フード

セビーチェに、ポテサラを添えて。

定番料理のニューディール。Vol.6

photo: Haruki Anami
illustration: Cari Vander Yacht
text: Ryota Mukai
2024年10月 930号初出

2024年9月10日

 本誌で始まった新連載「定番料理のニューディール」。みんなが好きなお決まりのメニューを再考し、カンタンに、そしてちょっとお洒落に作る方法を料理人の原川慎一郎さんが提案します。POPEYE Webではそのレシピをムービーでご紹介。第6回はセビーチェ!

パクチーとレモンが香る一皿。ポテサラに魚をのせて口に運ぶと、しっとりしたじゃがいもとプリプリのヒラマサの食感の違いが面白い。「付け合わせは〈カークランド〉のオーガニックトルティーヤチップス。軽やかで食も進みます」

– 材料(2人分)-

・じゃがいも 2個
・ヒラマサ 150g
・赤玉ねぎ 1/4個
・パクチー 2本分
・レモン 1/2個
・にんにく 1片
・卵黄 1個
・酢 1
・塩 適量
・菜種油 180㎖
・チリパウダー 適量
・クミンパウダー 1/3
・クミンシード 1/3
・オリーブオイル 適量

– 作り方 –

1. じゃがいもの皮をむき、水を入れた小鍋に入れて火にかけ茹でます。水に軽く塩を入れておきましょう。竹串がスッと刺さるようになったら取り出します。

2. ヒラマサをカットします。目安は1.5㎝角くらい。マリネすると少し小さくなるので、気持ち大きめにしておくのがおすすめです。

3. マリネしていきます。ボウルにヒラマサ、塩(4つまみ)、チリパウダー(小1/3)、クミンパウダー、にんにくのすりおろし、レモンを搾って加え混ぜます。塩はレモンの香りに負けないよう多めにふりましょう。レモンは果皮を握り、果肉をグッと押してください。魚が白くなってきたらOKです。

4. 別のボウルに卵黄、酢、塩(小1/4)を入れ、菜種油を少しずつ加えながらかき混ぜ続ける。これでマヨネーズができます。また別のボウルでみじん切りにした赤玉ねぎ(1/8個)とパクチーの茎、クミンシード、レモン果汁、塩(ひとつまみ)をよく混ぜておき、マヨネーズと和える。

5. 赤玉ねぎ(1/8個)をスライスし、3に加え軽く和えましょう。シャキシャキの食感を残したいのでこの段階で入れます。

6. 1のじゃがいもはバットなどに入れて粗熱を取っておきましょう。そして5をマリネして置いている間にカットしていきます。お好みのサイズでOKです。今回はごく簡単に輪切りにしました。カットしたら、4で作った特製マヨネーズが入っているボウルに入れて混ぜ合わせます。このときにボロボロになってしまわないために、じゃがいもを茹でるときは煮崩れさせないよう注意が必要なんです。

7. 盛り付けです。ポテサラを敷き、セビーチェをのせましょう。パクチーの葉を添え、チリパウダー、オリーブオイルをかけて完成です。

– 今月の古来種 –

セビーチェに、ポテサラを添えて。

ながさき黄金

名前のとおり長崎の在来種。じゃがいもの品種「インカのめざめ」から派生したもので、より病気に強いとされる。「しっかりした甘味が特徴です。これを使って長崎県限定のポテトチップスが作られたことも」

古来種野菜とは? 品種改良されず、日本各地の畑で長きにわたり受け継がれてきた種の野菜のこと。在来種ともいわれる。「野菜の民芸品のようなものです」

– 小さな流儀 –
ピーラーは小回りが利いてこそ。

 じゃがいもの皮を手際よくむくには、ピーラーは小さいほどいい。原川さんが使っているのはフランスの老舗キッチン道具メーカー〈ノジャン〉のダブルエッジピーラー。現地のマルシェでまとめ買いしたもの。

プロフィール

セビーチェに、ポテサラを添えて。

原川慎一郎
『BEARD』店主

はらかわ・しんいちろう|1978年、静岡県生まれ。長崎県雲仙市でレストラン『BEARD』を営む。北海道函館市のカフェ『cafe water』のオーナーでもある。

Instagram
https://www.instagram.com/beard_shin_harakawa/