.instagram.com/takehiromatsushita/
〈ラコステ〉などのトラッドなブランドのものも充実。
4.浅草橋
ALL I NEED
浅草橋であいまみえる
時代を超えた服。
「こうなるまでの経年と時代背景を感じるだけじゃなく袖を通せるボロって、もはや身に纏えるアートですよね」とオーナー池田謙太さん。海外でも“BORO”で伝わるくらい盛り上がっている(P46参照)。2月にオープンしたばかりの『オールアイニード』はそんなボロが目玉。安全ピンで留めた〈カーハート〉や、もはや裏地が表に出てきちゃってるジャケット、元の色がわからないくらい変色したジップフーディーなど、加工やデザインじゃない、時を経たすごみを体感してみないか。
インフォメーション
ALL I NEED
東京都台東区浅草橋4-18-11 ☎なし
12:00~20:00 不定休
Instagram
https://www.instagram.com/all.i.n.ee.d/
東日本橋からも程近い場所に今年の2月にカルチャースペースと銘打ちオープン。
5.湯島
SIRTURDAY
配色センスが他にはない
北欧古着の世界。
いくら古着屋さんが多いといえども、北欧特化型は珍しい。店主の今井悟さんはアメリカの古着店で働いたのち、地元を盛り上げたいと湯島に店を開けた。なぜ北欧? 「北欧古着って色使い一つとっても少しだけ他の国のものと比べて違和感があるんです。トーンもほんのり薄かったり、配色もアメリカとも違う感じが心地よいというか」と今井さん。買い付けは主にフィンランドで。探すと全然出てこないメンズサイズのヴィンテージ〈マリメッコ〉の量は都内随一。歴史が長い分、年代ごとのデザインの変化が面白くてこれは沼っちゃいそう。
インフォメーション
SIRTURDAY
東京都文京区湯島2-7-8 お茶の水労音センター3F
☎なし 14:00~19:00、土・日13:00~ 不定休
Instagram
https://www.instagram.com/sirturday/?hl=ja
アアルト大学グッズも販売中。
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