フード

ローカル飯を求めて。“国民の台所“ホーカーで食い倒れ。

@シンガポール

2024年7月22日

僕の熱帯アジアひとり旅


photo: Kazuharu Igarashi
coordination: Ayako Tada
interpreter: Kazuyo Wood
text: Nozomi Hasegawa
2024年8月 928号初出

 この国に来て絶対に食べたいと思っていたのは名物の海南チキンライス。シンガポール好きの友人から「何を食べるか迷ったら行列ができてる店を選べば間違いない」と言われてたけど『Seng Heng Hainanese Boneless Chicken Rice』はまさにそんな店。オープン時には隣の隣のお店くらいまで列が延びていたので、並んだ分の期待も含めて一口、その想像を遥かに超えてしまうほど美味しかった。バクチョーミーやチャー・クイ・ティオなど「なにそれ?」な料理にも積極的に挑戦。多文化国家の強みはどうやら食に表れているようだ。独断と偏見のベスト10をどうぞ。

私的ベスト10はこれだ!

01. Seng Heng Hainanese Boneless Chicken Rice
センヘン・ハイナニーズ・ボーンレス・チキンライス

S$6.70

 旅の中で一度は食べたいシンガポール名物の海南チキンライス。その名店を都心部よりやや西にある「Bukit Timah Market & Food Centre」内で見つけた。チキンは、ふっくらでプリッとした食感のスチーム(蒸し)と臭みがなく皮がパリッとしたロースト(丸焼き)のどちらか、もしくはその両方から選べる。ご飯はチキンスープで炊いているので、そのまま食べてもうまい。「欲張りすぎ?」と思いつつ、2種類のせに燻製卵プラスで注文。ごま油が効いたタレをまとったチキンは思いのほかさっぱりとしていて、余裕で完食。むしろもっと食べられるかも、と思ったほど。

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ローカル飯を求めて。“国民の台所“ホーカーで食い倒れ。

センヘン・ハイナニーズ・ボーンレス・チキンライス

鶏肉の下処理がとっても丁寧。営業時間内でも食材がなくなり次第閉店。

◯51 Upper Bukit Timah Rd., #02-177 Market & Food Centre, S 588215 11:00~15:00 日休

02. 88 Hong Kong Roast Meat Specialist
88香港ローストミートスペシャリスト

S$8.80

 かつては金物屋やねじ工場が軒を連ねたラベンダーエリア。下町情緒残るこの街の名もなきコーヒーショップを覗いてみたら、香ばしいにおいが食欲をそそってきた! その正体は、香港式ロースト肉の専門店。チャーシュー、鴨肉、ローストポークを主に扱っているようで、迷いに迷って今回はチャーシューと鴨肉のせをオーダー(トリプルのせもできるけど!)。弱火のオーブンでじっくり2時間火入れした肉は、ジューシーかつ軟らかい仕上がり。かなりボリューミーだけど、甘くこってりとしたタレが白米まで染み込んで、ご飯が進む!

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88香港ローストミートスペシャリスト

3種類注文すると11ドル。ここは支店で、本店のLavender Street店には麺料理もある。

◯153 Tyrwhitt Rd., S 207566 10:00~20:00 無休

Instagram
https://www.instagram.com/88hongkongroastmeatspecialist/

03. Lao Zhong Zhong Fine Spice Stall
ラオ・チョン・チョン・ファイン・スパイス・ストール

S$8

 ショーケースに並ぶ10種類以上の揚げ物の中から、自分で好きなものを選んでお会計するスタイルの店(カットは店主がやってくれる)。湯葉に包まれた肉をカリカリに揚げたNgoh Hiangや、手作りソーセージ、イカのすり身、エビのフリッター、揚げ豆腐など、気になるものばかりで、ついつい取りすぎてしまった。サクサク、ジュワッ、モチモチと、食感も最高な揚げ物たちは、そのまま食べても、チリソースをつけても美味しい。氷たっぷりでキンキンに冷えたタイガービールと合わせたら……そこはもう楽園です。

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ラオ・チョン・チョン・ファイン・スパイス・ストール

いっぱい頼みすぎてしまっても大丈夫。食べきれなかったときは店に持っていけば50セントで持ち帰り用の梱包をしてくれる。

◯29 Tai Thong Cres, S 347858 11:00〜23:00 月休

04. Sungei Road Laksa
スンゲイ・ロード・ラクサ

S$4

 海鮮で出汁をとったココナツベースのスパイシーなスープに米粉麺を合わせたラクサは、麺が短いので箸ではなくレンゲですくって食べるのが一般的。炭火で温めたスープを一口すすればクリーミーな味わいが広がり、そこから時間差で喉をギュッと掴むような爽やかな辛味がやってくる。どんぶりの縁に付いている真っ赤なタレは、エビペーストと唐辛子を合わせたサンバルペースト。見た目とは裏腹に辛味はほぼなし、むしろコクを深めてくれたような。お昼どきは長蛇の列になることもあるので、午前中に訪れるのがおすすめ。

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ローカル飯を求めて。“国民の台所“ホーカーで食い倒れ。

スンゲイ・ロード・ラクサ

小さめサイズで人によっては一食に足りないかも。スープやフィッシュケーキ(日本でいうかまぼこ)は1ドルで追加できる。

◯27 Jalan Berseh, #01-100, S 200027 9:30〜16:00 水休 

05. Zion Road Fried Kway Teow
ザイオン・ロード・フライド・クイ・ティオ

S$6

 目当てのお店が休みで落ち込んでいたら「今朝、僕のタクシーに乗ったよね?」と奇跡的にタクシー運転手さんと再会。「角で行列を作ってるお店の麺料理も美味しいよ!」と薦めてくれたのが、“チャー・クイ・ティオ”という黒い焼きそばだった。その特徴は、平たい米粉麺と細めの小麦麺を使用していること。すすれないほどモッチモチの麺たちを、もやしや魚のすり身、卵、貝を一緒に甘辛い黒醤油で炒めていて、見た目同様、味もジャンキー。メニューはこれひとつで、3サイズから選べる。小でも十分お腹いっぱいになった。

