カルチャー

Apple Vision Proをバーチャルヒューマンのimmaが体感。

@Apple Park

2024年6月26日

 6月28日に日本でも発売がスタートするApple Vision Pro。6月9日に開催されたWWDC 2024(開発者向けの発表会)に参加し、Apple Vision Proを体験してきたバーチャルヒューマンのimmaにインタビュー。

ーーデモンストレーションに参加してApple Vision Proに触れてきた直後ですが、まずは感想をお聞かせください。

「まじっ?!」の連続でした笑。
視線でカーソルを動かしたり、空中をつかんでスクロールしたり、経験したことがない動作がとにかく新鮮で。初めての身体の使い方なのにスムーズに動かせたのは驚きました。操作性に関しては正直に言うと少し期待していない部分があったのですが、細かいところまで視線だけで操作できて、全く違和感がなかったです。

指をタップしたり、空中をつかんで引っ張ったり、独自のジェスチャーで操作する。

ーー確かに小さなクローズボタンですら視線を送るだけで直感的に選択できました。アプリで印象に残ったものはありますか。

 Apple Immersive Videoのスポーツ観戦は特にワクワクしました。サッカーの試合をゴールネット裏やタッチライン際の視点で観ることができたり、崖と崖を綱渡りする人を真横から眺められたり。今まで見たことがない側面から映像を味わったときに、新たなエンタメとデジタル世界の可能性を感じました。

ーー受け手として楽しいのはもちろんですが、クリエイターの方にとっては “自分だったら何を作るか”と刺激を受けるようなデモンストレーションでしたね。

 デジタルの特徴のひとつは、現実の限界を超えられることだと思うのですが、Apple Vision Proはまさにそれを手伝ってくれる存在で色々と空想が広がりました。カメラロールの動画が3Dに見えるのも、すごいリアルでしたし、そのようにデジタル世界がただスマホやテレビのボックスの中に存在してそれを「観る」のではなく、デジタル世界を「体感」できるコンテンツが増えると思いました。例えばビリーアイリッシュのライブをスマホで見るのではなく、ライブ席にいるような体験、あるいはビリーアイリッシュ自身の視点からライブが見れたら?など色々妄想が止まりません。

ーー確かにApple史上初の3Dカメラの写真や空間ビデオは質感がリアルすぎて、なかなか会えない友人や家族が映し出されていたら……と考えるだけでグッとくるものがありました。

 あそこまで没入感があると人の目線をコミュニケーションにすることも将来的にはできると感じました。人間が得る情報のなかで視覚は80%を占めると言われていますが、例えば、人と人がコミュニケーションする中でその視覚を利用して、メッセージを伝えるとかもありえそうですね。敵対している人に自分が見ている景色を共有することで誤解が解けたり、言葉では表せない思いが伝わって世の中の争いが減るんじゃないかと思ったりもしました。デジタル世界が言語を超えた新たなコミュニケーションのツールになるかもしれないですよね。

3Dカメラ撮影の他、visionOS 2では過去に撮影した2D画像を空間写真に変換してくれる機能もある。

ーーApple Vision Pro以外では何が気になりましたか。

 新しいmacOS SequoiaでiPhoneの画面をMacで操作できるのは個人的にとても盛り上がりました笑。仕事柄、毎日AirDropで大量の写真をiPhoneからMacに移行しているので、ドラッグでデータを移行できる機能はかなり助かります。

iPadOS 18ではApple Pencilで書き込んだ計算式を解答してくれる計算メモ機能など、新しい計算方法が可能になった。

ミラーリング機能を使うと写真やビデオを簡単にドラッグ&ドロップできる。

ーーimmaの活躍とソフトウェア、ハードウェアの進化は切っても切れない関係だと思いますが、バーチャルヒューマンとして今回のWWDCで感じたことがあれば教えてください。

 真っ先に感じたのは、このApple Vision Proの中に一刻も早く入りたい!って思いました笑。私自身バーチャルな存在なので、とても相性がいいと感じていて、実はそういう作戦も練っている最中なんです。これが当たり前の世界になればバーチャルは日常化しますよね。そういう時代になるのはとても楽しみです。
ただ、一方で最近感じるのは、バーチャルの価値が表現されればされるほどに、リアルの価値が高まっていくことも感じています。immersive体験が増えていることもそういうことだと思っています。つまり「感動体験」をどう生むかですね。
なので、今後はバーチャル体験が基本的体験に置きかわり、リアルでの体験がよりリッチ体験になっていくことになると思っています。
まぁApple Vision Proはもはやもうリアルと変わらないクオリティですけどね笑。
なので、リアルイベントは本当に強いなと思いました。何千人ものアップル従業員、外部のエンジニア、学生などが集まって未来のことを考えて熱狂する場じゃないですか、WWDCって。プレゼンを聞きながら、後ろに座っていたエンジニア?の学生たちが新機能が発表されるたびに熱狂で叫んでいるのが聞こえました。それはやっぱりリアルで集まってしか生まれないこともあるし、オンラインではなく、まだ全然リアルでやる意味がありますし、そのリアルイベントでしか得れないインスピレーションは絶対にあるなと感じました。
そういう集まりや人と人が繋がる感動はバーチャル世界だとすでにゲーム世界に存在していると思いますし、あたしもゲーム世界やApple Vision Proの世界に入り込んで、感動するものを作っていきたいと思いました。

ーー最後に初めてのApple Parkはどうでしたか。

 WWDCのプレゼン中、目の前にウォズさんやティム・クックさんが座っていて、一緒にプレゼンを見れたのが印象的でした。あと、Apple Parkで出会った人、全員笑顔なのがすごい印象的でしたね。

プロフィール

imma

ピンクのボブスタイルが特徴のバーチャルヒューマン。国籍、年齢、性別非公開。SNSの総合計フォロワーは150万人。

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