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オールドBMXの幅もさらに広げて、“みんなの”自転車屋として新稼働した。

あの人のあの店で買いたい。Vol.1

2024年5月23日

photo: Koh Akazawa
text: Naoto Matsumura
2020年11月 883号初出

 さて、結局、どこでなに買おう? 強烈な個性を放つ店主と話していたら、自ずとマイ・ベストが見えてきた。

『MIN-NANO』
@世田谷

自転車整備士の免許も持つ竹田さんが加わったことでパワーアップ。この免許があると、メーカー在庫の取り寄せがスムーズに行えたりするという。爽やかに見えて頼もしい!

 Tシャツやキャップと同じテンションで「普通に欲しいなぁ」と思うBMXがいつも置いてあった『ミンナノ』が、実は今年4月にアパレルと店舗を別々に分け、自転車専門店としてリニューアルオープン! 笑顔がチャーミングな技師、竹田健太さんが店に立っていた。「竹田くんが加わったことで、カスタムのデザインと生産が効率的になった」とオーナーの吾郎さん。確かにMTBやミニベロ、コミューターなど幅が広がっている。しかし、好きな映画や服装などカルチャーという共通言語で話をしながら好みの方向に近づけられるのは変わらず。「難しいカスタムにもチャレンジし、ママチャリの修理も大歓迎です!」と竹田さん。フラッと行ける“街の自転車屋”であり、コアな注文も受け付ける。こういう店が意外となかったんだよね。

BMXは吾郎さんの十八番。やはり映画『E.T.』は外せない。

「修理も喜んで」になった。取材中ママチャリのスタンドを修理に来た主婦に対して、さらりと竹田さんが調整。「お代は大丈夫です!」と笑顔で対応。「近くに街の自転車屋がないからどんな人でも頼ってほしい」と意気込む。主婦も好きになりかねない。

1. LINUS / DUTCHI-3-SCHOOL

コミューターバイク(街乗り用自転車)を現代に浸透させたとされる、2009年カリフォルニア発の〈ライナス〉のフレームをベースにカスタム。女性も乗りやすいミキストフレームで、泥除け、ペダル、サドル、グリップなどあらゆる部分を『ミンナノ』流にバージョンアップ。日本でいうママチャリがグッドな面持ちに。¥137,200

2. KUWAHARA / ALLEY CAT

ご存じ、映画『E.T.』にも登場する、BMXとしての認知度が高いブランド。こちらはグッドコンディションで手に入れたという’80年代半ばの珍しいMTBタイプ! 必要最小限のカスタムにとどめていて、オリジナル感も色濃い。元はアメリカの子供用に作られたフレームサイズで、日本の小柄な成人男性にちょうどいい。¥78,000

3. PEUGEOT / COM20 MERLE

フランスの老舗メーカー〈プジョー〉の’70年代のミニベロ。ほぼデッドストック状態のものをベースに〈アレックスリム〉のホイールや、〈ホワイトインダストリーズ〉のシングル用フリーギアなどを使って、爪の先までチューンナップしている。フランスのクラシックミニベロなのに、BMX的な雰囲気もあって面白い! ¥350,000

インフォメーション

オールドBMXの幅もさらに広げて、“みんなの”自転車屋として新稼働した。

MIN-NANO

アパレルの店舗は道路を挟んだ斜め向かいに移し、自転車の専門店としてリニューアルした。オールドBMXはもとより、あらゆるジャンルのヴィンテージバイクに“今”のエッセンスを吹き込む。

◯東京都世田谷区北沢1-43-14 1F ☎03·5465·2242 11:00~20:00 水、第2・4火休