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ザイオン・ロード・フライド・クイ・ティオ

注文を受けてから調理するので、購入までに30分ほど並んだ。

◯70 Zion Rd., #01-17 Zion Riverside Food Centre, S 247792 12:30〜15:00・15:30〜21:00 火・木休 

06. Jin Xi Lai
ジン・シー・ライ

S$6.50

 リトルインディア近くのコーヒーショップ「Yi He Eating House」の一際目立つ店が提供していたのは、“バクチョーミー”と呼ばれる、豚のひき肉麺。臭みが一切ないフワフワの豚ホルモンと豚バラ、ひき肉が入っていて、その味はちょっと癖のあるとんこつラーメンのスープ、といった感じ。すでに麺が入っている「スープ」と、麺とスープが別々になっている「ドライ」のどちらかを選べるけれど、初めての人はぜひドライに挑戦してみて。黒酢ダレがかかった平麺は、ミーポックと呼ばれていて、酸味強めの独特な味が癖になった。

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ジン・シー・ライ

提供するのはこれひとつのみで、店頭にはメニュー表がなし。シンプルな黄色の看板が目印。

◯638 Veerasamy Rd., S 200638 7:30〜14:00 無休 

07. GEYLANG LORONG 29
ゲイラン・ロロン29

S$6〜20

 またまた知らない名前の料理を発見。その名も“ホッケンミー”。中国の福建省で生まれ、徐々に東南アジアに浸透していった料理で、シンガポールでは黄麺という中太の卵麺を使用している。卵やニラ、イカを一緒に海老の出汁で炒めることで、旨味が凝縮してクタクタッとなった麺なんて……美味しいに決まってる! ライムをギュッと搾れば、さっぱりとした味わいに。シンガポールのストリートフードの中でいちばん日本人の舌に合うのはこの料理かも。チャンギ空港と都心部の中間にあるので、到着時か帰国前が寄りやすそう。

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ゲイラン・ロロン29

もともとは都心に近い場所にあったが最近移転。現在は、コーヒーショップ「Siglap 936 Food House」内にある。

◯936 E Coast Rd., S 459129 12:00〜20:00 月休

08. Hup Kee Fishball
ハップ・キー・フィッシュボール

S$5

 都心部からは地下鉄で30〜40分ほど。公団住宅や緑が多く、ローカル感の強いエリアにわざわざ足を運んでまでも食べたいのが、フィッシュボールヌードルと呼ばれるスープ&麺料理。あおさ入りの熱々出汁スープがとにかく優しくて、魚を丁寧にほぐしてミンチ状にした自家製フィッシュボールや揚げたかまぼこは滑らかでプリプリ。麺はドライかスープから選択できるけど、今回もドライをチョイス。辛口ブラックソースがかかったドライミーポックには、豚ひき肉やカリッカリの揚げたラード入り。ガッと豪快に混ぜて食べよう。

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ハップ・キー・フィッシュボール

お昼前には営業終了。この日はすぐに購入できたけど、日によっては1時間以上並ぶこともあるみたい。

◯158 Ang Mo Kio Ave. 4, #01-590 S 560158 8:00〜12:00 月休 

09. Beo Crescent Curry Rice
ベオ・クレセント・カレーライス

S$6.5

 看板がなく「No Name Hainanese Curry Rice」とも呼ばれる海南カレーの名店は、ソースが数種類並ぶショーケースを探せば見つかるはず。トッピングは自分で選ぶスタイルで、名前がわからないときには指さしでOK。店員さんの手捌きが早すぎて焦りながらも、定番の卵と、豚スライスを揚げたクリスピーポーク、クタクタに煮たキャベツ、イカをオーダー。ご飯にグレイビーソースをはじめとする4種類のソースをドバッと勢いよくかけて渡してくれた。辛い、甘い、辛いが交互にやってきて、食べている間はずっと楽しい!

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ローカル飯を求めて。“国民の台所“ホーカーで食い倒れ。

ベオ・クレセント・カレーライス

「Beo Crescent」という名の公団住宅に隣接するコーヒーショップ。そこの住人たちがやって来て朝から賑わいを見せていた。

◯40 Beo Cres, S 160040 7:00〜14:30 水休

10. Zhi Wei Xian Zion Road Big Prawn Noodle
ジ・ウェイ・シャン・ザイオン・ロード・ビッグ・プラウンヌードル

S$13

 海老好きは必ず訪れて! シンガポール川沿いのホーカー「Zion Riverside Food Centre」で食べられるのは、海老の旨味をギュンギュンに感じる麺料理。海老の殻と豚骨、鶏の骨で出汁をとったスープは超濃厚で、そのお味は想像しうる屋台飯のクオリティを遥かに超えている。価格はトッピングの海老の大きさによって、8、13、20、28ドルと変化。目の前に並んでいた常連さんが「13ドルでちょうどいいと思うよ」と教えてくれたので言われるがまま注文したら、想像以上に大きくて豪華な海老が4尾も入ってた。す、すごぉ〜!

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ジ・ウェイ・シャン・ザイオン・ロード・ビッグ・プラウンヌードル

麺はドライかスープを選択できる。ビブグルマンにも選出されていて、この店もオープン前から大行列が。

◯70 Zion Rd., #01-04, S 247792 11:30〜15:00・18:30〜22:00 月休