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古着ノリでオールドMTBに乗る。カジュアルなマニアが手掛けるお店。

あの人のあの店で買いたい。Vol.3

2024年5月25日

photo: Koh Akazawa
text: Naoto Matsumura
2020年11月 883号初出

 さて、結局、どこでなに買おう? 強烈な個性を放つ店主と話していたら、自ずとマイ・ベストが見えてきた。

『CRUMB CYCLES』
@中野

大型自転車買い取り店から独立。昔から仲間うちに「そんなに古いMTBばかり集めてどうするのか」と言われていたらしい。

 近年ブームのオールドMTBシーンを牽引する、今年で32歳の松本圭太さん。ネットビジネスから拡張し、満を持して昨年の8月にお店をオープンした。「オールドMTBは古着でいうと、ヴィンテージではなく、掘り出し物や、懐かしアイテムみたいな立ち位置。子供の頃に与えてもらった自転車にもう一度出合えたような」と少年のような笑顔で話す。店にはレトロな鍵などの中古パーツを雑多にまとめたハードオフ的なコーナーがあったり、コミックやテレビゲームにまつわるおもちゃが飾られていたり、売っていたり。店全体的に古着屋的なノリがあって、ニヤリとしてしまう。有名ビルダーのヴィンテージとも言い難い年代のフレームや、B-BOY的な書体の〈キャノンデール〉のMTBなどを見ると、発見した感を覚える。

オールドMTBの他、〈クラストバイク〉など、現代のグラベルやアドベンチャーバイクも扱う。型にハマって山を走るのもいいけど、子供のときのように立ち漕ぎで街を走りたくなるような懐かしカラーのMTBに出合える。

ゆるくてセンスの良いオリジナルステッカーがたくさんあり、店でコーヒーを買うとステッカーくじを引けたりもする。キラカードもある。

1. CANNONDALE / KILLER V

太フレームとオレンジが印象的な’97年式〈キャノンデール〉のMTBをカスタマイズ。元はオールドマウンテンだが、古いパーツを使いつつ、フロントバッグなど今のものを組み合わせることで、現代的なアドベンチャーツーリングバイクへとスタイルを変えている。幅広のドロップハンドルで、キャンプライドにも最適。¥200,000

2. RALEIGH USA / POLICE SPECIAL

〈ラレー〉の’92年式のもので、名前のとおり、アメリカの警察が使っていたというなかなかお目にかかれないモデル。フロントにサスペンションフォークが付いていたザ・’90sのマウンテンだったものを、今っぽくカーゴバイクにしている。前輪のタイヤを極端に小さくしてカゴをのせたルックスがなんともダサかわいい! ¥200,000

3. GARYFISHER / MONTARE

『クラムサイクル』のスタッフが乗っている愛車。ビーチクルーザーにゴツめのタイヤとギアを取り付けた改造車で山を登った、MTBの父といわれるゲイリー・フィッシャーが’80年代中期にデザインしたもの。クランクやディレイラー、ブレーキレバーなどもオールドものを使用。全部でだいたい10万円強くらいの金額。参考商品

インフォメーション

古着ノリでオールドMTBに乗る。カジュアルなマニアが手掛けるお店。

CRUMB CYCLES

〈CRUST BIKES〉〈BrotherCycles〉〈Sinewave Cycles〉〈widefoot〉〈BXB〉〈HUNGLY〉など、得意のオールドMTBと同じノリで楽しめるような現代バイクも豊富に扱っている。ネット販売も充実の品揃え。

◯東京都中野区中央4-42-11 ☎03·6338·0537 11:00~20:00 月・木休