ライフスタイル

バードハウスで自然の音を生活に取り入れる。

今日から僕は、ヘルシーボーイ。

2024年6月21日

カラダにいいこと、なにかしてる?


photo: Keisuke Fukamizu, Makoto Ito, Aya Muto
text: Ku Ishikawa
2024年7月 927号初出

 気持ちの良い眺めの部屋に住んで、ベランダに洒落たバードハウスを置いてみたいと思う。鳥のさえずりで目を覚ます生活。コンクリートに囲まれた僕のアパートの一室に小鳥がやってくる可能性は低いけれど、いつか自然の音を生活に取り入れてみたいんだ。

場所を変えたら作るものが変わるって、
すごく健康的かなって。

高橋主馬
木工作家

 この春にコンクリートジャングル東京から軽井沢に越した木工作家の高橋主馬さんは、転居を機に家に自作の餌台を吊るしたり、家の前にある大きな木にバードハウスを設置するようになった。もともとキャンプや釣りが趣味で自然が大好きだった彼は、鳥と戯れるために設置場所や餌の研究を重ね、今では「餌くださーい」とでも言うように、毎朝シジュウカラがやってくる。朝起きて窓から鳥たちを眺めるのが日課になったという。

基本的に作品に色は塗らない高橋さんだが、今回はネジなどの金具部分を白くペイント。小さいけれど、木目とのコントラストが素敵だった。バードハウス¥25,000※予定価格(@kazuma_takahashi8

いつも作っている木の器の左右にワイヤを通した簡易的な餌台。家の目の前が湖で、そこに揺れる様も素敵。

 懐いてくれたシジュウカラのためにバードハウスをデザインし制作した高橋さん。木材は経年変化の起きやすいブラックチェリーを使っている。「外に置くとどうなるかまだわからないんですが、お皿として使っていると飴色に変化します」。特徴的なのは屋根部分のエッジ。上から見ると、大きなビスケットみたいですごくかわいらしい。「バードハウスができたら、家の前のズミの木に設置したかったんです。白い花に紛れて鳥たちが舞っていたら絵になるし、赤い実を付けるから鳥たちも自然に集うんじゃないかなって」。寄ってくる鳥が増えれば、バードハウスのレパートリーも増えるかも? それくらい鳥に魅了される高橋さんであった。

陶器でできたバードハウスって
見たことないでしょう?

陶器のプリミティブさを生かすため、屋根を付けずに制作。結果、四角や丸といったシンプルな幾何学的な造形になったという。陶器の荒々しさとフォルムのかわいらしさのギャップがいいよね。オブジェとしても飾りたい。¥14,300(Playmoutain☎03·5775·6747)

壷田和宏
陶芸家

 陶芸家の壷田さんは、年初に『Playmountain』での展示を機に、陶器製のバードハウスを発表した。「普段は土鍋や器などの道具を作ることが多いんですが、もう少し遊びのある生活用品を作ったらどうかと、提案してもらったんです」。壷田さんが住むのは、宮崎県高千穂町の山間部。カッコウや、アオゲラ、ヤマガラ、夜鷹やフクロウなど、幅広い種類の鳥たちが生息しているという。「バードハウスを作るとこれまで以上に、一日中聞こえる鳥の声が楽しみで。最近、家の前に吊るしたので来年にかけて巣ができるのが待ち遠しいですね」