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ダイヤモンドの輝きを自分のものにするには。 – FINDING HARRY WINSTON
Chapter Ⅵ
2021年6月9日
photo: Shunya Arai, Hirokazu Kobayashi, Kazufumi Shimoyashiki, Masuhiro Machida illustration: Hitoshi Kuroki styling: Shinichi Sakagami grooming: Yoshikazu Miyamoto text & edit: Ryoko Iino, Tamio Ogasawara
多くのシティガールは、大切な人から〈ハリー・ウィンストン〉を贈られることを夢見るのと同時に、それがゴールじゃないことを心得ている。彼女たちにとって肝心なのは、ダイヤモンドにふさわしいレディになること。ならば、そのレディとは一体どのような人なのかを考えるために、〈ハリー・ウィンストン〉を身に着けた美しい先輩たちの姿を振り返るとしよう。

エリザベス・テイラー|1932年、イギリス生まれ。2011年没。彼女が所有した「テイラー・バートン・ダイヤモンド」は、〈ハリー・ウィンストン〉が241カラットの原石からペアシェイプにカットした伝説的なアイテム。
かつて40歳の誕生日に、夫から69.42カラット(!)のダイヤモンドが贈られたのは、ハリウッド黄金時代の名優エリザベス・テイラー。「偉大な女性には大きなダイヤモンドが必要よ」なんて言葉を残した彼女は、「40歳くらいになると内面が外見を作るようになる」とも語るようになる。宝石を体の一部のように愛した彼女にとっては、きっとダイヤモンドも年輪的存在。幼少から女優としてプロフェッショナルを貫き、生涯で8度結婚をした彼女の人生の濃さから考えると驚愕の69.42カラットも相応だった。

ジュリー・アンドリュース|1935年生まれ。1964年に『メリー・ポピンズ』で長編映画デビュー。アカデミー賞やゴールデングローブ賞の主演女優賞をはじめ、数々の映画賞を受賞。英国王室から大英帝国勲章を授与された。
一方のジュリー・アンドリュースは、映画『メリー・ポピンズ』や『サウンド・オブ・ミュージック』で評価された歌声を医療ミスで失った苦節の大御所だ。彼女が2001年のアカデミー賞の際に身に着けたのは、楽譜の五線を思わせる4列に連なった繊細なダイヤモンドのネックレスと、“エーデルワイス”のようなイヤリング。歌声をダイヤに託したような彼女らしいデザインを見て、やはりダイヤモンドは年輪なのだと確信。

ナンシー・レーガン|1921年、ニューヨーク生まれ。2016年没。アメリカ合衆国元大統領である夫ロナルド・レーガンと同様に俳優の経歴を持つ。ファーストレディ時代のファッションは多くの女性に影響を与えた。
レーガン元大統領夫人のナンシー・レーガンは、国の代表として常に最高の装いを心がけたアメリカンエレガンスの人。強固なダイヤモンドは覚悟と愛の象徴であることを教えてくれるかのように、愛する夫の大統領就任パーティでは〈ハリー・ウィンストン〉のジュエリーを着用した。ダンスの際に夫に向けた彼女の眼差しは、ダイヤのような眩しさだった。

ダイアナ元妃|1961年生まれ、1997年没。妃が1983年の訪豪の際に着用したネックレスは、1967年にサウジアラビアのファイサル国王が英国を訪問した際にエリザベス女王に贈った〈ハリー・ウィンストン〉のもの。
年齢を重ねていなくとも、贅を尽くしたジュエリーに引けを取らないのがダイアナ妃。公務でオーストラリアを訪れた際に彼女の首元を飾ったのは、エリザベス女王のコレクションから借りた貴重な〈ハリー・ウィンストン〉のネックレス。それでも彼女の姿はカジュアルスタイルと変わらず、自然体。ダイヤモンドを前にして特別な気持ちになるのは当然だけど、恐れる必要もないのである。
境遇もファッションの趣向も様々な4人だが、ひとつ言えるのは自分だけの譲れない何かを持っているってこと。それさえあれば、どんな大きさのダイヤモンドの輝きも本当の意味で自分のものにすることができるようになるはず。いつか身に着ける日を夢見て。
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