ライフスタイル

気軽に山に登れない冬、小さな山々を置いてみた。

部屋に置きたい、今気になるもの。全15個。

2024年12月9日

ワンテーマ・オブジェクト


photo: Wataru Kitao
text: Fuya Uto
edit: Toromatsu

 キャンプギアを身近に使い、ULウェアを着て街を歩き、時に環境音楽も取り入れる。都市生活型の僕たちは日ごろから山の空気を欲している。そんなに自然派なら山の写真を飾ればいいじゃん、と言われたらそこまでだけど、この企画だから当然オブジェクトにフォーカスしていきたい。そんなわけで今回は山を置いてみる、という結論に至ったのである。

1. 〈イッカク モザイク〉の山

¥66,000

 窓から鋭峰や稜線を眺める日々はきっと豊かなんだろうな。山梨県北杜市を拠点とする木工作家・井出裕太さんが実際に体感した風景をそのまま落とし込んだ作品を見れば一目瞭然。山が好きだ!という想いがヒシヒシと伝わってくる。W195×H95mm。(イッカク モザイク

2. はっとりこうへいさんの連峰

¥38,500

 彫刻家のはっとりこうへいさんの連峰は、アクリル絵具を100回塗り重ね、その色層を彫り出す「色彩彫刻」というオリジナル技法で形作られている芸が細かい逸品だ。麓の湖まで表現しているのも魅力的。W225×H130mm。(はっとりこうへい

3. 〈ショッキ〉の火山

¥29,000

 2013年にスタートしたセラミックレーベル〈ショッキ〉は、「ま、いっか。くらいの気楽さと自由さ」をコンセプトに手捻りで制作しているだけあって独特の脱力感が持ち味。こちらの逸品は色も相まって火山のよう。Φ100×H160mm。(マトヤ

4. Flying mountain 3 #1

¥要相談

 玄関にあったら迫力満点! 国内外で活躍する彫刻家・コムロタカヒロさんの作品は、「Flying mountain」と名付けられたユニークな壁掛けタイプ。ソフビならではのツルツルとした質感とキャラクターが持つディストピアな雰囲気が見事に調和。W490×H45mm。(コムロタカヒロ

5.〈アトリエ マティック〉のライト

¥38,940

 空間デザイナーの外山翔さんが主宰する〈アトリエ マティック〉より生み出された、山肌を思わせるライト。ロッソマニャボスキというイタリア原産の大理石ゆえのプリミティブな模様が個性的! W150×H90mm。 (ナイスタイム マウンテン ギャラリー)

6. 「上高地」の学術的模型

¥要相談

 ’50〜’60年代に研究機関や博物館で使用されていたと思われる、長野は「上高地」の山岳立体地図模型。もちろん3Dプリンタなどない時代、人の手で極めて精巧に作られた唯一無二のシロモノなのである。W392×H550mm。(アウト オブ ミュージアム

7. 河野源さんのブックエンド

¥41,800

 愛媛に工房を構える木工作家・河野源さんのブックエンド。地元の木材で丁寧に作られたそれは、木目を生かした滑らかな曲線が特徴的。柔らかな佇まいだから、どんなシーンでも活躍してくれそうだ。W255×H195mm。(ムーヴズ

8. 山のような水石

¥6,400

 ゴツゴツとした無骨な山肌が堪らなくクール。こちらは趣味人の境地のひとつである水石。そのまま鑑賞してもいいけれど、もっと楽しみたい方は霧吹きで水をかけ、濡れた石が乾いていくのを眺めてみよう。W250×H180mm。(銀吉村

9.〈honey flamingo〉のフローキャンドル

¥3,960

 色味といい形といい完膚なきまでメルヘンな山も捨て難い。韓国発のキャンドルブランド〈honey flamingo〉のフローキャンドルは置くだけでも楽しめるけれど、灯したときに自然と流れるワックスこそ真髄なのかも。Φ100×90mm。(ジェネラルファニシングスアンドコー

10. 高野夕輝さんの日高山脈

¥要相談

 今すぐ仕事をサボってあの険しい山にアタックしたい、と思わず迷ってしまうほど眼前に山がありありと浮かんでくる造形美だ。熊の木彫り作品で知られる北海道十勝の彫刻家・高野夕輝さんのアートピース「雪の日高山脈」。W178×H140mm。(高野夕輝

11.〈HOYA〉のクリスタルガラス

¥12,400

 その姿、氷山のごとき。1941年に創業した日本を代表する光学レンズメーカー〈HOYA〉が戦後に江戸切子職人とともに制作した装飾品は、水晶のように輝く無色透明な様子から通称「クリスタルガラス」とも呼ばれている。W120×100mm。(銀吉村

12. 昭和期の富士山

¥要相談

 はじめて山モチーフの置物を取り入れるなら、日本の山のシンボル的存在である富士山なんてどう? とはいえ人と被る可能性が高いお土産品は避けたいが、昭和期に作られたこれは絶妙にクセがあってイイ。W230×H145mm。(アウト オブ ミュージアム

13.〈イッタラ〉のキャンドルホルダー「TRILLI」

¥4,950

 美は細部に宿るとはこのことか。一見普通のキャンドルホルダーに見えるけれど、よーく見れば高く険しく聳える8つの氷山を見事に表した神秘的なデザイン。1987年にミッコ・カルッパネンによって手掛けられた。W110×50mm。(ENN)

14.「妙高山」の山岳立体地図模型

¥11,880

 古来よりその厳かな姿から山岳信仰の山として崇められてきた「妙高山」の山岳立体地図模型。作り方は単純で、輪切りにされた山のパーツ(クラフト紙)を順番通りに積み重ねて作っていくだけ。机上で完結する山遊びがここに。W300×53mm。(やまつみ

15. ’80年代ドイツ製の知育玩具

 自然の象徴である山は、ビート文学のケルアックやスナイダー、そしてサイケデリック文化に多大な影響を及ぼしてきた。山を辿るとかつての精神文化史が見えてくるわけだが、’80年代にドイツで販売されたコレなんてまさにその文脈。これぞ知育玩具。(POPEYE Webアーカイブ)